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移動式でも100万個の星「+iプラネタリウム」全国へ。MEGASTAR CLASS+4Kプロジェクタ

三浦工業は、7月1日から60周年記念プロジェクトとして、移動式の「+iプラネタリウム」を立ち上げる。プラネタリウムの第一人者である大平貴之氏が全面監修して製作したもので、小型軽量ながら100万個の星を投影できる「MEGASTAR CLASS」と、4Kプロジェクターを活用、迫力ある星空と宇宙の映像が楽しめるという。今回の企画では全国20カ所以上を巡回予定で、第1弾は7月3日に、愛媛県の松山市立堀江小学校にて出張授業を実施する。

移動式の「+iプラネタリウム」

ミウラグループは産業用ボイラを中心とした熱・水・環境分野の製品を開発から製造・販売・メンテナンスまでを手掛けている。「環境に優しい社会、きれいで快適な生活の創造に貢献する」という企業理念を掲げており、環境問題に積極的に取り組む同社が、「美しい夜空を全国に届ける」というコンセプトのもと、「+iプラネタリウム」を立ち上げた。

大平氏が全面的にプロデュースし、製作。MEGASTAR CLASSと、4Kプロジェクターを使った投影システムを採用。上映するコンテンツの制作陣には、プラネタリウム番組「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH」を手掛けた上坂浩光氏や、大平氏と多くの作品でコラボレーションしてきたフランス人作曲家Eric Aron 氏が参加、「深淵なメッセージを伝える作品に仕上げた」という。

従来のプラネタリウムとは異なり、移動できるのが特徴。収容人数は24~30人。プラネタリウムのプログラムは、「私たちの宇宙」、「星座の起源」、「宇宙の成り立ち」、「地球に生きる私たちと未来」など。

実施場所の予定は以下の通り。審査制写真投稿サイト「東京カメラ部」とのコラボレーション企画として「未来に残したい星空」キャンペーンも実施する。詳細は専用サイトを参照のこと。

  • 7/3 松山市立堀江小学校にて出前授業
  • 7/5 から本社ショールーム常設展示
  • 8/1-3 愛とひらめきミウラフェア東京会場(幕張メッセ)
  • 8/13-15 丸の内キッズジャンボリー(東京)
  • 8/17-18 サイエンスフェスタ(大阪) 他
  • 8/29-31 愛とひらめきミウラフェア大阪会場(インテックス大阪)
  • 9/12-14 愛とひらめきミウラフェア名古屋会場(ポートメッセなごや)

大平貴之氏 インタビュー

――今回のプロジェクトで使用される移動式プラネタリウムの特徴や魅力的なポイントについて

小型軽量ながら100万個の星を投影てきるMEGASTAR CLASSと、4Kの高解像度プロジェクタを使った投影システムによる迫力ある星空と宇宙の映像が楽しめるプラネタリウムです。にもかかわらず、簡単にどこにでも運び出すことができるのが特徴です。

――三浦工業60周年の取り組みをプロデュースすることになった理由

三浦工業は、ボイラを中心に社会に必須のインフラ機器を長年にわたって納められています。私たちの作るプラネタリウムとは対照的な事業であり、そこに惹かれました。そしてCO2を排出する製品を製造・販売しているメーカーだからこそ、環境問題を真摯に見つめ、環境影響を最小限にするためのたゆまない努力に共感いたしました。

――プラネタリウムの活動を通じて、現在の地球環境(異常気象などの問題などを含めて)について感じること、思うこと

最近になって思いますのは、地球上で高度な産業活動を行うことになった我々人類の未来はどのようなものか知りたい。またそれをより明るいものにするために私たちができる事は何だろうか? ということです。

そのために無数の天体の一つに住んでいる私たちの立ち位置を自覚し、自分たちを見つめなおすことの大切さを感じます。その問題提起の場としてプラネタリウムは今後重要な役割を果たすだろうと考えています。

――プラネタリウムの魅力を教えてください。

宇宙の広がりを、理屈ではなく体験として伝えられることです。現実に宇宙に存在する無数の星を、実際に見たままに体験することができ、なおかつその宇宙に向かって飛び立つような仮想宇宙旅行をも体験することができます。知識を得るだけでなくそれを体験として届けられる点はプラネタリウムの持つ大きな力だと思います。

――おすすめのプラネタリウムの楽しみ方やシチュエーション

さまざまな楽しみ方があっていいと思います。専門の施設で専門的な解説を聞くのもよいですし、むつかしい事を考えずに音楽や映像と共に星空のある空間に身を委ねリラックスするのもよいと思います。

最近は、プラネタリウムは専用の施設のみならず、温浴施設や飲食店などでも導入できるようになり、星空を楽しめる場面が格段に広がりつつあります。ますます楽しみ方は広がっていくと思います。

――プラネタリウムに惹かれる理由は? 大平さんにとってプラネタリウムはどのような存在ですか?

昔は、単に科学館にある立派なプラネタリウムが映し出す星空を自分の部屋で映し出してみたいという他愛もない夢でした。けれど、後から振り返ると、ものつくりや技術に興味を強く持ちながら、他者とのかかわりがあまり上手でない自分の周りに人を集めてくれそうな予感を感じたのが、プラネタリウムに惹かれた理由だろうと思います。

えてして視野が狭くなりがちな私自身と、様々な未知の世界との接点を作り、知らなかった世界に私を連れていってくれる存在のような気がしています。

――今後プラネタリウムをどのように進化させていきたいか

あらゆる方向があると思います。プラネタリウムが活躍する場は、かつての専用施設のみならず、個人宅から巨大なスタジアムやテーマパークまで広がるでしょう。その目的も、教育、エンターテインメント、リラクゼーション、時には医療などにも活用されるようになるかもしれません。

地上に星空を作り出す意義は、未解明の部分もありますが、それを解き明かしながら、人々が宇宙の中に住んでいるという自覚をし、そこから私たち自身を俯瞰して見つめなおす機会をより多くの場で提供できるように、あらゆる技法を駆使して進化させてゆきたいと思います。

――どのような人にこの移動式プラネタリウムを体験してもらいたいか

全ての人々に楽しんでほしいです。プラネタリウムは、宇宙の中の私たちを知るためのツールだと思います。今回の上映作品は特にその目的に沿って制作しています。ですから、そのツールの恩恵にあずかれるのは、あらゆる世代、人種、性別の方だと思っています。