ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

初期作は社長自らソフトを制作していた「チャンピオンソフト」と、ファンキーモンキーで有名になった「ポリシー」

~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~

永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本

 連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。

 今回取り上げるページは、メジャーソフトハウス編から「チャンピオンソフト」と、マイナーソフトハウス編から「ポリシー」となる。

 なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。


- メジャーソフトハウス編 ― チャンピオンソフト ― -


初期は脱サラした社長自らソフトを制作していた

 のちにアリスソフトのブランドで数々のヒット作を送り出すが、チャンピオンソフト時代のソフトは意外に知られていないものも多い。初期タイトルは、社長である白木喜嬉氏が手がけた作品が多く、驚異的なペースで毎月ソフトを制作・発売していた。

「君もソフト界のチャンピオンにならないか!!」

 当時、広告で人材募集を行うのは珍しくなかったが、そこに版権料や著作権使用料が明記されているのが貴重だ。商品化決定段階での報酬は安いものの、発売後は印税10%がもらえるとある。そう考えると、面白いソフトが作れた人はジャパニーズドリームを体験できたといえるかもしれない。

当時の広告では、プラネタリウムソフト『ザ・プラネタリウム』の宣伝で、自ら“チャンピオンソフト デザイナー白木善喜の異色作シリーズ 好評発売中!!”と謳っていた。また、人生シミュレーションゲームシリーズでは、“1部上場企業で約20年間企画・スタッフ畑を歩んできた人生経験豊富な作者ならではの異色作”と書かれているので、初期の頃から作品の毛色が変わっているという自覚があったようだ。

毛色が変わった数々のゲームのデキ映えは?

 多数の作品がリリースされていた1983年当時のタイトルで、気になったのが『むかしむかしゲームシリーズ』。広告には“ゲームと絵本がドッキング”と書かれているので、どういうゲームか『むかしむかしゲーム・ 桃太郎』を早速プレイしてみると、1枚絵が表示されたあとにアクションゲームが始まるという仕組みだった。

 ルールはシンプルで、主人公の桃太郎を上下左右に移動させ、矢を鬼に当てて倒し、宝物を回収すれば1面クリアとなる。オールベーシックなので、主人公の移動はのんびり。犬・猿・キジも登場するが、盾代わりでしかないので悲しい。文字だけだがエンディングも用意されているので、ちょっとした達成感がある……かも? ちなみに、シリーズ第2弾として『むかしむかしゲーム・浦島太郎』も発売されていた。


- マイナーソフトハウス編 ― ポリシー ― -


大阪市内での引っ越しが頻繁だったソフトハウス

 『ファンキーモンキー』で有名になったソフトハウスで、ほかにもFMシリーズ向けにビジネスソフトなどを手がけていた。

 のちに、会社が大阪市南区南炭屋町(当時)から東区南久宝寺町(当時)へと移転。この頃は、『ドアメイズ』『モンスターランド』などの思考型アクションを発売していたが、MSXやPC-9800シリーズ向けのタイトルも手がけた。86年には浪速区日本橋へと引っ越し、『WIRED2』『少女隊エンジェル』といったRPGも発売。しかし、86年半ばを最後にソフトハウス事業をストップしたものと思われる。

 御三家には、まんべんなくソフトをリリースしていた実力を持っていた。そのうちの1本『スーパータロット』は、80年代中盤には珍しくなってきた占いタイトル。占星術やトランプ占いが多かったなかで、タロット占いをソフトにして発売したものだが、“これだけ適中(あた)れば恐くなる”“結果が悪くても悲観したりあやまっても自殺するようなことがないよう~”とあるように、その適中精度をウリにしていた。しかし、値段もお高く9,800円。

 もう1タイトルは『モンスターランド』だが、アーケードには『ワンダーボーイ モンスターランド』があるので、今となっては若干紛らわしい。主人公の探検家パン君を操作し、迷路の中にいる怪獣やドクロを避けながら宝物を集めていく。ゲンコツマークを拾うと、パワーアップして敵に反撃できるお約束もあるドットイート型のアクションだが、面構成がバラエティに富んでいて面白い。RPGだけでなくFM77AV専用のカーアクションや高速3Dスクロールシューティング、はてはアダルトクイズにまで手を出すなど、ある意味多彩だった。

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