混雑した空港や、保安検査場の長蛇の列や、3時間のフライトの遅延よりも嫌なのは何でしょう? それは、予約を取り消されて、予定していたフライトに乗れないことではないでしょうか。

フライト予約が取り消される理由

航空会社業界では、予約の取り消しが発生した場合は「このフライトはオーバーブッキングがありましたので、今すぐどなたかにフライトの変更をお願いしなければなりません」と言います。

そして、不便をかけられたことと引き換えに少額の謝礼(現金)をもらえることもあります。その後のフライトにするのは得ではありません。

先日「The Points Guy(以下、TPG)」に、最初のフライトからの予約変更が、結局はキャンセルになり、新しいフライトは1度ではなく2度も乗り継ぎがあったという、ある家族の地獄のような旅の体験が書いてありました。

26時間後(空港の床で一晩を過ごした後)、その家族はなんとか自宅にたどり着きました。しかし、このような状況は、早めのチェックインと席の指定をするという、簡単なことで避けられることもあります。

航空会社によって状況は様々

慰めになるであろう事実として、最近は強制的な予約取り消しはほとんど起こっていません。

2017年10月にユナイテッド航空が、乗務員の座席を確保するために乗客を無理やり連れ出した事件以来、多くの航空会社はこれまで以上に予約を取り消す乗客が少なくなりました。

(2017年1〜9月にユナイテッド航空で予約を取り消されたのは2,067人で、2018年の同時期はたったの70人でした)

それでも、予約の取り消しはまだ起こっており、さらにひどい航空会社もあります。TPGに書いてあるように、アメリカン航空は2018年10〜12月に1,500人以上の乗客の予約を取り消しました。

一方で、デルタ航空の予約取り消しはゼロでした。どうしてこのようなことが起こるのでしょう?

強制的な予約取り消しと、自主的な予約取り消しの違いについて考えてみましょう。

ゲートで航空会社の客室乗務員が、謝礼を支払うから後のフライトに変更してもらえないかと、乗客に頼んでいるのを聞いたことがありませんか?

これは、乗客が謝礼をもらうという選択をしているので、自発的な予約取り消しになると考えられます。

米運輸省の統計局によると、2018年7〜9月にフロンティア航空、アラスカ航空、サウスウエスト航空などの航空会社は、かなりの割合の乗客の搭乗を拒否しました。

(デルタ航空、ジェットブルー航空、ユナイテッド航空、ハワイアン航空が拒否した乗客数の割合がもっとも少なかったですが、自発的な予約取り消しにかなりの賠償金を提供しています)

自分の予約した通りにきちんと旅行ができるようにしたい場合は、デルタ航空、ジェットブルー航空、ユナイテッド航空などのフライトを利用した方がいいでしょう。

(少なくとも、予約を取り消すことになっても十分な謝礼がもらえる可能性が高いです)

時間をオフピークにする

空港の床に座り込む男性
Image: Gettyimages

自分の予約したフライトに乗れる確率を本当に高めたい場合は、オフピークの時間帯に発つフライトを予約するようにしましょう。

「AirHelp」では、午後のフライトよりも午前のフライトの方が乗れる可能性が高いと指摘しています。

「その日の時間が経つにつれて、満席やオーバーブッキングなどが増える確率が高くなり、その結果、搭乗を拒否される確率も高くなり、遅延やキャンセルが雪だるま式に増えていきます」

早めにチェックインと座席指定をする

事前に座席指定をするのは、予約したフライトに実際に乗れるようにするもっとも手堅い方法のひとつだと、TPGでは書いています。

結局のところ、満席で座席指定もしてあるフライトの場合、座席指定をしていない人が最初に予約を取り消されるのは納得です。

フライトの予約はできるだけ早くし、オンラインや電話で座席指定をするようにしましょう。贅沢がしたい場合は、追加料金を払ってプレミアムシートなどにすれば、さらに座席を確保できる確率は上がります。

フライトの24時間前までにもっといい席が空くのを待ちたい場合は、空港でできるだけ早くチェックインするのも大きな助けになります。直前にチェックインした乗客は、搭乗を拒否される可能性が高くなります。

格安航空券を買わない

空港のベンチで寝る男性
Image: Gettyimages

安い航空券には安いなりの理由があります。

航空会社は、空席のリスクを冒すよりも利益を生むために安い航空券を提供しますが、その航空券に提供される特典もできるだけ少なくなります。

予約を取り消されたくない場合は、驚くほど(もしくは比較的)安いベーシックエコノミー料金を買わないようにするのも得策です。

何社かの航空会社の契約に書いてあるように、ベーシックエコノミー料金の乗客は搭乗を拒否される可能性が高くなります。

また、ベーシックエコノミーの航空券では、座席指定のオプションがないこともあり、予約を取り消される確率が上がるだけ。

同じような理由から、ファーストクラスやビジネスクラスの座席、および同じような上級クラスの座席は予約を取り消されない可能性が高いです。

少なくとも、航空会社から見れば、乗客はすべて同じであるわけではなく、ステイタスやクラスの高い座席にする(もしくはそのようなステイタスやクラスの人と一緒に予約する)ことが役に立ちます。

予約を取り消されたら謝礼を求めよう

それでも予約を取り消されてしまった!そんな時も、できることなら空港の床で寝たくありませんし、万が一寝なければならない場合も、知っておいた方がいい選択肢がいくつかあります。

ひとつは、遅い時間のフライトの場合はいくつかの権利があります。運輸省のWebサイトによると、以前も米Lifehackerで書いたように、謝礼がもらえるなどが含まれます。

・元々のフライトの到着時間の1時間以内に新しいフライトが用意された場合は、航空会社は乗客に補償する必要はない。

・新しいフライトの到着時間が1〜2時間(国際線の場合は1〜4時間)後の場合は、片道料金の200%、最高で675ドルまで得られる。

・新しいフライトの到着時間が2時間以上(国際線の場合は4時間以上)後の場合は、片道料金の400%、最高で1,350ドルまで得られる。

・手荷物の預け入れや座席指定のような追加サービスの料金は、払い戻されなければならない。

ほとんどの航空会社の契約では、いくら支払われるなどの詳細が明確ではないかもしれませんが、補償を受けられるということは知っておいた方がいいでしょう。

一方、ジェットブルー航空は乗客が補償される金額について明確に記載しています。予約取り消しの場合は最高で1,350ドル支払われます。

また、バウチャーには期日などがあるかもしれないので、補償か受けられる場合は現金を要求するようにしましょう。それに、現金ならどこでも使えます。

(航空会社に予約を取り消された場合、バウチャーがあっても、またその航空会社を使いたいと思わないかもしれません)

予測されている遅延の時間がおそろしく長い場合は、ホテルや食費、必要な交通手段などを補償してもらうのもありです。航空会社の専門家Seth Kaplanは、TPGにこのように書いています。

「一度、ヘルシンキからのフライトが、JFK空港での乗継便に間に合わず、その夜は他に空席のあるフライトがなかったことがあります。しかし、私は別の航空会社(その時はアメリカン航空)の、ラガーディア空港フライトを予約し、JFK空港からラガーディア空港までのタクシーチケットをもらいました」

ですから、予約を取り消された場合は、航空会社ができることなら何でもやってもらいましょう。飛行機に乗るのは大変なこともありますが、少しのお金で楽になることもあります。

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Source: The Points Guy,AFAR Media,米運輸省統計局,米運輸輸省,ジェットブルー航空

Josh Ocampo - Lifehacker US[原文