町田駅を出て徒歩数分。イラストレーターのKensuke Takahashi氏の描いた巨大なアートウォールがある建物は、1階がカフェ、2・3階が宿泊施設となっています。
この建物の名は、「LIBRARY & HOSTEL 武相庵(ぶそうあん)」(以下「武相庵」)。町田市の中心街に2018年12月にオープンしたホステルです。
このホステルの1番の特長は、本好きなら心惹かれる要素がたくさんあること。読書家の多いライフハッカー[日本版]の読者なら、注目したくなるに違いありません。
そこで、今回は「武相庵」に赴き、その魅力をお伝えしたいと思います。
1階はボードゲームも楽しめるブックカフェ
「武相庵」の1階は、ブックカフェ。エントランスを入ると、右手はカウンター席、左手はテーブル席となっています。
テーブル席の壁には一面、本が並んでいます。
案内をしてくれたスタッフの方は、「1階にある蔵書は、主に地元の老舗古書店からの寄贈です。くわえて、アート関連の本は、町田版画美術館からの寄贈が多いですね。もちろん、来店された方は、手にとって自由に読むことができます」と話します。
またブックカフェとはいえ、本で埋めつくされているわけではなく、何種類ものボードゲームも常備されていて、無料で遊べます。
さらにボードゲームの棚の横には、近隣都市の相模原や海老名などで造られたクラフトビールがあり、注文できます。
2階の宿泊スペースも本がいっぱい
カフェの上の2階と3階は、宿泊スペース。階段で2階に上がると、2段ベッドのドミトリータイプのフロアになります。
ここにも、棚にはさまざまな本が陳列されています。この階にある本も、地元書店がセレクトした書籍だそうです。
スタッフの方によれば、「本選びの方針は“ポジティブになれる本”」とのこと。
ベッドで読みながら寝落ちすれば、ポジティブな夢を見られそうな内容の本が揃っています。
ドミトリーの奥の方に歩いていくと、「コンパクトルーム」と呼ぶ部屋が数室あります。
パーソナルスペースをもっと確保したい人は、こちらを利用するとよさそう。
3階は共用スペースもある個室
3階は、個室が占めます。客室はシングルとツインがあり、こちらも木製の家具を多用して、リラックスできる雰囲気を演出(シャワー、トイレは共用)。
座って本を読める共用スペースもあり、ここにも上の棚に本が並んでいます。
『サザエさん』の原作漫画から、町田市とゆかりのある白洲次郎に関する書籍まで、バラエティーに富んでいます。
本が「通貨」になる世界初の試み
「武相庵」は、町田市では初のホステルとなりますが、ここは「本が通貨になる世界初のライブラリーホステル」でもあります。
具体的には、「本を3冊寄贈してくれた方にはコーヒー1杯が無料、5冊寄贈してくれた方にはホステルの宿泊料金が20%オフになる」というシステムが導入されています。
ただ、提供できる本には「読むとワクワクし、ポジティブになれる内容で、状態が良いもの」という条件があります。
オープン以来、利用者から提供された数は50冊くらいだそう。
宿泊を通して街を良く思ってほしい
町田初のホステル開業のきっかけについて、スタッフの方は以下のようにおっしゃっていました。
立ち上げのメンバーは、本はもとより旅好きの人が多くて、旅で訪れた街の印象は泊まった所に影響されることを知っていました。そこで、町田に出張・行楽で来た人に、この街のイメージを良くしてもらいたいという想いがあったからです。
町田は、湘南に近く、都心にも近いというアクセスの利便性があり、地方からの旅行者にとって穴場的なところ。
旅行も好きで、本も好きという方は、訪れてみてはいかがでしょうか。
LIBRARY & HOSTEL 武相庵
所在地:〒194-0013 東京都町田市原町田4-10-12
TEL:042-860-7817
アクセス:JR町田駅(北口)から徒歩4分 、小田急線町田駅(東口)から徒歩8分
宿泊料金(1泊税込み):ドミトリーは2800円、コンパクトルームはシングルが4200円~、ツインが4800円~、3階客室はシングルが5800円、ツインが6800円(1名利用)~、または9800円(2名利用)
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Photo: 鈴木拓也
Source: LIBRARY & HOSTEL 武相庵
Reference: Wikipedia