なにげなく見てたけど…。
もはや使っていない人を探すほうが難しいのでは? そんな小さな子どもから大人まで、普通に視聴しているYouTubeの動画ですけど、これって地球温暖化問題につながってるっぽいのです。使えば使うほど、温室効果ガスが排出されますよ!
このほど英ブリストル大学(University of Bristol)は、Conference on Human Factors in Computing Systemsにおいて、YouTubeと地球温暖化の関連性などを調査した研究成果を発表。2016年にYouTubeのサービスにより、約1100万トンもの二酸化炭素が空気中に排出される事態を招いたとの試算を明らかにしています。動画の配信、ネットワーク、ユーザーにいたるまでのサービスモデルを、各種データから分析し、導き出されるにいたった同排出量は、オランダのアムステルダムで1年間に排出される二酸化炭素量よりも、はるかに多いと警告されていますよ。
本研究で目的とされているのは、Google (グーグル) であれ、BBCであれ、サービスの設計を進める際には、全体的にどれほどのエネルギーやリソースが消費されているのかを、サービスプロバイダーは十分に配慮すべきだとの提言を行なうことにある。消費の削減に資するツールを提供するのも、その目的の一つだ。
同調査に携わった、ブリストル大学のChris Preist教授は、このように語っています。一例として、現在、YouTube動画の大半が、PCではなく、スマートフォンやタブレットなど、モバイル環境で視聴されていることを指摘。とりわけ、有料のYouTube PremiumやSpotify、Apple Musicを契約することなく、多くのユーザーが音楽ストリーミングの目的でYouTubeを利用しているものの、無料サービスでは、視聴画面がアクティブでないと音楽が止まってしまいます。でも、これを画面が暗くなったり、別のアプリを使用中でも、音声だけは流れる仕様へと設計を変更したり、勝手に関連動画を次々と自動再生する機能を排除したりするだけで、55万1000トンもの二酸化炭素排出量が削減できると提言していますね。
YouTubeにとっては、無料で音楽ストリーミングを利用しやすくしたり、ユーザーが次々と動画をダラ見してくれる機能をカットしたりするのは、決してビジネスモデルとして歓迎されるものではないことでしょう。しかしながら、われわれは地球温暖化ストップのため、環境のためを思って、こんなふうに新機能を実装することにしただなんて発表を行なえば、意外と他社も同じように追随して、ユーザーにとってはサービス向上につながったりするやもしれません。こうした研究がなされるまでは、Googleが、再生可能エネルギーを用いたサーバを稼働させてさえいれば、地球環境に優しいサービスだとアピールできたものの、そう単純な構図ではないことが判明した形です。
なお、この件に関しては、米Gizmodo編集部からYouTubeにコメントを求めてはいるものの、いまだに返答を受け取ることはできていません。ユーザー側からは、ぜひとも早く実現させてほしい改良ポイントではありますけどね~。
Source: University of Bristol