Facebookの「スマホの利用データくれたらお金あげます」が再び

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Facebookの「スマホの利用データくれたらお金あげます」が再び
Image: Sean Gallup/ゲッティイメージズ

報酬制にして堂々個人情報収集を進める?

Facebook無料で利用できるSNSです。でも、その代償はトンデモナイものかもしれないって、いま多くのユーザーが気づきつつありますよね。なんといっても、自分の好みから家族関係、プライベートな活動、交友関係にいたるまで、Facebookでつながっている人の情報も含め、莫大な個人情報を、どうぞどうぞとFacebookへ提供し、ターゲット広告などなどに利用されまくっているわけですから。

当然ながら、このことへの批判の高まりも、Facebookは十分に気づいており、いろいろプライバシーに優しい企業イメージを築くべく、いま奮闘中でもあるわけですが、このほどFacebookは、新たな「Study」プログラムをアナウンス。18歳以上のユーザーに、Studyへの参加を呼びかけ、専用のアプリをインストールして、スマートフォンの利用状況を調査目的で報告してくれるようにリクエストしています。その代わり、参加者には、なんらかの金銭的な報酬が、見返りとして提供されるとのことですよ!

ユーザーの同意を得ることなく、勝手に個人情報を収集してはビジネスに利用している…。そんな非難にさらされてきたFacebookですけど、では、どうせやるのであれば、きちんとお金などを支払って、正々堂々と個人情報を集めまくってしまおう。まるで開き直ったかのようにも見えるStudyでの新アプローチですけど、収集データをもとにユーザーへターゲット広告を配信するなどの利用目的ではないそうです。むしろ、スマートフォン上で、どのようなアプリを、どこで、どれくらい、どんなふうに使っているのか、その詳細なデータを集め、今後の新製品サービス開発に役立てていくのが目的なんだとか。

過去に問題になった報酬制の調査プログラム

実はFacebookは、過去にも「Facebook Research」というアプリを提供し、毎月20ドル(約2,170円)を参加者へ支払う代わりに、どんなメッセージをやり取りし、どのような写真や動画を撮影し、ネット上でなにをしているのかのすべての個人情報を収集。18歳未満の子どもたちも含め、だれでも参加できるようにしては、あまりにも露骨プライベートを収集し続けて、大いに批判されたことがありました。今回のStudyでは、その教訓を生かしてか、ユーザーネームやパスワード、写真やメッセージの内容などまでは集めないと明言しています。また、とりわけFacebook Researchでは、Apple(アップル)から問題視された経緯を受けてか、Studyの対象はAndroidユーザーのみとなっているみたいですね。

直近の業績から分析するに、すでにFacebookは、米国およびカナダのユーザーに限るならば、1人当たり30ドル(3,250円)の売上げを得るにいたっているそうです。無料の基本サービスからだけでも、これはFacebookが、いかにユーザーの個人情報収集を通じて利益を手にしているのかを示すデータの一面ですが、もしStudyで、本格的に報酬提供型ならではのディープな個人情報の収集を進めるなら、どれほど売上げを伸ばし続けられるのでしょうか? まだ参加者に提供される報酬の具体的な額などは明らかにされていませんけど、タダほど怖いものはなく、お金をもらってまで協力するなら、もっともっと恐ろしいことになったりしないのでしょうか? Appleのプライバシー保護という魅力が、ますます輝きを放つ時代も到来しようとしているのかもしれませんよね。

Source: Facebook