毎月の予算をどのように管理していますか。

家賃やジムの会費などは金額が決まっているので、予算オーバーにはなることはありません。通勤用の車のガソリン代もだいたいの月額を予測できます。

固定費だけを予算管理するのは危険

でも、こういう固定費のところだけを見て予算管理ができていると安心するのは危険です。思わぬことに出費して、あっという間に予算が狂ってしまうことがあるからです。

今月の洋服代は50ドルと決めていたはずなのに、どうしてこんなにたくさんH&Mの紙袋が増えているのでしょうか。

予算以上の買い物をしてしまった証拠です。

友だちの誕生日ディナーは控え目にするはずだったのに、誰かがワイン1本と前菜を3個も注文して、「みんなで割り勘にしよう」と言ったので、たちまち予算オーバーです。

予算が狂ってしまったときは、原因をじっくり考えて、翌月の予算を調整して再び挑戦することになります。

このように柔軟に現実に対応できるのが、生きた予算の良いところ。

でも、もう少し自制心を持ちたいなら、旧式な感じがするかもしれませんが、現金を小分けして封筒に入れるやり方で予算管理してみましょう。

封筒を使うこのシステムは、私の母が90年代に実践していたのですが、実は金融の達人と言われるDave Ramseyさんが普及させた予算管理システムです。

私はRamseyさんの言うことすべてに同意するわけではありませんが、彼が提唱する支出管理の戦術の中には支持できるものもあります。

封筒を使う予算管理システムとは

現金を封筒に入れて管理するシステムの第一歩は、毎月の予算を把握することです。

生活する上で何にいくら割り当てるか決めましょう。他人のことは参考になりません。だって、これはあなたの予算ですから。どのように決めても間違いではありません。

次に、支出をトラッキングしたいカテゴリーや出費を抑えたいカテゴリーを決めましょう。

オンラインで買い物し過ぎたり、休暇中に気前よく散財したせいで、クレジットカードの支払いが大変になっていませんか。この場合、そういう出費が該当します。

一般的に現金を封筒で管理するシステムに切り替えた方が良いとされるカテゴリーは、「食費」、「贈答費」、「娯楽費」、「外食費」です。

月初に、各カテゴリーの金額を決めて、現金を各カテゴリーの封筒に入れます。

封筒の中の現金がなくなったら、それまでです。ごり押しは禁物。ATMで現金を引き出したり、別の封筒からお金を抜くのは反則です。

とにかくその月の分はそれで終わりです。封筒に現金を補充するのは、カレンダーが新しい月になるまで待ちましょう。

Ramseyさんは現金管理のための製品をいろいろ販売していますが、結構高いのでわざわざそういうものを購入する必要はありません。普通の古い封筒の表にカテゴリー名を書いて使えばいいと思います。

毎回何か買うたびに、金額を封筒に書きつけるか、領収書を封筒に入れましょう。

でも、外出するとき封筒ごと大金を持ち歩くわけではありません。いくら携帯するかは設定した予算によります。

また、毎日封筒に現金の出し入れをするのは人目を引くから嫌だと思うときは、財布の中で紙幣を各カテゴリーごとにクリップで束ね、束ごとにカテゴリー名を書いたメモをつけておきましょう。

実践例をご紹介します。

ある晩、映画に行くことになり、「娯楽費」と書いた封筒かクリップでまとめた紙幣を携帯します。映画といえばポップコーンですよね。

でも、ムービーパスでポップコーンを無料でもらえるわけではないなら、家からスナックを持参しましょう。このように、封筒で支出を管理していると、余計な支出をしなくなります。

現金で払うと心に痛みを感じるところがミソ

私は、バーで友人と待ち合わせると、遅刻しないか不安になり、たいてい先に到着します。

そして、ワインをグラスの半分ぐらい飲んだ頃に友人が到着すると、その時点でほろ酔い気分になっている私は、飲み物を注文しようとしている友人に「私の伝票につけておいてよ」と鷹揚に言ってしまいます。

その後3時間ハッピーアワーを一緒に楽しみ、34ドル払って帰ることになります。

でも、月末になると、ハッピーアワーに費やした総額を見て、ハッピーな気分は吹っ飛びます。

そこで、やり方を変えることにしました。

出かけるときに、「バーとレストラン」と書いた封筒から20ドルだけ取り出し、残りは家に置いていきます。

飲み物を1杯注文してバーテンダーから受け取るたびに、値段を聞いて現金を渡し、おつりをもらうようにします。

こうすれば、その夜使える金額があといくら残っているか常にわかります。

封筒を使った予算管理システムがうまくいくのは、実際にレジ係に現金を手渡しするとき、心に痛みを感じるからです。

一切買い物をしなくなるわけではありませんが、現金を手渡しして支払わなければならないようにすると、衝動買いの抑止になります。

月末までまだずいぶん日にちがあるのに、封筒が空っぽになるのは誰でも避けたいと思うはずですから。

死角はネットショッピング

食事のデリバリー、自動で定期配達されるドッグフード、eBayで買う安いパンツ。どれもネットで購入してクレジットカード払いです。

現金よりクレジットカードの方が優れていると言える理由は山ほどあるでしょう。そもそもインターネットで買い物をするとき現金は使えません。

ですから、封筒を使う予算管理システムは人によって向き不向きがあるかもしれません。

あるいは、スタバで買うオシャレで値段高めのコーヒー、観葉植物、スニーカー、ガレージセールなど特定のカテゴリーに限って使えばいいのかもしれません。

人気ネットショップの宣伝メールの購読をやめるだけで、衝動買いが抑えられるなら、現金を封筒で管理すると、さらに浪費を抑えられます。

封筒で現金を管理するシステムの利点は、どこでどのようにお金を使うか意識せざるを得なくなるところ。なんとなくお金を使うことが無くなるので無駄遣いの防止になります。

初期投資は封筒を数枚買うだけの費用しかかかりませんし、使い古しの封筒を再利用すれば、封筒代も節約できます。


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Lisa Rowan – Lifehacker US[原文:How to Use the Cash Envelope System to Curb Mindless Spending