Microsoftは過去にいくつもの失敗を繰り返してきました。中でも最大の失敗が、モバイル戦略です。
これは、私の言葉ではありません。
同社の創設者であり、前CEOであり、現在は会長職に就いているビル・ゲイツ氏がそう述べたのです。
MicrosoftがAndroidに負けたわけ
冒頭で紹介した「過去最大の失敗」は、ベンチャーキャピタルVillage Globalのインタビューにおいて、ゲイツ氏が発言した内容です。
ゲイツ氏はワークライフバランスに対する考えを述べたのち、マイクロソフトがいかにモバイル市場に乗り遅れ、Androidに独占を許したのかを告白しました。
ソフトウェア、とりわけプラットフォームの世界では、勝者が全市場を独占します。つまり過去最大の失敗は、私が関与した経営ミスにより、マイクロソフトがAndroidのようになれなかったことにあります。
Androidは現在、スマートフォンにおける非Appleプラットフォームとして唯一の標準的なプラットフォームです。それは、かつてマイクロソフトが勝つための定石でした。つまり、勝者がすべてを独占するのです。
アプリの数が半分、あるいは90%しかなかったら、敗北への道が始まっています。非AppleのOSが1つだけ存在する余地は、確実にあります。
その価値をご存知ですか? 4億ドルですよ。それが、G社からM社に移ることになるのです。
いえ、モバイルOSが3つ存在する余地もあったでしょう。
しかしマイクロソフトは、最初の失敗から立ち直ることができませんでした。同社は現在Satya Nadella氏のもとで順調に経営していますが、人々がスマホを使えば使うほど、過去の失敗のコストが年々増えていくことになるのです。
でもそれ、Steve Ballmer氏の責任では?
マイクロソフトのモバイル戦略が失敗したのは、ゲイツ氏の責任ではないという人もいるでしょう。確かに、ゲイツ氏がCEOを降りたのは2000年であり、Windows MobileがiOSやAndroidと覇権争いを繰り広げるより前のことでした。
当時マイクロソフトのトップにいたのは、Steve Ballmer氏です。iPhone登場時、Ballmer氏が「iPhoneは高すぎてビジネスとしての魅力がない」と一蹴したことは有名です。
ひょっとするとゲイツ氏は、自身の座をBallmer氏に譲ったことを経営ミスと言っているのかもしれません。
マイクロソフトはモバイルでの敗北を認めた
ゲイツ氏は自分を責めるべきではありません。会社を興し、何十年もの長きにわたってテクノロジー業界を席巻していたのですから。
その証拠に彼は、国家規模の富を築き上げました。それでも、Windows 10 Mobileの終焉については、自身の失敗だったと明確に反省しているようです。
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Image: John Lamparski/Getty Images
Source: YouTube
Original Article: Bill Gates Reveals His “Greatest Mistake Ever” by MakeUseOf