ソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」ハンズオン:ノイキャンも音質もすごくいい。秘密は内蔵プロセッサー「QN1e」にあり

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  • author Adam Clark Estes - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
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ソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」ハンズオン:ノイキャンも音質もすごくいい。秘密は内蔵プロセッサー「QN1e」にあり
Image: Adam Clark Estes /Gizmodo US

片側にマイクがふたつ搭載されているのもミソ。

先週、日本でも発表されたソニーの新型の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」について、米GizomdoのAdam Clark Estes記者がハンズオンを書いています。軒並み高評価のようです。


2017年のこと、ソニーは本格的なワイヤレス・ノイズキャンセリング技術を手掛ける企業にいち早く参入し、そして今ワクワクする新しいアップデートを行ないました。

それが完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」です。お値段は230ドル(日本価格、税別2万5880円)で、見た目はノイズキャンセリングを搭載したオーバーヘッドフォン「WH-1000XM3」をちっちゃいイヤホン版にしたかのようなデザインですが、それもまたポイントでもあります。

AppleのAirPodsにはノイキャンがなく、素晴らしきJabraの「Elite 65t」のみにしか、ノイズリダクションが搭載されていません。なので、優れたノイズキャンセリングを持つイヤホン登場はスゴいことなのです。

「QN1e」チップによる音質向上

このイヤホンは、オーバーヘッドフォン「WH-1000XM3」に搭載されているプロセッサ「QN1」の新バージョンを内蔵しています。ソニーは、このプロセッサー(チップ)を「QN1e」と呼んでいます。

また、WH-1000XM3と比べて、WF-1000XM3はノイズキャンセリング用のマイクをふたつ多く搭載しています。マイクが片方にふたつずつあることで、ノイズキャンセリングを手助けするだけでなく、通話などいろいろな音質が向上しているのです。

デュアル・マイクとチップがノイキャン機能を改善

「QN1e」は明らかに脚光を浴びる存在です。ソニーの話では、デュアルマイク・システムから入る音が「QN1e」プロセッサを通過することで、周囲の音がキャンセルされ、それが新たなレベルのノイズキャンセリングを可能にしているのだそうです。

この仕組みはノイキャン機能を持つほかのヘッドフォンと同じですが、ソニーによると専用チップを使ったほうがよりノイキャンが機能するとのことです。また「QN1e」チップは音質の改善にも役立つということでした。

Boseより優れた、前モデルを凌ぐ兄貴「WH-1000XM3」

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Image: Adam Clark Estes /Gizmodo US

ですがチップは実際どのように、そんな魔法を使うのでしょうか?

それはまず、アニキ分の「WH-1000XM3」について目を向けたほうが良いかもしれません。「WH-1000XM3」はHDノイキャン・プロセッサ「QN1」を搭載した初のヘッドフォンでした。ジャーゴン(専門用語)いっぱいのこの技術が、マーケティング的に一石を投じたであろうことを踏まえて……「WH-1000XM3」はすでに人気のあったBoseの「QuietComfort 35 II」ヘッドフォンより機能が優れていた前モデル「WH-1000XM2」を凌ぐ、さらに優れたノイキャンを実現させました。

なので、真の意味でのワイヤレス機能を備えた、新しいイヤホンにこのチップを搭載することにより、ソニーは少しばかり優位に立つことを狙っているようです。また初期のテストでは、「WF-1000XM3」は先行機種の「WF-1000X」よりも優れたノイキャン機能を備えていました。

1週間使ってみて

試作品を使って1週間を過ごしてみましたが、かなり洗練されていると認めざるを得ない結果になりました。加えてノイズキャンセリングも充分に機能していました。

また見た目も疑いなくクリーンなデザインで、装着時は耳の外側に収まり、両方のイヤホンはタッチ操作が出来るようになっています。イヤホンそのものはボディーの外側に飛び出しているため、全体的に耳の中でバランスが取れています。そして今のところ、イヤホンはシッカリ装着されている感じがします。

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Image: Adam Clark Estes /Gizmodo US

近接センサー内蔵

特筆すべき点は、普通のワイヤレスのイヤホンと同じように機能することだと思われます。たとえばAirPodsのように、「WF-1000XM3」には近接センサーが付いているので、耳に入るとすぐにスイッチが入り、取り出したら切れるようになっています。

ソニーいわくイヤホンは1度に1つのデバイスにしか接続できないそうです。ちなみにソニーは 「WF-1000XM3」が防水とは謳っていないので、そこは配慮が必要です。

Bluetooth 5が接続性を高める

ソニーは「WF-1000XM3」の接続性能の改善に、相当な労力を費やしてきた、と話しています。それは数年前のモデルとは違い、このイヤホンにはBluetooth 5を採用しており、片方ずつ独立した接続を確立してくれるのです。

通常、片方のイヤホンが再生デバイスと通信して、もう片方のイヤホンに伝えるという方式のイヤホンが多いのですが、おかげで、いくつかのイヤホンに発生する音が片側からもう片側のイヤホンに反響、または片側で消えるピンポン現象を削減してくれることと思います。

今後もいろんな環境でノイキャンを試したい

今のところ、ソニーの新たな手法はとても良い体験が出来ています。使ったのは1週間ではありますが……。

なのでさらに時間をかけて使用し、「WF-1000XM3」のフルレビューをお届けしたいと思います。とくにいろんな状況下でどうノイキャンが機能するか、それにソニーが約束したように、充電の持ちがどれほど改善されたのかが見ものです。「WF-1000XM3」はノイキャン機能を使って6時間、機能なしで8時間の使用が出来るはずです。

現在最もお気に入りの完全ワイヤレスイヤホンであるJabraの「Elite 65t」より、70ドルも高い230ドルという「WF-1000XM3」。高いだけあって、ソニーは彼らが言った約束を果たすべきだと思います。期待しましょう。

Video: ギズモード・ジャパン/YouTube
動画でも先行レビューを公開しています!


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