ゲーマーじゃなくてもほしくなる。
Alienwareって気になる存在ですよね。DELLの中でもひときわ目立ってるし。シグネチャーのエイリアンロゴが、なんともいえないかわいさがあります。
でも、今まで、こてこてのゲーマーっぽいデザインで手が出せなかった人にも今回のモデルチェンジはうれしいかも。米GizmodoのAlex Cranzがお送りするレビューです。
ゲーマーなデザインを刷新
Alienwareシリーズのラップトップの旧機種と同様、Area-51mはラップトップとしては大きめで、高価、トップゲーマー用に開発されたことを誰にも疑わせない存在感を醸し出しています。従来機種と大きく異なる仕様を打ち出してきたのは、いわばゲーミング機が抱える問題への挑戦ではないでしょうか。いうまでもなくAlienware Area-51mは、驚くほどパワフルでゲームの分析能力が高い機種に仕上がっています。
Alienware Area-51m
これは何?
Alienwareのドデカ17.3インチのラップトップ。アップグレードも可。
価格
スターティングプライスは2150ドル(23万9000円)から、レビュー機は4250ドル(47万4000円)。
好きなところ
高速なデスクトップコンポーネントが搭載されていて、自分でアップグレードできるところ。ライトがカッコいい!
好きじゃないところ
バッテリーがもたないところ
まず、Area-51mはデザインをがらっと刷新してきました。長いことシグネチャールックとして定着してきたAlienwareのスーパーカーっぽい、ずばりゲーマーな外観を取り払い、新たなデザインでのぞんでいます。私はゲーミングラップトップをこれでもかっていうほど手にとって見ていますが、そういう人にこそ、このデザインはぐっとくるはず。デザインが美しいんです。カーブが特に。また、狭めのベゼルとファンの音がうるさくない点もよし。
米Gizmodo編集部でテストしたときは、数人の編集部員が立ち止まって視線を投げかけてきました。一言でいえば、このコンピュータはデカい。そして夏の灯に群がる蛾のように「ギーク」がどこからともなく集まってくる、あらがえない魅力を放っているのです。
どんなエンジニアリングを投じても、最高スペックのラップトップのサイズを小さく抑えるのは至難のワザ。 17インチのディスプレイなんてとんでもないのです。構成によっては、重量は4キロ近く、厚さは4センチにもなってしまいかねないのですから(廉価なゲーミングラップトップの中には重量450グラムで 厚さ1.9センチというリーズナブルな機種もあり、15インチのMacBook Proは重さ約1.8キロで、厚さ1.5センチです)。 デザインは洗練されましたが、あのAlienwareロゴはディスプレイ裏にしっかりと不気味なくらいに光っています。Alienware Area-51mの本体に刻まれた光の輪は宇宙船を彷彿とさせます。
アップグレード可能でパワフルなラップトップ
さて、肝心の中身ですが、その中身が高価なラップトップの長期にわたる総所有コストとどう関連しているか、それがポイントだと思うんです。本機はAlienwareがデスクトップパーツを使用した初のラップトップになります。良質なデスクトップのようにArea-51mはアップグレードできるので、数年経って足りなくなったころに、ストレージやメモリ、CPU、グラフィックカードを交換できるのです。
本機を分解してパーツを入れ替え、組み立てるまでには3時間かかりました。自宅のコンピュータなら10分で交換完了できることを考えると、これは結構面倒です。でも自宅のデスクトップは高さは60センチくらいありますから、外に持って行こうなどという状況はありえません。
アップグレードができるという点が、どれだけArea-51mに付加価値をもたらすかについては疑問があります。CPUには長いこと市場に出回っているLGA 1151ソケットを採用していますが、GPUにはAlienware専用のカスタムモジュールが必要です。現時点でのi9プロセッサの一般的な購入価格は500ドル(5万5700円)。GPUモジュールの購入に余計な出費がかかります。DELLによれば、部品の入れ替えで利益を得ることを目的としてアップグレード可能になっているわけではなく、あくまでもユーザーの便宜を考えての仕様ということ。
この疑問を脇においても、このコンセプトに魅力があることには変わりありません。互換性のあるパーツが手に入る限りは、将来的にアップグレードが可能なパワフルなラップトップなのですから。
Area-51mのスターティングプライスは2150ドル(23万9000円)。値段についてはもうちょっと改善が望まれますよね。Intel第8世代 i7-8700プロセッサとNvidia RTX 2060のグラフィックカードと、わずか8GBのメモリを積んだ機種としては、非常に高価と言わざるを得ません。「ぼったくり」と表現する人が出てきても驚きませんよ。
私がレビューしたのは4250ドル(47万4000円)のバージョンですが、プロセッサはi9-9900KでグラフィックカードはRTX 2080、メモリは32GBとなっています。正直高すぎますね。なぜこんなに高価なのでしょう。
高値の謎はコンボーネントだけでは解けないのです。Area-51mのPC史上まれにみる美しい筐体を見ると、それほどぼったくりでもないのかな、と思えてきます。実際、Maingearのライトやリキッドクーリングを搭載したファンシーなPCと比べたら、むしろ安めかもしれません。
ライトがとにかく美しい
史上まれにみる美しいPCはどうかって? 編集部に持って行ったら、動画を撮影するとかいうので、数日間ゲームをプレイできず、私はふてくされちゃったくらいでした。
デスクトップパーツで構成されているから高速。わたしが持っているデスクトップと同じスペックのプロセッサとGPUを載せてます。しかもAlienware Area-51mに比べて、デスクトップはメモリが半分です。「ファークライ5」を1080ピクセルでプレイすると、フレームレートは126 fpsでした。それに対しデスクトップでは121fpsです。
17.3インチのG-Syncモニタに144Hzのリフレッシュレート(廉価な構成だと60Hzに落ち、G-Sync dディスプレイがつきません)、これにTobiiアイトラッキングがつきます。視線を向けているときには画面が明るくなり、視線を外すと暗くなります。カスタムデスクトップなら、これらは後付けを考えるアイテムです。ついてくれば得した気分になりますよね。これらはこの美しいラップトップのなかでも控えめな機能です。
前述したように、このラップトップはライトが美しい。かわいいエイリアン、キーボード、トラックパッド、本体下に見える光すら美しい。またこの光はカスタマイズできるのです。
キーボードのライトはとってもいい感じです。キーキャップには控えめなライトを配置、この価格帯のラップトップの他のメーカーのライトと比べると、点灯・消灯がソフトな感じなのも上品。
トラックパッドが光るのもいいんですけど、その位置がテンキーを含めたキーボードの中央ではなく、よく使うメインキーボードの中心に鎮座するのもなかなかいいものです。テンキーやマクロキーはメインキーボードよりも使用頻度は少ないですからね。それなのにトラックパッドを中央に配置するのはナンセンス。ふつうなら、中央にないトラックパッドはあまり好きじゃないんですが、Area-51mはパームレストとバランスよく配置されているため気になりません。
あと重心も左に偏っていて、これが膝の上で絶妙にバランスを取るのにいいんですが、安定したデスクに置いちゃうとその心地よさも薄れます。とはいえ、据え置き機として使うに十分な数のUSBポートがあるので、マウスやキーボードなど様々な周辺機器が繋げられます。
最後にライトについてのコメントを述べるなら、カスタマイズは最悪です。キーボードをカスタマイズすることでキーボード以外のライトとの整合性がとれなくなるため、キーボードをカスタマイズするなら他の部分のカスタマイズもしなくてはならず、2度手間となってしまいます。でも、そんなの時間をかければなんてことないんですけどね。
最高のパフォーマンスを求める旅するゲーマーに勧めたい
もうひとつのマイナス点はバッテリー寿命ですね。ゲームをプレイしての使用は1時間半持ちませんでした。フル充電にも2時間はかかります。これはちょっといただけません。でもデスクトップパーツを使用していることを考えたら、この点には目をつぶらなくてはならないのかも。このラップトップを普通のラップトップ並みに動かすには、とてつもないバッテリーが必要になってきます。ソファでちょこっとゲームでもプレイしようかなって思っているとしたら、電源は常に手元に用意しておきたい感じです。
バッテリー寿命とソフトウェアにちょっと難ありかもしれませんが、これを除けばゲームプレイを主眼に置いたゲーミングラップトップとしては最高です。バランスがとれ、ライトがカッコよく、高速。ただし、Area-51mはゲーム用のラップトップを探しているすべての人におススメできるわけではありません。単にゲームをするだけのラップトップを探しているならMSIのGS75またはRazer Bladeがオススメかも。Alienwareは最高のパフォーマンスを求める旅するゲーマーにオススメできる機種なのです。
まとめ
・速い
・とっても高額
・いい感じのデスクトップ並み。好きになれる。
・バッテリー寿命ははっきり言ってよくない。ライトのカスタマイズは面倒。