曲がる時代。
これからのスマートフォンは、画面が曲がる。折りたたみスマートフォンがよくも悪くも(どっちかっていうと悪いほうで…)注目を集める今、曲がるのはスマホだけじゃない! 先陣をきったSmasung Galaxy Foldが酷評され、発売が延期されるも、折りたためる世界は止まらない。Lenovoが、曲がるディスプレイ=折りたためるディスプレイを搭載したラップトップを開発中です。そのプロトタイプを米Gizmodo編集部が触って来たので、感想をどうぞ。
Lenovoが開発中の折りたためるラップトップの試作品を触って来ました。が、まずこれをラップトップと言っていいべきかどうかで悩みます。従来のラップトップとは違うし、Lenovoもこの試作品をラップトップと呼んでないし…。そもそも、まだ正式名称も決まってないとのこと。上部にはThinkPadのロゴがあることから、ThinkPad X1シリーズとして出ると予想してますが、実際に発売する時どうなるかは現時点では謎です。ナゾタンマツ…。
閉じた状態は、従来のラップトップとMicrosoft Srufaceのような2-in-1端末を足して2で割ったような見た目。端末真ん中に2パーツをつなぐヒンジ、背面にはスタンドあり。Wocomのスタイラスペンをしまっておける小さなループもあり。ただ、これを開くと、そこには未だかつて見たことのない世界が!
ラップトップと言われて想像する、上部スクリーン&下部キーボードはそこにありません。端末を開いて目に入るのは、13.3インチのOLEDディスプレイ(4:3、2K画質)。ちなみに、Lenovoの試作品のディスプレイを作っているのはLG。LGは、Lenovoのこの端末で曲がるスクリーンをデビューさせることになります。
いわゆるラップトップぽい使い方をするならば、上が9.6インチのハーフスクリーン、下をタッチスクリーン型のキーボードというパターン。ただこの端末の良さをフルで体感したいなら、ハーフスクリーンではなく見開きいっぱいディスプレイとして使って、外付けBluetoothキーボードを使うのがおすすめ。IRカメラが内蔵されているので、例えばWindows Helloなどの顔認証が利用できます。その他、USB-Cポートが2つ(データ移送&充電)とステレオスピーカーあり。気になるバッテリーは、Lenovoいわく「1日イケる!」とのこと。
現段階でスペック的に言えるのはこれくらい。なんせまだ開発中の端末であって、出荷は2020年予定ですから。搭載されるOS(Windowsベースなことは確か)すら教えてくれませんでした。まだまだナゾタンマツ…。
実際に発売される時どうなっているのか、さっぱりわからないものの、現段階の試作品を触った感想としては、リリースが楽しみー! 従来のラップトップよりもちょっと厚くて重くはあるものの、期待したいのは目玉である折りたためるスクリーンの良さ。Galaxy Foldでさんざん叩かれている折り目のシワやボコボコ感はなし。しなやかに曲がるスムーズな画面と言っていいでしょう!
フルスクリーンで動画を見るもよし。ハーフスクリーンで動画見ながら、下半分でスタイラスペン使ってメモとるもよし。ゲームしながらSlackチェックするもよし。仕様しだいでは、AppleのTouchBar的なメニューボタンをカスタマイズできる可能性もあります。どんな使い方をするにせよ、この端末最大の魅力は下半分が物理的にキーボードのみで埋まっていないということ。
もちろん、使う人を選ぶ端末にはなると思います。Lenovoの想定するターゲットユーザーは超ヘビーなビジネス向けモバイルユーザーや、とにかく移動の多い人。あとはもちろん、テック大好きのアーリーアダプタのみなさま。
折りたためる〇〇で、今ユーザーが1番気にしているのはその耐久性。脆いやつは出張には不向きよね。しかしLenovoは、それもしっかり考慮しており、ThinkPadシリーズの基準であるミリタリーレベルの耐久テストをパスしてから、リリースする予定だといいます。
今回触って来た折りたためるディスプレイラップトップの試作品は、開発期間3年。SamsungのGalaxy Foldが開発期間8年なので、年数だけだとかなり短く感じます。が、LenovoにはYoga BookやYoga Book C930で積み上げてきたものがあります。なので、単純に開発期間が3年とは言えないでしょう。
実現=発売にはまだ時間があるものの、ワクワクする端末なことは間違いなし。Galaxy Foldがスマートフォン業界に新たな風を吹かせたように、Lenovoのこの試作品がラップトップ業界を揺さぶってくれることを期待しています。3年前、同僚のAlex記者が初代Yoga Bookを「ラップトップの未来」と評していました。だとすれば、この試作品はその未来をより具体的にしたもの。2020年がどうなっていくのか、楽しみでなりません。
画像にもありますが、スクリーン=上半分・キーボード=下半分に限定されないことに大きな魅力を感じます。どう使うか、どうマルチタスクしたいかによって、スクリーンサイズそのものを変更できるのは、確かに今までにはないラップトップの使い方。ディスプレイ革命によって、ガジェットのあり方そのものがまた変わってくる今日この頃。これから数年はまたワクワクできそう!