リフレッシュするための昼寝から目覚めた時ほど、心地良い気分はありません。疲れは吹き飛び、活力がみなぎり、やるべきことに集中できるようになります。

問題は、昼寝をすれば必ずしもそうなるとは限らないことです。昼寝が長くなり過ぎて、目覚めた時には頭がぼんやりしてしまい、なぜか昼寝をする前よりも疲れを感じる、なんてこともあります。

あるいは、昼寝をするつもりで横になったのに結局は眠れず、20分後にはまったく疲れが取れないまま、イライラしている時もあります。

「最適な昼寝の方法を探求する」と言うと科学のように聞こえるかもしれませんが、事実、科学的根拠があります。

もちろん、入念に計画して昼寝をするという贅沢を誰もができるわけではありませんが(子どもがいる親御さんや医療関係者の方々は特にそうですね)、効果的な昼寝の長さやタイミングに関する研究報告が存在しています。

昼寝する時間をとりやすい環境にいる人にとっては朗報ですね。

ここでは、知っておくべきことを紹介しましょう。

昼寝の種類

米国立睡眠財団によると、昼寝には3つの種類があるそうです。

・計画的昼寝(準備的昼寝)

実際に疲れを感じる前にする昼寝です。いつもより遅くまで起きている必要があると事前にわかっている場合には、良い選択肢と言えます。

・緊急的昼寝

まさに文字通りの昼寝です。不意に極度の疲れを感じて、日課としているアクティビティをスケジュール通りにこなせないという時にする昼寝です。

たとえば、運転中に眠気を感じたら、車を路肩に止めて仮眠をとることなどが挙げられます。

・習慣的昼寝

毎日同じ時間にする定期的な昼寝です。小さな子どもによく見られる昼寝ですが、大人になってからでも習慣化することはもちろん可能です。

昼寝の長さによる効果の違い

昼寝の効果は、どれくらいの時間眠っているかによって異なります。寝ている間に脳に何が起きるのかを、昼寝の長さ別に見ていきましょう。

・10分間

驚くべきことに、たった10分間の昼寝が大きな違いを生みます

学会誌『Sleep』で発表された2016年の論文によれば、10分間の昼寝をすれば即座に注意力や認知能力が高まり、およそ3時間にわたってその状態が継続することが判明しました。

・20分間

米国立睡眠財団は、20分は最適な昼寝の長さであり、注意力の改善、パフォーマンス・気分の向上といった効果を得られると説明しています。

・60分間

2015年の研究によれば、午後に丸々1時間の睡眠を確保できれば、衝動に駆られることが少なくなり、いらだちに対する耐性が高まる可能性があるそうです。

ただし、30分以上の日中の仮眠は、その日の夜の睡眠を妨げる可能性があると、Sleep to Live Instituteのディレクターでカイロプラクターでもある医学博士のRobert Oexman氏はNBCニュースに対して語っています。

これは、30分以上の昼寝をすると深いノンレム睡眠状態になり、目覚めた時に頭がぼんやりしたり、場合によっては昼寝をする前よりも疲れたりする可能性があるためだと、Oexman氏は説明しています。

・90分間

睡眠専門医のRebecca Robbins氏はNBCニュースに対し、前日の夜が深刻な睡眠不足だった場合は別にして、90分の昼寝は一般的に長すぎると述べています。

その一方で、カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学者Sara Mednick氏は、米国心理学会のインタビューの中で、1時間半の昼寝は8時間の睡眠時間と同様の「認知能力の向上」を期待できると語っています。

また米国立睡眠財団は、90分の昼寝によってクリエイティビティーが向上する可能性があると述べています。

昼寝の効果を最大限に引き出そう

昼寝しようと考えているなら、1日のなかで最も適切な時間にとることも忘れないでください。

また、昼寝の効果を最大限に引き出すには、目覚めが良くなるよう、事前にカフェインを摂取しておくと良いでしょう。

この記事は2013年9月4日に掲載されたものですが、より正確で新しい情報を提供するために、2019年6月19日にアップデートされました。

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Image: Jordan Whitt (Unsplash)

Source: National Sleep Foundation (1, 2), NCBI, Science Direct, NBC News, American Psychological Association

Melanie Pinola and Elizabeth Yuko - Lifehacker US[原文