何時間もテレビの前に張りついている子どもたちをテレビから引き剝がすのは至難の業です。

私の子どもたちも6歳頃ともなれば、まだ言うことを聞くようにはなったものの、3歳くらいの頃はそれは毎回一苦労でした。

テレビを消すと泣き崩れる…

毎回娘にテレビはもう終わりと告げるときにはよし、とその都度気合をいれていたものです。

『あと5分間だけよ?』と声をかけるとそのときはうなずき、テレビの前から移動しはじめる素振りをみせるのですが…

5分経って『はい、今日はもうおしまい!』とリモコンをとりあげると、もう番組は終わっているというのに、ソファの上に身をよじらせてやだぁと大声で泣き崩れ始めるのです。

画面に夢中になり、消すと怒る子どもたち

子を持つ親にとって、テレビやiPad、ニンテンドースウィッチなどのゲーム機を子どもから取り上げるとき、それは泣きわめく子どもたちとの格闘の時間を意味します。

興味のある方は、Jimmy Kimmelが子どもたちがゲームに熱中している間にそっとテレビを消すというチャレンジ動画をご覧ください。

Video: Youtube

なぜだか不思議なのですが、何かに熱中しているときでも、子どもたちはテレビを消すと一瞬で気づいてしまうのです。

癇癪の原因は、ドーパミンの低下?

実は、この子どもの、大人の手にも負えないような激しい抵抗や癇癪(かんしゃく)は、生物学的にみてもれっきとした根拠があるのです。

テレビ番組やゲームに熱中しているときは、脳からドーパミン(言い換えるなら幸せホルモン)が放出されている状態だといいます。

画面に向かっている時間が終わるとドーパミンレベルは下がります。

大人であればここで上手く自分をコントロールし、次の行動に意識を向けることができますが、子どもは、その感情を上手くコントロールできないのです。

何か画面に集中しているとき、これは一種の催眠状態にあるそう。

テレビやゲームをやめさせることは、子どもたちが没頭しているその世界から無理やり引き剝がすことと同義になるのです。

たとえば、あなたが大好物のチーズを食べているとします。

そこに誰かがやってきて次のひと口を食べようとした瞬間にそのチーズを取り上げてしまう。

もしくは、1000ピースのパズルがあと少しで完成間近というときに、誰かにテーブルごとひっくり返されてしまう。

お気に入りのブロードウェイの曲を気持ちよく大声で歌いあげているときに、一番いいコーラス部分にさしかかろうとしたときに誰かに曲を変えられてしまう。

大人でも、こんな風に良い気分を台無しにされたら、怒り心頭になるでしょう。

テレビを消す前、声をかける手順

毎度子どもたちとの格闘に頭を悩ませている方は、Anita Lehmannがおすすめする方法を試してみてください。

テレビでもゲームでも、使用時間のタイムリミットがせまってきたら、

まずは、子どもの隣にそっと腰掛け、子どもたちが熱中している世界に自分もほんの少しだけ足を踏み入れるのです。

30秒ほどそのままテレビやゲームの画面を隣から一緒に眺めながら、何でもよいので、そのことについて質問してみましょう。

フランスの心理学者Isabelle Filliozatによれば、まずは子どもと一緒にその世界に没頭してあげることが大切だといいます。

そうすることで、少しずつ子どもを現実の世界で引き戻してあげられることができるのです。

実際に試したら、スムーズに成功!

私も早速娘に試したところなんとこれがうまくいったのです。

娘はDaniel Tigerというアニメを観ている最中でした。そこで私はソファに座る彼女の隣に腰掛け、『どうしてTigerのママはこんなに怒ってるの?』と尋ねました。

すると娘は『Danielがお家の中でいたずらしちゃったの』と興奮ぎみに話の展開を教えてくれました。

『それは困ったわねぇ』と私が答えた数分後に、テレビを消すわよ、と声をかけると、いつものような癇癪を起こすことなくテレビを消してくれました。

子どもを画面から引き剝がすのに苦労をしている方は是非次の機会にお試しください。

この方法でもまだ機嫌の悪くなる子はいると思いますが、それまでのような激しい癇癪を起したり、ひどく泣き叫ぶことは必ず減るでしょう。

たまに子どもと一緒にアニメを観ると、意外と大人も楽しめるような面白いシーンに出くわすことがあるかもしれませんよ。

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Photo: Vidmir Raic /Pixabay

Michelle Woo - Lifehacker US [原文