ワークアウトの前に飲む「筋トレ前サプリ(プレワークアウト・サプリ)」が今、注目を集めています。

ピルもあればパウダーもあり、ワークアウトの前にのむと集中力活力回復力が高まるとされ、次々と新商品が出ています。

ドラッグストアのサプリコーナーに行くと、選ぶのが大変なぐらいたくさんの種類があります。

では、「筋トレ前サプリ」はどういう効果があるのでしょうか。本当にお金を払って買うだけの価値があるのでしょうか。

「筋トレ前サプリ」とは

「筋トレ前サプリメント」とは、ワークアウトの前に摂取してパフォーマンスを高めるものなら何でも該当します。たとえば、ワークアウト前に飲むコーヒーもその1つです。

しかし、「筋トレ前サプリ」と聞いてジムに通う人たちの多くが思い浮かべるのは、「エクストリーム」とか「LIT AF」などのラベルが付いたピルかパウダーです。

こうしたサプリは、カフェイン、炭水化物、ビートルートジュース、アミノ酸(オンラインでサプリを買うときよく見かける分枝鎖アミノ酸)を含んでいるものが多いようです。

クレアチンを含むものもありますが、クレアチンはむしろクレアチン・サプリで摂取する人が多いようです。

本当にサプリの効果はあるのか

多くのブランドがこうしたサプリメントを摂取すると「ジムで最高のパフォーマンスを発揮できる」と宣伝していますが、この表現は微妙です。

「筋トレ前サプリ」は食品医薬品局に厳しく規制されていないため、裏付けのない効能を大げさに宣伝している可能性があります。

「筋トレ前サプリ」の含有成分を個別に見ると、効能が少なくとも研究調査では実証されています。

カフェイン:

カフェインは、疲労を軽減する働きがあります。

カフェインがエクササイズのパフォーマンスに及ぼす影響に関するさまざまな研究を包括的にレビューしたところ、カフェインを服用すると走行可能距離が長くなり、レップ数が増え、リフティングできる重量が増えることがわかりました。

また、GQにも書かれている通り、炭水化物のグリコーゲンは筋肉に燃料を与える働きがあり、身体はその燃料をワークアウト中に使います。

炭水化物:

ワークアウトの数時間前に炭水化物たっぷりの食事をとると、持久力を要するエクササイズのパフォーマンスが向上することが実証されています

ビートルートジュース:

ビートルートジュースは、非常に短時間で行う高強度ワークアウト(短距離走など)のパフォーマンスを向上させることが実証されているようですが、研究数は多くありません。

アミノ酸:

アミノ酸のサプリはもう少し複雑です。

人体は、自然に多くのアミノ酸を生成していますが、必須アミノ酸と呼ばれる人体が生成できないがアミノ酸が9つあります。

これらの必須アミノ酸のうちの3つをカバーする分枝鎖アミノ酸のサプリは、ごく一般的に市販されており、筋肉量を増やす効果があるとされています

しかし、2017年の研究では、分枝鎖アミノ酸サプリ単独では筋肉増加を促進することはできず、他のすべての必須アミノ酸を同時に服用すると、可能になるという結論に至っています。

理論的には、すべての成分が一緒になってこそエネルギーを高める効果が発揮されるはずで、そのことは複数の研究で実証されているようです。

しかし、エモリー大学医学部の教授は、「筋トレ前サプリ」をのんだからジムで頑張れるという心理的な効果、つまりプラシーボ効果でしかないと主張しています。

「筋トレ前サプリ」は本当に必要か

結論から言うと、必ずしも必要ではないようです。

私の個人的な話をすると、いつもコーヒーをたくさん飲んでいるので、カフェインを余計に摂っても、カフェインを飲むと眠れなくなる人ほど影響は出ません。

また、エクササイズは夜にしているので、午後9時にカフェインを摂取することは睡眠スケジュールの点で好ましくありません。

それに、費用もバカになりません。「筋トレ前サプリ」はコーヒー1杯に比べるとかなり高価です。

一般的には、トレーニング前に普通に炭水化物を食べると、「筋トレ前サプリ」と同じ効果があります。

「バナナ、低糖スポーツドリンク、コーヒー(水出しコーヒーか窒素コーヒー)はどれも選択しても『筋トレ前サプリ』と同じ効果がある」とGQのEmily Abbateさんは書いています。

「筋トレ前・サプリ」を摂取するときの注意点

重ねて言いますが、「筋トレ前サプリ」は厳しい規制の下で販売されていないので、購入するときは、ラベルに含有成分がすべて記載されていない可能性があることに注意してください。

NSF InternationalInformed Choiceといった独立機関に認定されているサプリもあるので、ウェブサイトで確認しましょう。

ほとんどのサプリメントはラベルに服用の仕方が記載されています。

ワークアウト前の服用についてはあまり研究されていませんが、2008年の研究で、カフェインは服用すると10分以内に効力を発揮し、約45分で血中濃度が最大になることがわかっています(ただし、体重とカフェイン摂取量により異なります)。

このブランド(BSN)の「筋トレ前サプリ」には、1スクープあたり275ミリグラムのカフェインが含まれており(約16オンスのレッドブル缶2本分のカフェイン量です)、ワークアウトを始める20〜30分前に摂取することをお勧めします。

副作用の可能性や、服用中の薬との飲み合わせが心配なときは、医師に相談しましょう。

Selfが書いているように、コーヒーを飲んで、めまい、吐き気、身体の火照り、焦燥感を感じる人は同じような症状が出るかもしれません。

私の場合は、初めて「筋トレ前サプリ」を使用してみたところ、副作用で「かゆみ」を感じました。これもかなりよくあることだそうです。

そのため、サプリの成分に懸念があるときは、医師に相談することをお勧めします。


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Josh Ocampo – Lifehacker US[原文:Do I Really Need a Pre-Workout Supplement?