今春、アイスランドの格安航空会社、WOWエアが突然廃業を宣言し、その時点で全便がキャンセルされたため、多数の乗客が立ち往生するという事態になりました。

これにより、デビットカードでWOWエアのチケットを購入した人たちも困ったことになっているとワシントンポストのMichelle Singletary氏が報じています。

先週、娘が絶望した面持ちで私のオフィスに駆け込んできました。

娘は6月にアイルランド旅行を予定しており、ダブリンからの帰国はWOWエアの格安便を予約していたのですが、WOWエアが何の前触れも無く突然廃業を発表して、その便がキャンセルされてしまったのです。

娘が心配しているのは、代替えとなる格安航空券が見つかるかどうか、ということだけでなく、補償レベルが低いデビットカードでWOWエアの航空券を購入してしまったことです。

大学生なので、350ドルも失うのは痛すぎると愚痴っていました。

ワシントンポストより引用翻訳

デビットカードは一般的なクレジットカードよりはるかに補償のレベルが低いのが特徴です。

事前通告もなく突然廃業した格安航空会社の航空券をデビットカードで購入したとなると、返金率はクレジットカードで購入した場合よりずいぶん厳しいことになりそうです。

デビットカードを不正利用されるケース

デビットカードを不正利用されるリスクがあるのは次のような場合です。

・ デビットカード番号をオンラインストアに入力した。

・ デビットカード番号を「激安」航空会社に知らせた。

・ デビットカード番号をセルフガソリンスタンドでスキミングされた(不正に読取するスキマーが仕掛けられていることがあります)。

・ デビットカードの情報を大手スーパーや有名ホテルに提供した。

上記のようなケースで不正利用されてしまったら、とにかく迅速にカード会社(銀行)に報告することが肝心です。

日本の銀行が発行するデビットカードの場合は、必ず不正利用補償が付帯していますが、補償限度額と補償期間はカードによって異なるので、複数のデビットカードの条件をチェックしてから選択することをおすすめします。

補償期限を過ぎてしまったら、お金は戻ってきません。そして、各社クレジットカードのように被害額の全額補償ではないことも多いので注意が必要です。

また盗難・紛失なのか、偽造なのかなど不正利用の状況により、補償期限が短く設定されていることもあります。

デビットカードの不正利用対策は必須

残念ながら、すべての人がクレジットカードを持てるわけではありません。

デビットカードが最善または唯一の選択肢であるなら、不正利用をできる限り迅速に報告できるように、常に利用履歴を把握しておきましょう。

報告が早いほど、取り戻せる金額が増える可能性が高くなります。

ただし、クレジットカードを持っているなら、失うと痛い金額はデビットカードで支払わないことが賢明です。

また、クレジットカードの場合は、カードの利用明細書を見て不正利用に気づいて、カード会社に報告すると、引き落とし前なら銀行口座からの引き落としをストップできます。

しかし、デビットカードは即時支払いのため、一度は自分の口座残高から引き落とされてしまいます。

補償により返金される場合でも、タイムラグが生じることもありますので、その点も考慮した上で、デビットカードとクレジットカードは賢く使い分けましょう。

あわせて読みたい

QRコードなどのスマホ決済を、家計管理に役立てる方法

QRコードなどのスマホ決済を、家計管理に役立てる方法

現金主義の人に教えたい、キャッシュレス決済のメリット・デメリット

現金主義の人に教えたい、キャッシュレス決済のメリット・デメリット

Image: Getty Images

Nicole Dieker – [原文: Don't Pay Debit on Anything You Can't Afford to Lose