英語学習では、たくさんのハードルが待ち構えていますが、その一つが流行語です。

例えば、「草食男子」「どや顔」「コラボ商品」「ブラック企業」「インスタ映え」

日本人であれば、意味はわかるでしょう。

では、これらを英語では何と表現するでしょうか?

カタカナ英語を英語で表現できる?

こうした流行語の多くは、和英辞典にも載っていませんし、翻訳ソフトも的確な答えを出してくれないでしょう。TOEICや英検では、まず目にしない言葉ばかりですしね。

でも、それだけに正しい英語表現を知ったときは、ちょっとした達成感がありますし、ずっと忘れないはずです。

関連する用法も身について、総合的な英語力も向上するので、流行語を中心に攻める学習法はアリだと思います。

今回紹介する『日本人が勘違いしているカタカナ英語120』(キャサリン・クラフト/中央公論新社)は、そうした流行語プラスお馴染みの和製英語の英語表現が解説された、注目の1冊

どんな言葉が掲載されているか、いくつか紹介しましょう。

「インスタ映え」は、英語でなんと言う?

スマホで撮った写真がとても見栄えが良いときに、思わず「インスタ映えしそう」と言いますね。

では、これを英語でなんと言うのでしょうか?

英語をよく勉強している人ほど、「インスタグラムに適している」とかみくだいて、「fit for Instagram」などと「意訳」しがち。

正解は、「Insta worthy」・「Instagrammable」・「Instagenic」

この3つの表現がよく使われるそうです。割と、「インスタ映え」を直訳したような造語ですね。本書では、これらを使った例文も載っています。

「The food there is Instagrammable.」(あそこの料理はインスタ映えするよね。)

というふうに。

「インスタ映え」の解説は2ページだけですが、一読しただけで、ネイティブスピーカーとの会話に使える今どきな表現をマスターしたことになります。

ちなみに、「アプリ」は「app」、「ラインする」は「LINE」(全部大文字)です。これらも2ページにわたり解説されています。

「ブラック企業」は、英語でなんと言う?

「自分はブラック企業で働いているんだよ」というつもりで、英語圏からやってきた人に「I work for a black company.」と話したら、相手はどう思うでしょうか?

まず、間違いなく、黒人経営者が運営する企業に勤めていると思うはずです。

著者のキャサリン・クラフトさんによれば、「ブラック企業」にあたる英語表現は、実は存在しないそうです。

そこで、クラフトさんが提案する、

英語圏人にも理解できる表現が「an exploitative company」

「exploitative」とは、「(人を)不当に利用する・(労働者を)搾取する」という意味の形容詞だそうで、それを使った例文がこちらです。

「The company he works for is one of the most exploitative company in Japan.」

(彼が働いている会社は、日本ではもっともブラックだといわれている会社の1つだ。)

参考までに、「ブラック企業」の逆の「ホワイト企業」は、「a good company to work for」だそうです。

「リバウンドする」は、英語でなんと言う?

「リバウンドするは、reboundでOKじゃない?」と、大半の日本人は思っているかもしれません。

ですが、ダイエットに挫折して体重が元に戻ってしまったのを、「I rebounded my weight.」と言っても、ネイティブスピーカーはさっぱり意味が理解できないそうです。

正解は、「gain weight back」や「regain the weight」

以下の例文があります。

「I lost weight on the diet, but when I went off it, I gained the weight back.」

(ダイエットしてやせたのに、やめたらリバウンドしちゃった。)

そして、「ダイエットとリバウンドを繰り返す」ことは、体重がヨーヨーのように上下するのにたとえ、英語で「yo-yo diet」と言います。

「They say yo-yo dieting is worse than being overweight.」

(ダイエットとリバウンドを繰り返すのは、太りすぎの状態より体に悪いそうです。)

「yo-yo diet」は、「とてもよく耳にするフレーズ」だそうで、覚えておいて損はないでしょう。

このように本書には、思わず「なるほど~」を連発したくなる、流行語・和製英語の正しい英語表現が多数盛り込まれています。

仕事や旅行で生の英語に接する人には、おすすめしたい1冊です。

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Image: Castleski/shutterstock

Source: 『日本人が勘違いしているカタカナ英語120