秘密があれば暴きたくなる……人とはそういうものだろう。国内のみならず世界各地から、観光客が訪れる京都。歴史にまつわる見どころもたくさんあるが、実はラーメン激戦エリアでもある。数あるラーメン店の中でも、ひときわ異彩を放つのが『名前のないラーメン屋』だ。

『名前のないラーメン屋』という名前ではなく、本当に名前がないのだ。なんなら看板もない。幸いにも、京都でよく聞く「一見さんお断り」という雰囲気でもなさそうだ。宝もの探しに出かけるかのようなワクワク気分で、実際に足を運んでみたぞ。

・住所は公表されている

住所はホームページで公表されているので場所はアプリなどで調べればわかるのだが、先に書いた通り看板がないため、たどり着くことができるのかと不安になる。地下というヒントをもとに、なんとなくソレっぽいところを探す。

するとビルの1階から上は店名がぎっしり書かれているにもかかわらず、地下1階部分がぽっかり空いているビルを発見。「ココだな!」とピンときた記者は階段を降りてみた。どうやら正解のようで、扉を開くと「いらっしゃいませー」という声が響いた。やったぜ!

・オシャレな店内

店内は植物が植わっていたりと、ホテルのロビーのようなオシャレ空間で、記者の知っているラーメン屋さんとは違う。ポツンと置かれた券売機に違和感を覚えるレベルだ。ドギマギしながら、券売機で食べるものを選ぶ。「ラーメン」だけでなく「つけめん」もあるようだ。

記者はスタンダードなラーメンに、トッピングはチャーシュー(税込800円)。淡麗スープを選択した。少し豪華に、味玉(100円)も加えよう。席はコンクリートづくりの、カウンターのみ。これまたオシャレである。待つことほんの数分、ラーメンが運ばれてきた。

・山椒と醤油スープとの相性が良い

いやはや、見るからに美味しそうではないか。透き通った醤油スープは、京赤地鶏モモ肉などを使用しているらしい。美味しすぎて、思わず全部飲み干してしまったぞ。麺も独特でモッチリとはしているものの、これ以上ないほどにツルんとしている。

あまりの食べやすさに、もはや飲みもののようにして胃袋に収めてしまった次第である。一味やコショウなど調味料がいくつか用意されており、その中でも記者が特に気に入ったのは山椒。スープとの相性がとても良かったのだ。

食べ終わってすぐに、ほかのメニューも試してみたい気分にさせられる一杯だった。なお、同店のラーメンはサッパリ目だけでなく、こってり目のメニューもあって、何度でも楽しめそう。それにしても、たどり着くまでのドキドキさ、そして席に着いてからのハッピーさ……完璧かよ。ここでラーメンを食べるためだけに京都旅行するのも、個人的にはアリだ。

・今回ご紹介した店舗の詳細データ

店名 なし
住所 京都府京都市中京区恵比須町534-31 CEO木屋町ビル B1F
時間 月~金 11:30〜15:00、18:00〜22:00・土日祝 11:30〜15:00(L/O14:50)、18:00〜21:00(L/O20:50)
定休日 年末年始(12月31日~1月3日)

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼なんと……名前と看板のないラーメン屋

▼ソレっぽいお店を発見!

▼券売機で注文するスタイル

▼記者はチャーシューをトッピングしたラーメン(淡麗)を注文だ

▼トマトが奇麗~。酸味が効いて美味しかった

▼麺もがモチっとツルんでこれまたウマい

▼なによりスープが好みでした

▼オシャレな引き出しを開けると、箸や調味料が用意されている

▼探す楽しみと味わう楽しみを体感せよ~

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