“3つ目”がそろいました。
ディズニーが21世紀フォックスを買収したことは何度かお伝えしてきましたが、今度は配信サービスのHuluを完全子会社化したことが正式発表されました。
Hulu株の取得劇
そもそもHuluは21世紀フォックスが北米のケーブルテレビ・通信大手とコムキャストと共に立ち上げた配信サービス。
Huluの株主については、ディズニーが21世紀フォックスを買収した段階で、フォックスが保有していた約3割のHulu株を獲得。また先月には、AT&Tが保有していた約1割のHulu株をディズニーが獲得。そして今回、ディズニーはコムキャストが持っていた約3割の株を買い取り、その経営権を手に入れることとなります。
そもそもフォックスの買収自体にフォックスが持つHuluを狙っていた感じはあり、当初から予定されていたものだと思うのであまり驚きはありませんが、それにしてもディズニーの資金力は凄まじい。
サブスク動画サービスがそろう
これにより、ディズニーは自社の月額制サービスDisney+とESPN+(フォックスが持っていたスポーツ系配信サービス)にHuluを加え、三本柱で本格的に他サービスと戦う準備を整えた形になります。
Disney+、ESPN+、Huluのまとめたセット割引も展開するようなので、お得に見られそう。Disney+はスタート時点ではコンテンツは少なめなはずなので、その部分はHuluでカバーするという形にするつもりなのかもしれません。
Disney+とHuluの住み分けは?
というわけでHuluの未来がどうなるのかが気になるところ。具体的にはまだ明らかになっていませんが、個人的にはディズニーブランドでは配信しづらいであろう映画『デッドプール』のようなR指定作品などをHuluで展開していくのではないかと思います。全年齢向けエンタメはDisney+、大人向けはHuluといった形で住み分けていく可能性が十分ありそうです。
ちなみに、フォックスの買収合戦に破れ、Huluも手放すことになったコムキャスト傘下のNBCユニバーサルも独自の配信サービスを展開予定。2022年以降は、Huluに出していたライセンス契約の大部分を取り消すことができるようになるので、かつてHuluオリジナルとして作ったコンテンツを自社サービスに移すなんてことも可能になるでしょう(一応、2024年までライセンスを提供し続けるとのこと)。
となると、いずれHuluのコンテンツが減っちゃいそうな気もしますが、NBCユニバーサルがライセンス契約をそのままにしてディズニーから使用料を取るという道もあるので、この辺はちょっと様子を見ておきましょう。まぁその頃にはDisney+にもかなりコンテンツが増えていそうですけどね。
とにかくこれから配信サービスの争いが激化していくのは確実でしょう。ユーザーとしてはその過程で、良質なキラーコンテンツがどんどん生まれていくことに期待です。
あとは可能な限りDisney+のコンテンツが早く日本でも見られることに期待します。どんなに良いコンテンツが出ても、日本ではすぐには見れないというのだったら辛い! 何ならローカライズが終わるまで、Huluで配信してくれてもいいんですよ……!
Source: Variety, Gizmodo US