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Technics、10万円のHi-Fi入門レコードプレーヤー「SL-1500C」

パナソニックは、テクニクス(Technics)ブランドのオーディオ向けターンテーブル「SL-1500C」を6月28日に発売する。価格は10万円。カラーはシルバー(S)。

SL-1500C-S

「Hi-Fi入門向け」と位置付けるダイレクトドライブのレコードプレーヤーで、MMカートリッジ対応のフォノイコライザーを内蔵。出力端子はLINEとPHONO独立で各1系統を備え、手持ちのフォノイコやMCカートリッジを使う場合は、背面のPHONOスイッチをオフにすると、内蔵フォノイコ回路の影響を完全に排除できる。また、レコードの最後に到達すると自動的にアームが上がる「オートリフトアップ」機能も搭載。レコードや針の不要な摩耗を防げる。

ダイレクトドライブ方式の課題とされるコギング(回転ムラ)の発生を解決するため、コイルからコア(鉄心)を排除したコアレスステーターを採用したコアレス・ダイレクトドライブ・モーターを搭載。ローター磁石の磁力を極限まで向上させている。ワウ・フラッターは0.025%。

5月に発売したDJ向けターンテーブル新機種「SL-1200MK7」と共通のモーターだが、新モデルのSL-1500Cはオーディオ用途のため、DJ向けのようにトルク重視ではなく、Hi-Fi用にゆとりを持った音楽用のチューニングを施したという。

プラッターに、モーターを構成するローターヨークとローター磁石を固定、モーターとプラッターが強固に結合した構造を採用して安定した回転を可能にした。さらに、電気回路もモーターとプラッターの性能を最大限発揮できるようにチューニングしている。

モーターの回転制御には、Blu-ray Disc機器で培った最新の制御技術を応用。マイコンによる高度なモーター制御技術により、回転を安定させている。また、モーターのドライブ回路や磁気回路のばらつきを補正する、上級機でも採用した技術を継承した。

プラッターはアルミダイキャスト製。裏面全体に消音ゴムを配置した2層構造で、有害な振動がレコードに伝わるのを防ぐ高い剛性と、振動減衰特性を備えている。プラッター裏面に、剛性を高める強化リブを追加。SL-1200MK5と比べて2倍以上の減衰特性を実現している。

外部からの振動を軽減するシャーシは、ABSにガラス繊維を配した特殊素材とアルミダイキャストシャーシを強固に一体化した2層構造を採用。剛性を高めた特殊素材と金属シャーシを組み合わせ、高剛性と制振性を高いレベルで両立させている。脚部には、音質を重視した高減衰インシュレーターを採用する。

ダストカバーを閉じた状態

ortofon製のMM型カートリッジ「2M RED」をあらかじめ装着。購入してすぐにレコード再生できるようにしている。付属カートリッジ以外も装着できるように、6mmの範囲で高さ調整できる機構を備える。

トーンアームはテクニクス伝統のスタティックバランス型のS字形ユニバーサルトーンアームを継承。トーンアームパイプの素材には軽量で高い剛性のアルミニウムを採用。ジンバルサスペンション構造のトーンアーム軸受け部には切削加工のハウジングを使った高精度ベアリングを採用した。

カートリッジ/トーンアーム部

シャーシには、ハイエンドモデルの開発を通じて培った音質向上技術を投入。アルミダイキャストシャーシと、ガラス繊維と混合したABSの2層構造となっている。

背面

外形寸法は453×372×169mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約9.9kg。ターンテーブルシート、ダストカバー、EPレコード用アダプター、バランスウェイト、補助ウェイト、カートリッジ付きシェル、PHONOケーブル、PHONOアース線、電源ケーブルが付属する。