宇宙へ、いきまーす!
令和お祝いムードで忘れてたけど、もうすぐオリンピックなんですよね。そろそろ五輪らしいイベントをということで、JAXAがガンダムとシャアザクを宇宙に飛ばすそうですよ。嘘だと言ってよバ…え、嘘じゃない?
今回発表されたのは、東京2020組織委員会が推進する「ONE TEAM PROJECT」による応援企画「宇宙から東京2020エール!」の第2弾。東京大学×JAXAによる「G-SATELLITE 宇宙へ」というプロジェクトです。
この企画は、宇宙を使ってオリンピックを応援していこうぜという趣旨で、第1弾ではJAXAと『宇宙兄弟』がコラボしました。宇宙でパラパラ漫画はパラパラするのかという挑戦でしたが、その第2弾として今回はガンダムを打ち上げるそう。なんて日本らしいオリンピック企画なのか。
その概要は、ガンダムとシャアザクのガンプラを超小型衛星に搭載し、宇宙ステーション上から放出。宇宙を漂う2体のモビルスーツをカメラで撮影したり、衛星に搭載された電光掲示板にメッセージを表示したりします。ガンダムが宇宙空間に浮かぶという、アニメでは当たり前だった表現にリアルで挑もうというのです。でも、決して簡単ではありません。
ISSから超小型衛星で、いきまーす!
ベースとなるのは3Uサイズ(10x10x30cm)の超小型衛星「たすき」。これを改良して「G-SATELLITE」を制作し、ガンプラ本体の収納スペース、射出機構、カメラ、電光掲示板などを取りつけていきます。
衛星は国際宇宙ステーション(ISS)上から放出され、地球周回軌道に到達したらコックピットを展開して、ガンダムとシャアザクを宇宙空間に解き放ちます。ISSへの移送手段は、JAXAの「コウノトリ」、アメリカの「Cygnus」、Space Xの「Dragon」のいずれかとなるそうです。
普通のガンプラでは宇宙に耐えられない
なるほどと思ったのは、ガンプラの素材の話。素材や塗料を、宇宙環境に耐えるものにしなくちゃいけないんですよ。考えてみれば当たり前なんですけど、普通のガンプラをただ打ち上げるだけじゃダメなんですよね。
これって、真剣に宇宙で存在できるモビルスーツを考えてみたってことだし、本当にモビルスーツ設計をしてるみたいでテンションあがりません!? あと、ガンプラの目は五輪らしく5色に光るそうな。
今後のスケジュールはこのような流れ。2019年末には「G-SATELLITE」本体と、宇宙仕様となったガンプラの詳細などが発表されるそうです。最終的にガンダムとシャアザクが宇宙に飛び出るのは、2020年3〜4月ごろ。
発表会には、「G-SATELLITE」を制作する東京大学の大学院工学系研究科の中須賀真一教授、JAXA宇宙飛行士の金井宣茂さん、東京2020組織委員会スポーツディレクターをつとめる室伏広治さん、ガンダムシリーズ総監督の富野由悠季監督が登壇。JAXAと、室伏さんと、富野監督と、東大教授。すんごい組み合わせだぁ…。
トークセッションでは、やっぱり富野監督のお話がおもしろかった。もはや宇宙は絵空事ではないというリアルな感覚。ガンプラという玩具をただ宇宙に出すだけではない、リアリズムが、その事実が! などなど、『機動戦士ガンダム』を通して宇宙に向き合い続けたお人だからこそのアツい言葉は、ぜひ配信映像をご覧いただければ。
ちょうどオリンピックのチケット抽選の受付も始まり、世間的にもこれから五輪ムードになっていくでしょう。4年に一度の巡り合わせが自分たちの国で、しかもガンダムを宇宙に飛ばせるほどエンタメにもテックにも本気になっていて。ガンダムが宇宙からオリンピックを応援するなんて、まさかな…時代が変わったようだな。
あと、ガンプラの大気圏突入帰還はかなーり難しいそうです。やっぱりガンダム(本家)はすげぇや。
Source: ONE TEAM PROJECT, YouTube1, 2