『韓国カフェ巡り in ソウル』(東山サリー著、ワニブックス)の著者は、2016年から韓国にどっぷりハマってしまったという人物。
それどころか、2018年には勤めていた日本の出版社を辞め、フリーランスの韓国在住ライター・コーディネーターになったというのですから驚きです。
とりわけ魅了されたのは、日本とは異なる、商業感のないセンスあふれるカフェ。
そこで、ソウルはもちろん釜山(プサン)、大邱(テグ)、済州(チェジュ)、全州(チョンジュ)など地方にまで足を運び、延べ400軒を超えるカフェへ行ったのだそうです。
2ヶ月に1度は韓国に行けるよう、日本での生活を切り詰め、感覚では1日に8~10軒ほどのカフェを巡ることも。
本書には、私が巡ったカフェとその周りにある美味しいレストラン、書店などを含め、厳選した100軒をご紹介しています。(「プロローグ」より)
ところで韓国、とくにソウルといえば、独立系の個人書店が盛り上がりを見せていることで知られています。
そこできょうは本書のなかから、それぞれ個性的な3軒の書店をご紹介したいと思います。
STILL BOOKS
「A Bookshop for Inspiration」(インスピレーションを受けるための書店)というコンセプトを持つ、物語性のある空間がポイント。
デザイン書や洋書、実用書、文学など多彩なジャンルの本を取り扱っており、近年注目を集めているという韓国の1テーマ雑誌「B」も全巻揃っているのだとか。
種類や冊数こそ大型書店には及ばないものの、レアな掘り出し物も少なくないそうです。
ちなみに1階から上階に向かってストーリーがつながっていて、最上階のバーレストランカフェの名前が「THE LAST PAGE」。
そしてレストランのメニューには“FIN”と書かれているなど、隅々まで世界観が完璧に演出されているのだといいます。
「BOOK CLUB NIGHT」というイベントが開催されることも。本を軸として、多様な展開がなされているわけです。
STILL BOOKS 스틸북스
住所 ソウル特別市龍山区大使館路35(서울특별시 용산구 대사관로 35)
電話番号 +82-2-749-5005
営業時間 12:00-21:30
定休日 月曜
Instagram
(22~23ページより)
THANKS BOOKS
デザイナーでもあるオーナーのイ・ギソプさんが立ち上げた、韓国の独立型書店ブームの火つけ役。
最初の店舗は弘大(ホンデ)にありましたが、現在は合井(ハプチョン)に移転したのだそうです。
座って本を読めるスペースもあるので、時間を気にせずのんびりと本を選ぶことが可能。
店内の一角には海外作家の作品が展示されていたり、1冊の本を取り上げてキャンペーンを開催していたりもするので、つねに新しい発見が。
ハングルが読めなくても、日本とは異なるデザインの装丁は眺めているだけで面白い! 私は、今なくなりつつある「街の本屋さん」の雰囲気が大好きなので、足繁く通っている場所でもあります。(102ページより)
韓国では最近、ミニマルなライフスタイルや生き方、人間関係についての書籍が人気だといいます。
THANKS BOOKS 땡스북스
住所 ソウル特別市麻浦区楊花路6キル57-6(서울특별시 마포구 양화로6길 57-6)
電話番号 +82-2-325-0321
営業時間 12:00-21:00
定休日 元旦、旧正月、チュソク
(102~103ページより)
PARRK
「QUEEN MAMA MARKET」というインテリア・雑貨店、カフェなどが入る複合施設の3階にある「PARRK」は、上記「THANKS BOOKS」が運営する書店。
「THANKS BOOKS」よりもアート系の書籍が充実していて、洋書やファッション本、海外のレシピ本、貴重な写真集など充実したラインナップ。
目で楽しめる本が多いこともあり、デザイナーなどクリエイターの姿もよく見かけるのだそうです。
本好きなら入った瞬間にきっとテンションが上がるはず。おしゃれな図書館のようでもあり、ギャラリーのようでもあり、ところ狭しと本が並んでいて、あらゆる本を読んでみたくなる場所です。(46ページより)
ところどころに椅子が用意されているので、疲れたら座って本を読むことも。
春夏は大きな窓から島山公園の木々を眺めることもでき、テラスで風に吹かれながらのんびり本を読むこともできるそうです。
PARRK 파크
住所 ソウル特別市江南区狎鴎亭路46キル50,3F (서울특별시 강남구 압구정로46길 50,3F)
電話番号 +82-70-4281-3371
営業時間 火~土曜/10:30-20:00 日曜/12:00-20:00
定休日 月曜
(46~47ページより)
著者が言うように、とても洗練された魅力的なスポットが多数紹介されています。大型連休は終わってしまいましたが、韓国なら週末を利用すれば簡単に行けるはず。
本書のなかにピンとくるお店を見つけたら、足を運んで見てはいかがでしょうか?
もしかしたら、著者のようにハマッてしまうことになるかもしれません。
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Photo: 印南敦史, ワニブックス