先日、車で地元のプールまで5歳の息子と2歳の娘を迎えにいき、自宅に向かっていた時のことです。電話が鳴り、悪い知らせを伝えてきました。

私は思わず、悪態をついてしまいました。語気の強い汚い言葉が小さな車の中に響き渡り、子どもたちが座っている後部座席にも届きました。

子どもは親の言葉を真似する

「パパって、その言葉をよく使うよね」と、息子が言いました。

その通りです。もちろん自慢できることではありません。息子も娘も、まだこの言葉を使うようにはなっていません。たぶん、幼稚園のサークルタイムでは、こんな言葉を使ってはいけないということを本能的に感じ取っているのでしょう。

でもきっと、そのうち先生からの手紙が届くようになると思います。私の子どもたちも、ほかの子たちと同じように、私たち大人がどんな言葉を口にしようと、それを吸収してしまうからです。

そして、大人が子どもと話すときは、子どもに「言葉の価値」を示す機会になります。それがいい言葉であれ、悪い言葉であれ。あるいは難しい言葉であれ、そうでない言葉であれ。

私と妻は子どもたちに、より広い語彙を紹介しようと努めています(そこかしこでやらかしてしまう失敗は別ですが)。

そうすれば子どもたちが、明確な言葉で、効果的に自分を表現できるようになると思うからです。

子どもが言葉を理解するには13〜15回聞かせる必要がある

ただ、子どもたちがどんな言葉を理解し、会話に使うようになるのか、その様子を見ることも興味深いものです。

私たち大人がどんな言葉を口にしようと、それを吸収してしまう。

子どもの語彙力を高める方法はいろいろありますが、大切なのは、その過程で大いに役立つのは「反復」と「文脈」だという点を忘れないようにすることです。

ハーバード教育大学院のNonie Lesaux教授によれば、子どもがある言葉とその意味を理解するには、その言葉を13~15回タイミングと文脈を変えて見聞きする必要があるそうです。

それには、ひとつの言葉を、会話を通してくり返し使うと効果的です。コロラドの夏、嵐が起こりやすい午後には、何週間にもわたって、息子に「cumulonimbus clouds(積乱雲)」について話したことを思い出します。

そして、できれば、言葉をさまざまな文脈で使うようにしましょう。「spectacular(すごい)」という言葉は、日常生活で目にするさまざまなものに使うことができます。

3歳児の視点に立つと、例えば「虹」や「ツリーハウス」「ブラキオサウルスの首」といったところでしょうか。いったん言葉を学んだら、子どもはその言葉を自分の世界で自由に使えるようになります。

難解な言葉は図解を使うのもあり

学習中の言葉を子どもが視覚化できるよう、手伝うことも有効です。とくに難解な言葉の場合は。以前、息子がプレーリードッグはどうやって地中を移動するのか尋ねてきました。

私はプレーリードッグがトンネルを掘ることだけでなく、彼らが穴から穴へ移動するためにつくる一種の「catacombs(地下通路)」についても話して聞かせました。

このとき、ある本の中にあったプレーリードッグの巣の断面図がとても役に立ちました。そのおかげで息子は、実際の「catacomb」がどういうものなのかを視覚化でき、その言葉の意味を理解できました。

そして私たちは、家が「subterranean(地下にある)」ことの意味について語り合いました。大人が正しい文脈でくり返し使っていれば、きっと子どもはどんな言葉でも身につけられるはずなのです。

私の経験では、たぶんこれが一番の秘訣だと思います。私は子どもたちと話すとき、だいたいは、大人を相手にするのと同じように話しています。

必要に応じて会話を中断し、「illuminate(照らす)」や「protagonist(主人公)」という言葉がどういう意味なのか、どうやって使うのか、どんな文脈で使われるのかを説明します。

私は、子どもたちの前では悪態をつくのを控えていますが、またヘマをやらかしてしまったときには、こんなシナリオがいいなと夢想しています。

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Image: Pisit Heng/Unsplash

Source: Harvard University

Nick Firchau - Lifehacker US[原文