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AI搭載“殺人人形”が襲う現代版「チャイルド・プレイ」。マーク・ハミルが語る

映画史に残る名作ホラー映画「チャイルド・プレイ」(1988年)を基に、現代のAI技術を搭載して凶悪な進化を遂げた“殺人人形チャッキー”の恐怖を描く、新作映画「チャイルド・プレイ」。米ロサンゼルスで行なわれた記者会見で、チャッキーの声を演じたマーク・ハミルらキャスト・スタッフが登壇。作品への思い入れや製作の様子について語り、その様子をまとめたイベントレポートが到着した。

映画「チャイルド・プレイ」について語るマーク・ハミル(右)

青いオーバーオールにカラフルなボーダーのTシャツという可愛い見た目とは裏腹に、ひとたび豹変すると徹底的に人間に襲い掛かるという残忍さで、人々を幾度も恐怖に陥れてきた殺人人形“チャッキー”。1作目の全米公開以降、その“怖カワ”な魅力がアイコン的な人気を獲得。様々な関連グッズのほか、ユニバーサルスタジオのハロウィン期間限定アトラクションなど、ホラー映画を代表する人気キャラクターとして世界中の観客にトラウマを植え付けてきた。

現代版「チャイルド・プレイ」を手がけるのは、映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のプロデューサーコンビ、セス・グラハム-スミスとデヴィッド・カッツェン・バーグ。映画「スター・ウォーズ」シリーズの名優マーク・ハミルがチャッキーの声を演じる。人形を手に入れる少年アンディ役はガブリエル・ベイトマン、母親役はオーブリー・プラザ。監督は“ホラー界の新鋭”、ラース・クレヴバーグ。6月21日に全米公開され、国内では7月19日に全国公開される。配給は東和ピクチャーズ。

映画「チャイルド・プレイ」公式サイト
(C)2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved. CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.
記者会見の様子
(C)2019 Orion Releasing LLC. All Rights Reserved. CHILD’S PLAY is a trademark of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved.

記者会見の会場には、マーク・ハミルやガブリエル・ベイトマン、オーブリー・プラザ、同作で事件を捜査する刑事役のブライアン・タイリー・ヘンリーと、ラース・クレヴバーグ監督が登場。予告編公開当初からその全貌が秘密のベールに包まれてきた同作のヒントが、スタッフ、キャスト監督のコメントから断片的に明かされた。

チャッキーの声優発表時に大きな話題となった、“レジェンド”マーク・ハミルは、発表後はじめて同作について公の取材に応じることもあって大きな注目が集まり、スタッフ、キャストが会見場に姿を現すと、会場は拍手で包まれた。

現代版チャッキーについて、マーク・ハミルは「(チャッキーの声で)重要な要素はオリジナルと違ったものになっていることだと思った。(’88年版は)大好きだった。僕はブラッド・ドウーリフ(’88年版チャッキーの声)の解釈の大ファンだよ。でもこの作品では、チャッキーには違うオリジンがある。それは連続殺人犯の魂じゃない。彼は本当にイノセントな子供のようなんだよ。自分の周りで起きていることをただ学んでいるんだよ」と、本作の持つオリジナリティについて語った。

主人公アンディ役のガブリエル・ベイトマンは、「(現場には)異なる目的のために、複数のアニマトロニクスの(チャッキー)人形があって、顔の表情を作ったり、動かすことが出来た。だから、テニスボールとかテープの切れ端とかを相手にするのではなく、なにかを相手に芝居出来たのはとても助けになった」と、チャッキーとの共演の撮影方法を明らかにした。

アンディの母役のオーブリー・プラザは、「脚本を読んだ時、実際、若い母親を演じるというアイディアにとても興奮したわ。なぜなら、現実でも、私の母は若い母親だった。彼女は20歳の時に私を産んだの。そして、脚本の中にあるキャラクターたち(母と息子)の間の年齢差は、私の母と私の年齢差と全く同じだった。だから、私はそのキャラクターと多くのコネクションを見つけられたの」と、自身の親子関係が役作りに及ぼした影響を話した。

刑事役のブライアン・タイリー・ヘンリーは、現場では「チャイルド・プレイ」博士と言われるほどのシリーズの大ファン。「チャッキーは僕のお気に入り(ホラー映画)の一つだった。なぜなら、それが公開された時、僕はまだ子供だった。ほとんどのホラー映画は、大人がやられるというものだったけど、(その作品では標的は)オモチャを持っている子供だった。子供にはオモチャは重要だ」と、溢れんばかりのシリーズ愛をアピール。

ラース・クレヴバーグ監督は、「僕はこの脚本を読んでいて、『E.T.』に通じるものをたくさん見つけた。でも、それをそのままコピーしたようなものは決してやりたくない。僕が子供のときに大きな意味を持っていた映画に関して、なぜ自分がそれらが大好きかその理由がなにかを知るべきだと感じた。(この作品は)少し80年代っぽい。でもそれは主に、アンディとチャッキー、彼らの間の関係を描写することに関してだよ」と、80年代のスピルバーグ監督の名作との関連を語り、現代版チャイルド・プレイで描かれるAI技術がもたらす“チャッキーの恐怖の根底”にある、普遍的なドラマ性に自信をのぞかせた。