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人々の性格から寿命を予測できるのは「睡眠の違い」が理由だと判明

by bruce mars

人間の寿命に影響を与える要因には知能や家族の経済状態などさまざまなものがありますが、その人の性格も寿命に関連していることがわかっています。一体なぜ性格が寿命に影響するのかを調査した研究により、「性格による睡眠の違い」が性格と寿命を関連付ける要因だったことが判明しました。

Sleep: A Pathway Linking Personality to Mortality Risk - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0092656618302502

Researchers Identify Sleep As A Key Reason Why Personality Traits Predict Longevity – Research Digest
https://digest.bps.org.uk/2019/05/01/researchers-identity-sleep-as-a-key-reason-why-personality-traits-predict-longevity/

研究を行ったウエストバージニア大学の研究者Shantel Spears氏は、「睡眠が性格と寿命の両方に関連していることは明らかになっていましたが、睡眠が両者を結びつけているのかどうかは明らかになっていませんでした」と述べています。

Spears氏が率いる研究チームは、1995年から1996年にかけてアメリカで行われた数千人規模の調査で回答された個人の性格と、2004年から2006年にかけて調査された人々の睡眠時間や質に関する調査結果を基に、性格と寿命との関連に睡眠が影響を与えているのかを研究しました。2つの調査ではおよそ4000人についての性格と睡眠傾向が明らかとなり、2015年10月の時点における研究対象者の生死についても調査しました。

by Vera Arsic

調査の結果、睡眠時間が平均である7時間よりも65分以上長かったり短かったりすると、死亡リスクが10%ほど高まることが分かりました。また、ビッグ・ファイブ・パーソナリティ特性の5要素の1つ「Conscientiousness(誠実性・良心)」のスコアが低い人も、死亡リスクが高いことがわかりました。研究では、誠実性のスコアが低い人は睡眠時間が平均より短く、睡眠の質も悪いことがわかっています。なぜ誠実性のスコアが低いと睡眠の質が悪くなるかは不明ですが、該当する人々は就寝時間が遅い傾向にあるところが関係している可能性があるとのこと。

また、「Neuroticism(神経症的傾向)」のスコアが高い人々は睡眠時間が平均から離れやすく、死亡リスクが増加することも明らかになりました。この傾向に当てはまる人々は日中に疲れやすいという傾向もあり、睡眠の質が低い可能性をSpears氏は指摘しています。


日中に疲れやすいというのは「Extraversion(外向性)」のスコアが低い人でも見られる傾向で、やはり、当てはまる人の死亡リスクは高くなっていました。

以前から人々の性格が寿命の予測に役立つことが知られており、その理由は「実直な人々は喫煙や飲酒、暴食の習慣が少ない」といった理由が考えられてきました。今回の調査対象者は多くが高学歴の白人であること、性格や睡眠時間があくまで自己申告に基づくものであることといった制限があるものの、Spears氏は今回の研究結果から「睡眠時間の差が、性格の違いによって寿命が予測できる原因となっていることが示唆されました」と述べています。

by John-Mark Smith

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in メモ, Posted by log1h_ik

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