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サーモス、真空筐体のVECLOSワイヤレススピーカー。音の広がりと低音向上

サーモスは、独自の真空エンクロージャーを採用したVECLOSブランドのポータブルワイヤレススピーカー「SPW-500WP」を9月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は35,000円前後。カラーはブラック(BK)とホワイト(WH)の2色。

SPW-500WP(ブラック)

真空エンクロージャーの技術を活かしながら、新技術により「一体型の常識を超えた音の広がりと、迫力の低音による圧倒的な臨場感」を実現したという。IPX5相当の防水仕様で、アウトドアでも水しぶきを気にせず使える。内蔵バッテリーで連続約11時間動作。リビングやキッチン、アウトドア利用のほか、「いつでもどこでも動画や映像をスモールシアターで楽しめる」としている。40mm径フルレンジスピーカーとパッシブラジエーターを搭載し、アンプ出力は8W×2ch。

SPW-500WP(ホワイト)
使用イメージ

Bluetooth 5.0+EDR対応で、プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSP、コーデックはSBC、AAC、aptXをサポート。内蔵マイクでスマートフォンのハンズフリー通話も可能。ステレオミニの音声入力と、USB入力も備え、48kHz/16bitまでの入力に対応する

音質面で3つの技術を搭載。Dirac Researchのデジタル補正技術「Dirac HD Sound」を搭載。周波数特性だけでなくインパルス応答性も補正。一体型スピーカーでは再現が難しかった音像定位や音の立ち上がりを改善、高品位でクリアなサウンドを再現するという。

また、AV機器では日本国内初という「Dirac Panorama Sound」も採用。独自の音場制御アルゴリズムにより、左右の音が混ざるステレオ感の喪失を修復。音源制作者の意図通りの音像定位とステレオイメージを再現して臨場感を高める。

Dirac Panorama Soundのイメージ

さらに、パイオニア独自の特殊デジタル信号処理技術で、小型スピーカーでも自然で迫力のある低音を楽しめるという「BEAT BLASTER」も搭載。最適な音響バランスの倍音を付加して、音質を損なわず低域を増強、メリハリのある迫力感を実現するという。

BEAT BLASTERで低音も強化

左右チャンネルごとにスピーカーボックスを分離して、それぞれに高振幅のフルレンジスピーカーと低域増強用のパッシブラジエーターを搭載。本体内部の左右の音の混在を防ぎ、各チャンネルの音源を正確に再現する。パッシブラジエーターは水平対向に配置することで、不要な振動を抑制しながらスピード感のある低音を再生するという。

VECLOSの特徴である真空エンクロージャーは、ステンレス二重構造のシリンダー形状(円筒)で、内筒と外筒との間は1,000万分の1気圧以下の高真空状態となっている。大気との圧力差により内筒と外筒の表面に張力が発生してエンクロージャーの剛性が高くなると共に、高いダンピング特性により効果的に振動を減衰させる。

また、真空層には音の振動を伝える空気がほとんどないため、内筒から発生する共鳴に対して遮音性が高く、ノイズ感の無いクリアなサウンドで再生可能としている。

内部構造

真空エンクロージャーに使われているステンレスは、高い剛性が不要な共振を抑制し明瞭感と定位感を向上するが、アルミニウムなどに比べて加工が難しい金属とされている。サーモス独自の高度な金属プレス加工と溶接のノウハウを駆使し、新たにシリンダー形状のエンクロージャーを開発。コンパクトなフロントバッフルとラウンドのあるシリンダー形状が不要な音の回折を低減し、省スペースな環境でも明確な定位と高い臨場感を実現するという。スピーカーユニットとパッシブラジエーターはエンクロージャー内部を前後に貫くフレームへ固定。フレームとエンクロージャーとの接点にシリコンを配置して不要な振動を抑えている。

外形寸法は約261×72×91mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.1kg。