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AI・機械学習関連企業が2019年版「テクノロジー・パイオニア企業」に大量選出

by geralt

経済・政治・学問・その他の社会におけるリーダーたちが連携することによって世界情勢の改善に取り組む国際機関「世界経済フォーラム」が、新技術の設計・開発に携わる企業を世界中から選考する「テクノロジー・パイオニア・プログラム」の2019年版を発表しました。選出されたのは56社で、そのうち少なくとも20社がスマートシティやサプライチェーン、製造、サイバーセキュリティ、自動運転車などの分野で、AIまたは機械学習を課題の解決に用いているとのこと。

Technology Pioneers 2019
http://widgets.weforum.org/techpioneers-2019/

AI and machine learning dominate World Economic Forum's list of 2019 Technology Pioneers | VentureBeat
https://venturebeat.com/2019/07/01/ai-and-machine-learning-dominate-world-economic-forums-list-of-2019-technology-pioneers/


テクノロジー・パイオニアに選出された企業は世界経済フォーラムの2年間にわたるプログラムに招待され、国際的な政策立案者や他のテクノロジー企業、投資家などへアクセスする機会が与えられるとのこと。そんなテクノロジー・パイオニア選出企業に占めるAI・機械学習関連企業の増加は、AIといった最先端ツールが実用的な段階に踏み込み、今後さらに存在感を増すことを示唆しています。

世界経済フォーラムが選出したAI・機械学習を用いたテクノロジー・パイオニア企業は以下の20社です。

◆1:7 cups
7 cupsはスマートフォンを通じてウェブベースの感情サポートを提供する企業であり、いつでもどこでも匿名でメンタルヘルスサポートにアクセス可能なサービスを展開しています。ゴールドスタンダードの治療プロトコルや機械学習による適応システム、訓練を受けたボランティア、資格を持つ専門家を使用し、行動医療の分野で比類のないアプローチを行っているとのこと。

◆2:Airobotics
Airoboticsは世界中の大手企業や政府とパートナーシップを結び、ビジネスの分野に商用の無人ドローンを導入しています。操作を簡素化するために自律型飛行システムを開発するほか、データの収集や処理、分析などをAI主導で行っているそうです。

◆3:BigID
企業がユーザーの個人情報を検索、マッピングしたり、個人情報を扱うリスクを軽減したりする管理ソフトウェアを開発するBigIDは、個人情報の保護を強化しつつ組織が機密性の高い情報を扱う能率を向上させます。

◆4: Bright Machines
Bright Machinesは機械学習とコンピュータービジョンを通じ、製造の現場にAIを導入する企業。AIを製造現場に適用することで、生産ラインの正確性、品質、パフォーマンスの向上などが実現でき、最新製品を製造するための全ての機械や工程を管理するAIを構築することで、完全な自動化も可能だとのこと。

by marcin049

◆5:CyberCube
CyberCubeはAIやビッグデータを活用し、保険業界に世界クラスの分析と比類のないデータを提供する企業。ソフトウェアプラットフォームでビッグデータやAI、保険数理科学を組みあわせ、サイバーリスクや保険のリスク管理などにおいて保険会社が適切な判断を下せるようにサポートしています。

◆6:DabaDoc
アフリカ全土にわたり何百万人もの患者と何千人もの医師を結び付け、地理的な障壁を飛び越えて医者による診断を可能にする企業がDabaDocです。遠隔医療の支援や機械学習を用いた健康教育などを通じ、限られた人的資源を保護して生産性を向上させるとのこと。

◆7:DataProphet
DataProphetは製造業のオートメーション化・データ化が目指されているインダストリー4.0の分野において、世界をリードする人工知能プロバイダーです。DataProphetの高度なAIソリューションは製造上の欠陥や廃棄を50%削減し、プラント効率を改善することが証明されており、40人のエンジニアや数学者、コンピューターサイエンティストやデータサイエンティストがAI開発に尽力しています。

◆8:Descartes Labs
Descartes Labsは物理的世界をデジタル化するクラウドベースのプラットフォームを構築し、企業がグローバル規模の機械学習分析を行うことを可能にしています。企業ごとにカスタム可能な機械学習モデルは、企業が所持するデータセットをもとに経済的、競争上の優位をもたらすとのこと。

by sujins

◆9:Drishti
Drishtiは製造業の現場で活躍する人間の動きを測定し、ヒューマンタスクの最適化を行う企業。人間の労働効率は限界を迎えつつあるという指摘もある中で、DrishtiはAIを使用した人間活動のデジタル化、分析を行って製造業に恩恵をもたらします。AIは人々の労働を奪うという意見もありますが、人間の労働効率を向上させるというDrishtiの試みは、人間の雇用を守りつつAIを活用する一つの答えとなっています。

◆10:Eureka
AIプラットフォームを用いて、携帯電話事業者と銀行・保険・輸送・市場調査といった業界間のパートナーシップを強化しているEurekaは、携帯電話事業者が所有するデータをさまざまな分野に応用して収益化を可能にしているとのこと。

◆11:Holmusk
Holmuskはメンタルヘルスに対する世界的な取り組みを促進するため、診療報酬請求データや電子カルテ、健診データといった実診療行為に基づくデータ(リアルワールドデータ、リアルワールドエビデンス)を共有する世界最大のプラットフォームを構築することを使命としています。精神医学におけるプラットフォームは機械学習やデジタルツールを通じ、新しい治療法の開発や研究に大きな変化をもたらすことができるそうです。

◆12:Homoola
トラック業界に革命をもたらすスタートアップのHomoolaは、荷台の空いたトラックを持つ運送業者と荷物を送りたい顧客を結び付け、時間・お金・エネルギーを節約するとのこと。内陸輸送業界は実のところかなり非効率的であり、年間で大量のトラックが荷台のスペースが空のまま走行しており、エネルギーが無駄になっているそうです。HomoolaはAIを活用することで、エネルギーやコスト削減および利益向上を目指しています。

by DEZALB

◆13:ImpactVision
ImpactVisionとは、食品のサプライチェーンに画像診断技術を導入することで、リアルタイムに食品の品質データを提供する企業です。流通時のわずかな異変を見逃すことなく対処することで、鮮度の劣化や異物の混入といった品質に関わる問題を迅速かつ非侵襲的に判断することが可能となります。

◆14:Luminance Technologies
Luminance Technologiesは法律専門家のためのAIプラットフォームであり、法律の文言などをパターン認識としてAIに読み取らせることで、多くのコストや手間を削減することができるとみられています。

◆15:Marinus Analytics
Marinus Analyticsは社会貢献のために設立された側面が大きい企業であり、機械学習やAIを活用して法執行機関や政府機関に力を与え、脆弱なコミュニティが直面する問題に対処したり保護したりするソリューションを提供しています。人身売買組織に対抗する試みや、オピオイドの流行といった社会的問題に対してAIを適用しているとのこと。

◆16:One Concern
災害に対抗して人々の命や生活を救うことを使命とするOne Concernは、AIテクノロジーを用いて災害に対処しようと試みています。AIや実際のデータ、自然科学を組み合わせることで惑星全体の回復力を高め、誰もが平和に持続可能な暮らしを営むことができる社会を作ることが目標だそうです。

by asmuSe

◆17:Quantela
Quantelaは「アトランティス」と名付けられたAIクラウドプラットフォームを用いてデータの収集を簡素化し、都市インフラの運用を合理化して都市管理を効率化します。既に世界40の都市にアトランティスは展開しており、ニーズを先取りした都市管理の構築を目指しています。

◆18:Shape Security
Shape Securityはオンライン上に存在するボット、あるいはユーザー情報を盗んだ犯罪者と本物のユーザーを見分け、電子商取引の間での摩擦を軽減するサービスを提供する企業。ユーザー名やパスワードの入力など、目に見えるセキュリティがなくてもユーザーの識別を可能にするとのこと。

◆19:Tookitaki
マネーロンダリングなどの金融問題に対応するための、機械学習対応のソフトウェアソリューションを開発した企業がTookitakiです。機械学習を持ちいたソフトウェアを用いることで金融機関におけるコンプライアンスプログラムの有効性と効率を向上させ、持続可能性を確保するそうです。

◆20:Truepic
Truepicは写真やムービーをフェイクのものと見分けるシステムを開発しており、機械学習などを用いたディープフェイクが問題となる中で、虚偽の情報と戦うことを使命としています。詐欺的なものと戦いつつ本物の写真やムービーの価値を強化することで、健全な市民社会を形成することが可能だとしています。

by rawpixel

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in メモ, Posted by log1h_ik

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