問題となっているのは『トイ・ストーリー2』のエンディング。撮影中のNGを集めたという設定でいくつかのシーンが流れるけれど、その中に悪役プロスペクターが2人のバービーにセクハラしているシーンがあったという。 雑誌『バラエティ』のオンライン版によると、プロスペクターはバービーたちに「僕なら君たちを『トイ・ストーリー3』に出してあげられるよ」と持ちかけながら1人の手を触る。撮られていることに気が付いたプロスペクターは慌てて「申し訳ない、カメラが回っていたのか。君たちと話ができてよかったよ。演技のアドバイスが欲しいときにはいつでも連絡をくれたまえ」と言い繕うというシーン。これは明らかに役と引き換えに肉体関係を要求する、キャスティングカウチ! 最新作『トイ・ストーリー4』の公開を前に再リリースされたDVDからこのシーンが削除されているという。ディズニーはこれについて正式には発表していない。

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courtesy of Toy Story Via Instagram

ハーヴェイ・ワインスタインの事件をきっかけに起きたセクハラ告発運動「#Me Too」ムーブメントでキャスティングカウチの実態も明るみになったハリウッド。ワインスタインだけでなく、他の映画会社重役やプロデューサーが同様の行為をしていることを女優たちが語っている。ちなみにこのムーブメントの中でディズニーのプロデューサー、ジョン・ラセターもキャスティングカウチではないけれど、社員へのセクハラが告発されディズニーを退職するという騒ぎに発展した。

ディズニーアニメにこのようなシーンが登場するのは、『トイ・ストーリー2』が作られた1999年にはキャスティングカウチをジョークにしても問題ないと男性主導のハリウッドが考えていたことの表れ。それから約20年経ち、これが冗談ではないという考え方が浸透してきたよう。「ようやく」という感もあるけれど、ハリウッドのセクハラに関する意識は確実に変わってきていると言えそう。