「男性は散らかってることを意識しているが片付けることはしない」と研究で判明

By Greta Schölderle Møller

「部屋を片付けられない人」というのは男女関係なく存在します。しかし、最新の研究によって、男性は女性と同じくらい部屋の汚れに敏感だが掃除はしないことや、「女性はもっと部屋をきれいにするべき」だという偏見が存在していることが明らかとなりました。

Good Housekeeping, Great Expectations: Gender and Housework Norms - Sarah Thébaud, Sabino Kornrich, Leah Ruppanner, 2019
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0049124119852395

Men do see the mess – they just aren't judged for it the way women are
https://theconversation.com/men-do-see-the-mess-they-just-arent-judged-for-it-the-way-women-are-118728

「男性はなかなか家事をしない」と主張されることがありますが、アメリカ合衆国労働省がその主張が事実であると裏付けるデータを発表しています。2015年の家事に関する調査によると、1日当たりに家事に割く時間は男性平均が1時間25分で、女性平均は2時間15分でした。さらに、男性が掃除にかける平均時間は1日当たり14分で、これは女性の平均時間のおよそ3分の1しかありません。

男女の掃除に関する疑問を解決するため、アメリカのカリフォルニア大学サンタバーバラ校の准教授サラ・デボーさん率いる研究チームは男性327人・女性295人の被験者に「部屋の写真」を見せ、「部屋がどれほど散らかっていると感じるか」や「この部屋に掃除が必要な度合い」を尋ねるという調査を行いました。

調査の結果、男性と女性が部屋が「どれほど散らかっているか」という感じ方にはほぼ差がないことが判明。つまり、男性は「散らかっていることに気がつかない」というよりも、「散らかっていることがわかっていても片付けはしない」ということがわかりました。

By bialasiewicz

さらに、研究チームは被験者に片付いた部屋の写真を見せて、「部屋の住人は女性だ」と伝えた時の反応と「部屋の住人は男性だ」と伝えた時の反応について調査しました。「部屋の住人が女性だ」と伝えられた被験者は、男性だと伝えられたときよりも「この部屋は散らかっている」という評価を下す傾向があったとのこと。この反応は男女どちらの被験者にもみられたことから、「女性ならもっと整理整頓すべき」という偏見が性別に関係なく偏在しているといえます。

次に、研究チームは散らかった部屋の写真を被験者に見せ、部屋の住人の性別を伝えたときの反応の差も調査しました。その結果、被験者は散らかった部屋の持ち主が男性だと否定的な評価を下す傾向があると判明。これは「男性は部屋を散らかすものだから仕方がない」という偏見は存在しなかったことを意味します。

By fizkes

また、研究によると、「配偶者と暮らす女性/男性は、フルタイムの仕事を持っていても部屋の清掃に責任を持つべきかどうか」という質問に関して、「女性が責任を持つべき」という回答数は「男性が責任を持つべき」という回答数よりもかなり多かったとのこと。つまり、多くの人が「女性は雇用状況によらず家事労働に関しての責任を負うべき」と考えているというわけです。

この記事を掲載したThe Conversationは「こういった偏見によって、女性の掃除時間が長くなっている可能性がある」と指摘しています。

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