10万円超のアップル純正ディスプレイのスタンド、価値ありますか?

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 湯木進悟
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10万円超のアップル純正ディスプレイのスタンド、価値ありますか?
Image: Apple

えっと、スタンドだけですよ…。

1000ドルと耳にすると、皆さんは、どんなものを思い浮かべますか? 日本円にして10万円超の出費で購入できるのは、決して安い買い物ではないでしょう。Apple(アップル)の「iPhone XS」が、ちょうど買えるくらいでしょうか? ゲーム機の「Nintendo Switch」ならば、3台くらい買えるかな? でも、ディスプレイを支えるスタンドの「Pro Stand」なら、ぴったり1000ドルです!

ディスプレイモニターが10万円で買えますならいざ知らず、あのぅ、スタンドだけで10万円ですか?

はい、このほどAppleWWDC 2019にて発表した「Pro Display XDR」は、久々の純正ディスプレイとなっています。32インチのRetina 6Kの解像度で、フルHDRをサポート、OLEDディスプレイよりも美しいというプロ向けPro Display XDRの販売価格は、日本円にして50万円を軽く超えてしまう5000ドル。でも、これはディスプレイ本体だけでして、これにセットされるのが、スタンドのみで1000ドルするPro Standというわけなんですよね~。

このPro Standが発表されたときのWWDC 2019の会場での反響は、いつもAppleの高価な製品に慣れている人たちが集っていたはずなのに、それでも驚きを隠せませんでした。だって、すでに発表済みの新しく生まれ変わった「Mac Pro」が6000ドル、これにセットで、5000ドルのPro Display XDRを、1000ドルのPro Standといっしょに購入すれば、もう1台120万円超システム構成になってしまうではありませんか。

なお、Pro Standは、一言で表現するならば、Apple純正のディスプレイスタンド以外のなにものでもありませんけど、画面の回転機構に上下の高さ、角度などを1アームで自由自在に調節できる、高度な仕上がりとなっています。さらに、マグネットコネクターで簡単に脱着できるので、持ち運びだってスムーズ。このバカでかいディスプレイを、そんなに脱着式で移動させる必要があるのかは別にして。

Video: Microsoft Surface / YouTube

それにしても、今回のAppleの発表を聞くと、あのハイエンドなMicrosoft(マイクロソフト)「Surface Studio 2」でさえ、なんだか安く思えてしまうんだから不思議です。28インチのタッチスクリーンディスプレイで、回転こそできませんが、Pro Standと似たような高さや角度調節ができてしまうSurface Studio 2の販売価格は3500ドル。でも、Surface Studio 2は、ディスプレイだけではなくって、そこにれっきとしたCore i7のCPU、16GBのRAM、1TBのSSDにNvidia製のグラフィックボードが入った、Windowsマシンになっていますからね。システムは別で、ディスプレイのみのPro Display XDRや、スタンドのみのPro Standとはわけがちがうんです。

まぁ、はっきりいいまして、そういう値段が気になるユーザー向けに、Pro Display XDRやPro Standが用意されているのではないことだけは確かでしょう。一般ユーザーならいざ知らず、ちょっとしたデザイナーにも簡単には手が届かないセット。そう、これは、お金がありあまっている映画スタジオですとか、スーパーセレブなデザイン会社向けだってことです。

でも、もしいわせてもらえるならば、わざわざPro Standだけ、1000ドルで出すから突っ込まれるんじゃない? どうせスーパープライスなディスプレイなんだから、最初からPro Display XDRとPro Standはセットで6000ドルですとリリースしていたら、ここまで違和感を覚えなくてよかったのでは? いえいえ、そんな違和感を覚えるような人向けではないんでしたね。こんなのがサラリと使える身分になってみたいものですよ。