COMPUTEX AKIBA出張所

Seasonicは技術力をアピール、ファンレス電源や宇宙船風MOD PCを展示

800WのSFX-L電源も(COMPUTEX AKIBA出張所 / Seasonic編)

 PC/IT関連の見本市「COMPUTEX TAIPEI 2019」が、5月28日~6月1日(現地時間)の日程で台湾で開催された。

 詳細な取材記事は僚誌PC Watchが報じているが、「実際の展示を見て、メーカーに伝える」というのはなかなか難しい。そこで、例年同様、メーカー協力による意見箱付きのレポートをお届けする。

 記事の最後に製品やメーカーへの意見を入力できる入力欄を用意したので、ぜひ意見や要望を送信してほしい。いただいた意見はそれぞれのメーカーや国内代理店に送付、製品開発などの参考として活用していただく予定だ。

1,600Wの大容量電源からファンレス電源まで、PC用電源が勢揃い

 Seasonicは、創業40年を超える歴史を誇る、台湾の老舗電源メーカーである。同社の電源ユニットは、信頼性と変換効率が高いことで人気があり、10年保証や12年保証を実現していることも魅力だ。

 今年のSeasonicのブースは、最大1,600Wの大容量電源ユニットから、売れ筋電源ユニットのリニューアルモデル、ファンレス電源ユニット、800Wの大容量SFX電源ユニット、斬新なケーブルレイアウトのコンセプトモデル、MOD PC、産業用電源ユニットまで、さまざまな製品が展示されていた。

 ここでは、COMPUTEXのSeasonicブースに展示されていた製品の中から、特に注目すべき製品を取り上げる。

80PLUS Titanium認証を取得した1,600Wの大容量電源ユニット「PRIME TX-1600」

1,600Wの大容量を誇る電源ユニット「PRIME TX-1600」。80PLUS Titanium認証を取得しており、高い変換効率を誇る
PRIME TX-1600の出力ケーブルはフルモジュラー仕様になっている

 SeasonicのPC向け電源ユニットの中でも、上位製品として位置づけられるのがPRIMEシリーズである。PRIMEシリーズも、さらに変換効率の違いによって80PLUS Titanium認証を取得したPRIME TXシリーズ、80PLUS Platinum認証を取得したPRIME PXシリーズ、80PLUS Gold認証を取得したPRIME GXシリーズに分けられる。

 ブースには、最上位のPRIME TXシリーズの新製品「PRIME TX-1600」が展示されていた。PRIME TX-1600は型番からわかるように、80PLUS Titanium認証を取得した1,600Wの大容量電源ユニットであり、SeasonicのPC向け電源ユニットのフラッグシップとして位置づけられる製品だ。出力ケーブルはフルモジュラー仕様で、135mmファンを搭載、さらに信頼性の高いアルミ固体電解コンデンサーを採用している。また、MTLRと呼ばれる技術により、出力電圧変動幅をわずか1%以内におさめていることも魅力だ。保証期間も12年と長い。

 PRIME TXシリーズは、容量の違いによって650W/750W/850W/1,000W/1,300W/1,600Wの6モデルが用意されているが、1,300Wモデルと1,600Wモデルのサイズは210×150×86mm、1,000W以下のモデルは170×150×86mmであり、1,300W以上のモデルは奥行きが40mm大きい。日本では、このうち650W/750W/850W/1,300Wの4モデルが発売される予定で、発売時期は2019年秋になるとのことだ。

PRIME TX-1600の仕様。+12Vは最大133.33Aまで供給できる
PRIME TXシリーズは外観デザインやロゴにもこだわっている
左が80PLUS Platinum認証の750W電源「PRIME PX-750」、右が80PLUS Titanium認証の1,600W電源「PRIME TX-1600」。PRIME TX-1600のほうが奥行きが40mm大きい

売れ筋のFOCUSシリーズがマイナーチェンジ、ケーブル接続基板を改良

80PLUS Gold認証を取得した1,000W電源ユニット「FOCUS GX-1000」
FOCUS GX-1000の仕様。出力ケーブルはフルモジュラー仕様となっている

 また、80PLUS Gold認証を取得した1,000W電源ユニット「FOCUS GX-1000」にも注目したい。

 こちらは、売れ筋のFOCUS Plus FXシリーズの後継となるフルモジュラータイプの製品であり、出力コネクタが実装されている内部のライザーカードが単層基板から2層基板になった。これにより、ケーブル側に内蔵されていたコンデンサーがなくなり、外観的にもすっきりしただけでなく、ノイズやリップルがより抑えられている。ファンは120mmで、外観のデザインも一新されている。保証期間も10年と長い。

 日本では、650W/750W/850W/1,000Wの4モデルが発売される予定で、発売時期は2019年秋になるとのことだ。なお、ホワイトモデルも展示されていたが、こちらは日本での発売は未定だ。

FOCUS GXシリーズでは、内部ライザーカードが単層基板から2層基板になり、ケーブル側に内蔵されていたコンデンサーがなくなった
外観デザインも一新された
日本での発売は未定だが、ホワイトモデルも用意されている

ファンレス電源ユニットも2モデル展示、700Wモデルは80PLUS Titanium認証

左が80PLUS Titanium認証の700W電源ユニット「PRIME Fanless TX-700」。右が80PLUS Platinum認証の500W電源ユニット「PRIME Fanless PX-500」。PX-500のほうが奥行きが30mm短い

 ファンレス電源ユニット「PRIME Fanless TX-700」と「PRIME Fanless PX-500」にも注目したい。どちらも、ファンを一切装備していない完全ファンレス電源ユニットだが、TX-700は、80PLUS Titanium認証を取得、PX-500は80PLUS Platinum認証を取得している。信頼性の高いアルミ固体電解コンデンサーをはじめとする日本製パーツをふんだんに採用し、12年保証を実現。

 ファンレス電源ユニットは発熱を抑えるために高効率が求められており、80PLUS Titanium認証を取得している本製品はSeasonicの持つ技術力の高さがよくわかる。

 TX-700のサイズは170×150×86mmと、一般的なATX電源ユニットと同じのなのに対し、PX-500のサイズは140×150×86mmで、奥行きが30mm短くなっている。どちらも現時点では、日本での発売は未定とのことだ。

80PLUS Titanium認証を取得したファンレス電源ユニット「PRIME Fanless TX-700」
PRIME Fanless TX-700の仕様
両製品ともフルモジュラータイプである(写真はPRIME Fanless TX-700)

800Wの大容量を誇るSFX-L電源ユニット「PRIME STX-800」

800Wの大容量を実現したSFX-L電源ユニット「PRIME STX-800」

 最近は省スペースで高性能なPCの需要が増えており、小型でも大容量の電源ユニットが求められている。今回Seasonicはそうしたニーズに応えるために、800Wという大容量を実現したSFX-L電源ユニット「PRIME STX-800」を出展していた。

 PRIME STX-800は、80PLUS Titanuim認証を取得した高効率電源である。コンパクトな電源ユニットで80PLUS Titanium認証を取得するのはなかなか難しく、これまでの電源開発のノウハウが活かされているとのことだ。

 日本製の耐105℃アルミ電解コンデンサーをはじめ、信頼性の高いパーツが採用されている。姉妹製品として80PLUS Platinum認証を取得したSFX-L電源ユニット「PRIME SPX-800」も用意されていた。両製品とも日本での発売については、現在検討中とのことだ。

出力ケーブルはフルモジュラータイプとなっている
PRIME STX-800の上面。小型の電源ながら、ビデオカード2枚指し環境も余裕だ
80PLUS Titanium認証を取得した「PRIME STX-800」と80PLUS Platinum認証を取得した「PRIME SPX-800」の仕様

ケーブルレイアウトがユニークなコンセプトモデルやMOD PCなども

 また、電源ユニットからの出力ケーブルを細長い中継ボックスで分岐して使う斬新な電源ユニットのコンセプトモデルや80PLUS Bronze認証を取得した電源ユニットのエントリーモデル、MOD PCなども展示されていた。

背面中央のSeasonicと書かれた中継ボックスで、出力ケーブルを分岐するユニークなコンセプトモデル「Seasonic CONNECT」。
電源ケーブルの裏面配線をより美しく行えるモデルで、利便性も高い。
ケースへの固定方法や互換性など、製品化まで検討すべき点もまだあるそうだ。
Seasonicのホワイト電源ユニットを利用したMOD PC。白と青でまとめている。
Quasarと名付けられた宇宙船のようなMOD PC。
金属パイプをつかったMOD PCも展示されていた。
80PLUS Bronze認証を取得したエントリーモデル。左がフルモジュラータイプのM12 IIIで、右が固定ケーブルタイプのS12 III。日本では2019年秋に販売予定
ASUSが提唱するゲーミングPCパーツの認定制度である、TUF GAMING ALLIANCEの認定を取得した「CORE GX-650」と「CORE GM-650」。GX-650はフルモジュラータイプで、GM-650はセミモジュラータイプとなっている。こちらは日本での販売予定は未定とのこと
産業用電源も多数展示されていた
CPUからの排熱を完全ファンレスで冷やす縦型ケースも展示されていた。こちらはMonsterLaboの製品だが、Seasonicとは協力関係にあるメーカーだ。
オリジナルのキースイッチを採用するWOOTINGのゲーミングキーボード。こちらもSeasonicとは協力関係にあるメーカー。

製品やメーカーに関して意見や要望などがあればご記入ください

2019年06月30日まで

[制作協力:Seasonic]