古いCreative Cloudは著作権的に問題? Adobeが警告

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本直樹
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古いCreative Cloudは著作権的に問題? Adobeが警告
Image: charnsitr/Shutterstock.com

Adobeさんの問題では…?

Adobe(アドビ)は先週、「Photoshop」 や 「Lightroom」 を含むCreative Cloudの旧バージョンを今後は配信しないと表明しました。さらに一部ユーザーの環境では、「古いバージョンを使い続けると “サードパーティーによる潜在的な訴訟のリスク”があるという警告メッセージが表示されているのです。

サードパーティーから訴えられるって…何?

「サードパーティーによる訴え」とは興味深い言葉ですが、Adobeはブログにて「Creative Cloudの契約者はソフトウェアの最新バージョンの2つにしかアクセスできない」と説明しています。しかし、その理由は提示されておらず、「最新バージョンは最適なパフォーマンスとメリットを提供します」という言及しかありません。

Adobeのスポークスマンは米Gizmodoに対しメールにて、以下のように回答しています。

「Adobeは最近、Creative Cloudアプリケーションの一部の旧バージョンを廃止しました。これらのバージョンを使用している顧客には、これらのバージョンを使用するライセンスがなくなったことが通知され、最新バージョンにアップグレードする方法についてのガイダンスが提供されます。残念ながら、Creative Cloudの古い無許可バージョンを使用または導入し続ける顧客は、サードパーティーから著作権侵害の申し立てを受ける可能性があります。サードパーティーによる侵害の申し立てについては、進行中の訴訟に関係しているためコメントできません」

アドビはサードパーティーがどの会社なのかについて明言していませんが、現在AdobeはDolbyから著作権侵害で訴えられています。3月の訴訟では、AdobeがDolbyからいくつかの技術についてライセンス供給を受けていたそうです。しかし、ディスクベースの契約からクラウドベースの契約への移行のさなか、両者は問題を抱えているようなのです。

ディスクベースの契約なら、売上の計算は簡単です。しかしクラウドベースの場合、契約者は1つのサブスクリプションから複数プログラムにアクセスできるのに、Dolbyに支払われるのは1回だけなのです。具体的には、Adobeの「Master Collection」は1つの製品としてカウントされていますが、実際には「Dolby Technologyの独立した技術を持つ4つの製品」で、それぞれに使用料が必要だと主張しているのです。

ユーザーはモロに巻き添え食ってる気が…?

現時点では、この訴訟が旧バージョンの配信停止の理由なのかははっきりせず、また契約者にも過失はありません。また、サブスクリプション料金を支払っている契約者が企業のロイヤリティ問題で訴えられるというのも、いささかおかしな理論です。クリエイターが古いバージョンを使い続けるのは、コンピューターのスペックなどの問題があるわけですし。

というわけであまり納得はいきませんが、Creative Cloudを利用するクリエイターはサクッとアプリをアプデートするか、あるいは別アプリを使うかなどの対応をしておきましょう。

Source: Apple Insider via Gizmodo US