え、アシカじゃなくて? アザラシが『きらきら星』を歌う

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  • author 中川真知子
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え、アシカじゃなくて? アザラシが『きらきら星』を歌う
Photo: Shutterstock

水族館の主役になれるポテンシャルを感じる。

水族館のショーといえば、アシカやイルカやシャチやセイウチで、どちらかというと、アザラシは癒しポジションという認識でした。アザラシがショーをする水族館はありますが、どちらかというとスイーッと泳いでそのスムースな毛と安心感と眠気を誘うボディを見せてくれるのが彼らの仕事だと思っていました。(あとは突如として多摩川に現れてみたりとか)

でも、最近の研究によると、歌を歌うらしいんです。しかも結構うまい!

Mashableによると、北大西洋に住むハイイロアザラシに歌を教える研究をしているのはスコットランドのセント・アンドルーズ大学の研究チーム。かれらはZola。Janice、Gandalfという3頭のアザラシに『スターウォーズのテーマ』や『きらきら星』を教えました。

最初に見本のメロディを聴いているからか、アザラシがしっかりと音程を真似て歌っているように聞こえます。というか、アザラシなりに、しっかりはっきり歌を歌っています。

New Scientistによると、セント・アンドルーズ大学の研究者であるVincent Janikさんと同僚の人たちは、3頭のアザラシが生まれた時から繰り返し訓練してきたとこと。そして、3頭とも、短いけれど一連の歌声を真似することができるようになったのだそうです。

「何百回もの試行錯誤を経て、アザラシに自分たちが何をさせたいのかを教えました。一旦理解してもらえたら、新しい音をうまくコピーできるようになりました。アザラシは人間と同じ神経および解剖学的構造で音を作ります。なので、言語音がどうやって学習されるのかを研究する上でのいいモデルになります。」

Janikさんは、そのようにNew Scientistに語っています。

上の動画で歌を披露しているのは、Zolaという名のアザラシ。歌い終わった後に水の中に入っていくのが可愛らしい。やり遂げた感なのか恥ずかしいのか…。

本研究の主任研究者であるAmanda Stansbury氏がBBCに話したによると、彼女たちは「演奏したモデルの音をアザラシが見事にコピーしてくれたことに驚いた」そうです。

「完璧なコピーとはいえませんが、アザラシが出す典型的な音でないことは確かで、それを考えると、非常に感動的ですね。私たちの研究で、アザラシの発声がどれほど柔軟であるかを証明しました。これまでの研究では、このことを裏付ける事例証拠が示されていたにすぎないのです。」

すごい、アザラシってこんなことができたんですね。

この研究はPETAの「カナダでアザラシ猟しないで!キャンペーン」に拍車をかけそう。特に、「アザラシは人間と同じ神経および解剖学的構造で音を作る」って部分が、可愛い以上に説得力を持っていそうですしね。

Source: Mashable