見慣れたふせんに、知られざる意味が。

学校や仕事、プライベートでも大活躍なポスト・イット

アメリカでポスト・イットが生まれてから40年ほど経ちますが、なんせ便利ですよね。

ポップでアイコニックで、Macの「Stickies」とかデジタル的なやつもあったりして。

ポスト・イットはロゴにもなってる黄色が定番色ですが、蛍光ピンクや薄い青色など、視認性や誘目性を意識した色が揃っています(黄色の理由は、開発中の研究室にあった紙がたまたま黄色だったという話もある、らしい)。

なんせ適当に決めたのではなく、色彩学に基づいた色、ということですね。

ポストイット
Photo: ヤマダユウス型

今回3Mが発表した「ポスト・イット 強粘着見出し/ふせん/ノート マルチカラー」は、そんな色彩の力に着目した新製品。

このたび8色の新色が加わり、合計21色になったポスト・イットを8通りに配色して、気分やシーンに応じて色を選べるようにしました。

色彩心理学なんて分野もあるように、僕らは知らぬうちに色の影響を受けています。

いうなれば、色は人の気分や感情を洗脳してしまうのです。

色の力は侮れない! てわけで、カラーコーディネーター検定3級の僕が、色についてちょっとだけ語らせてください。

3級とか誰でも取れるんですけどね!

色はテンションを左右する

「料理には色温度の低いオレンジ系」「清潔感を出すには青系でまとめる」など、暖色寒色を軸にした色の運用は、映えが求められる昨今皆さんも身に覚えがあるハズ。

大事なのは色の組み合わせで、2つ3つと組み合わせることで色彩効果は真価を発揮します。

黄色×黒は警告色、緑×白は公共表示など、実例はそこかしこに。

踏切
Image: apple_express Japan / Shutterstock.com

彩度の高いもの同士は子供らしい快活なイメージ、アクセントカラーで全体を引き締める…などなど、定番の組み合わせも多数存在します。

では、アースカラーで統一された幼稚園は楽しげ?

あるいは職場の壁がマゼンタ×グリーンの市松模様だったら集中できる?

色彩イラスト
Image: shutterstock.com

かように、色はその空間や過ごす人に適した組み合わせがあります。

こういうのって、ポジティブな効果を与えるものほど気づかないんですよ、馴染みすぎて

気づかれないデザインこそ理想のデザインとも言ったりしますが、じゃあこうした色彩のプラスパワーを自分でねらってみるのも面白いのでは?っていうのが、今回のポスト・イットの話なんですッ。

ポスト・イットの色で、情報や空間に付加価値を

ポストイット
Photo: ヤマダユウス型

上は新色追加によって合計21色まで増えたポスト・イット。

この21色から構成した8通りの配色が下にあるカラーラインナップです。

配色(カラースキーム)の難しさは、世に多くのカラースキームツールがあることがその証左と思っていただければ。

しかもコレは21色縛りですし、大変だったと思う。

写真
Photo: ヤマダユウス型

この組み合わせはこういう効果をねらってますよという紹介も。

ポスト・イットには以前からカラバリがありましたが、どうして今になって色彩効果を推すようになったのか聞いてみたら、前の色数(13色)じゃ少なかったそうです。

21色になったことで、色推しができるようになったのですね。

じゃあ色が増えたことで何ができるようになったのか。

1つは組み合わせを楽しめるようになりました。

夏の暑い日、デスク周りに並ぶポスト・イットは赤系よりも青系の方が心地よさげじゃないですか

自覚できないレベルでもいいんですよ、こーいうのは。

手帳
Photo: ヤマダユウス型

もう1つは、色を使った情報整頓。

例えばお昼どきのメモには黄色を使って、夕方から夜になるにつれてオレンジや青色を使うことで、時系列の変化を色で認識できます。

チームタスクは黄色、個人タスクは青など、メールのラベルのように使うのも良いですね。

PC×ポスト・イットも便利になったよ

ポストイット
Photo: ヤマダユウス型

また、PCと一緒に持ち運べる「ポスト・イット 強粘着ふせん/ノート ポータブルシリーズ ポップアップタイプ」も、新たに登場しました。

ラップトップなどの天板にディスペンサーをくっ付けて、サッと取り出せるというものです。

いちいちデスクにふせんを取りに行かなくてもいいし、手書きメモも取れるし、オフィス内移動が多い人の味方になりそう。

カラフルな未来をつくっていこう

ポストイット
Photo: ヤマダユウス型

ポスト・イットって、壁にたくさん貼って「いろんな声が集まりました!」みたいな表現もあったり、アイディアや物量を視覚化する効果があると思うんですよ。

こういうのはデジタルのメモでは味わえない感覚ですし、そこからインスピレーションを得ることもあると思う。

トークショー
文具王・高畑正幸(たかばたけ まさゆき)さん。テレビ東京の人気番組「TVチャンピオン」全国文房具通選手権を三連覇した実績をもつ
Photo: ささきたかし

それで面白い話が1つありまして。

文具王こと高畑正幸さんが言ってたんですけど、Google(グーグル)などの最先端なオフィスではもう文房具はほとんど使ってないそうな。

でも、唯一残ってるアナログのモノが、ホワイトボードボールペン、そしてポスト・イットなんですって。

わりとゾクゾクくる話じゃないですか?

アナログでしかもたらされないセレンディピティがきっとあって、それはデジタルの最先端をゆく現場でもあっても変わらない。

ここが解明できたら、なんかやばそう。

ポストイット
Photo: ささきたかし

ちょっと色に気を配るだけで、僕らの毎日は幾分ハッピーになります。

衣服のコーデなんかは身近だけど、ポスト・イットで気分のコーデや情報のラベリングができるなら、遊び心を発揮したくなりません?

マルチカラーのポスト・イットは2019年7月1日に発売予定。

PCに付けられるタイプも同日発売です。

ポストイット
Photo: ヤマダユウス型

ビビッドイエローなポスト・イットついたてがクールだったので。

ちょうど今、H&M×ポスト・イットがコラボしてるみたいで、これもすんごいクールでない?


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Image: ヤマダユウス型, ささきたかし, Shutterstock.com

ギズモードジャパンより転載(2019.05.31)