Netflixが『13の理由』が若者の自殺率に影響したかの調査結果にコメント

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  • author Melanie Ehrenkranz - GIZMODO
  • [原文]
  • 中川真知子
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Netflixが『13の理由』が若者の自殺率に影響したかの調査結果にコメント
Image: Pascal Le Segretain / ゲッティイメージズ

単なる問題定義ドラマと言えないメッセージ性があるのね。

主人公がなぜ自殺するに至ったのかを語るNetflixドラマ『13の理由』。自殺を美化したり助長する恐れがあると専門家らが懸念していましたが、どうやら実際にシリーズの影響で自殺率が増加しているという研究結果が出たみたいです。

以前、シリーズの廃止を訴える人たちの声に対して、Netflixのリード・ヘイスティングスCEOは「無理して視聴する必要はない」と強い姿勢を見せていましたが、先日発表された自殺率増加の研究結果はさすがに無視できないかもしれません。

この研究結果を見たばかりです。ペンシルバニア大学による別の研究とは矛盾する結果が出ています。

とNetflixの広報担当者は米Gizmodoにメールで応えました。

これは非常に重要なトピックです。この繊細な問題にできる限り責任を持って対応するように努力してきました。

矛盾する調査結果

広報担当者のいう「矛盾する結果」とは、Social Science and Medicineに掲載された記事の内容です。その研究では、去年5月に配信された『13の理由』のシーズン2を最終話まで観た18歳から29歳を対象に調査したところ、自殺リスクの低下を示す結果が出たと言います。途中で見るのをやめてしまった人たちには高い自殺リスクが見られたというのは無視できませんが、番組が自殺の増加にリンクしているという新たな研究結果のインパクトを少しでも弱めることはできるでしょう。

いっぽう最新の研究は、Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatryに掲載されました。それによると、番組が配信されてから9ヶ月の間に、米国内の10から17歳までの若者の間で、過去のデータに基づく予想よりも195件も多く自殺が増えていたそうです。

より詳しく書くと、配信の翌月にあたる2017年4月には、190人のアメリカの若者が自殺していたそうです。USA Todayによると、これは過去5年間の自殺率より30パーセントも高いとのこと。しかしこの調査結果は、番組の配信時期に起こっている他の要因やイベントの可能性を考えると決定的とは言えません。

Netflixが研究者や批評家の懸念に、どのように対応するのかは不明です。しかし、過去を振り返っても番組をキャンセルすることはまずあり得ないのでは。大ヒットシリーズには違いはありませんし、2シーズンのラストの終わり方では納得できないかも…。ただ、大人の作ったコンテンツが若者に自殺を促すようではマズいです。影響力のあるNetflixだからこそ、今後の動きに注目が集まるでしょう。