Facebookが人気ゲーム「アサシン クリード」「スプリンターセル」のVR版を独占販売か

VR企業Oculusを傘下にもつFacebookがUbisoftと、人気ゲームシリーズ「アサシン クリード」「スプリンターセル」のVR版新作をOculus向けに配信する独占契約を締結したと報じられています。

Next on Facebook’s Shopping List: Acquisitions to Beef Up Gaming — The Information
https://www.theinformation.com/articles/next-on-facebooks-shopping-list-acquisitions-to-beef-up-gaming

Facebook reportedly signs deal for Splinter Cell and Assassin’s Creed VR games - The Verge
https://www.theverge.com/2019/7/10/20688902/facebook-oculus-exclusive-splinter-cell-assassins-creed-vr-game-report

技術系メディアのThe Informationによると、Oculus Store専用の新作として「アサシン クリード」「スプリンターセル」のVRタイトルをリリースする計画が進められているとのこと。この計画はマーク・ザッカーバーグCEOが個人的に注力している取り組みの1つで、Oculusの元コンテンツ責任者で2018年12月にFacebookのゲームイニシアチブ部門のヴァイス・プレジデントに任命されたジェイソン・ルービン氏によって推し進められているとのこと、既に独占契約は締結されているとThe Informationは報じています。

PC向けVRコンテンツのプラットフォームは、Oculusの運営する「Oculus Store」とHTC ViveやValve Indexを抱えるValveが運営する「Steam」の2つが主流です。Steamのデータによると、2019年4月時点でVRデバイスのシェアはOculus Riftが45.62％、HTC Viveが41.08％と二分している状態です。

VRデバイスの売上競争がついに逆転の兆し、シェア1位のOculus RiftにHTC Viveが迫る - GIGAZINE

Oculusにとっては、2019年5月下旬に発売されたOculus Rift SとOculus Questのシェアを伸ばすためにも、Oculus Storeでのタイトル独占は重要な戦略といえます。実際、映画「スター・ウォーズ」を題材にしたアクションゲーム「Vader Immortal: スター・ウォーズVRシリーズ」やフリークライミング体験ゲーム「The Climb」などが、Oculus Storeの独占タイトルとして配信されています。

Oculusの広報担当者は、The Informationの取材に対して「私たちは特定のパートナーシップについてコメントすることはできませんが、これからもライブラリを拡大してより幅広い人々にリーチすることに集中していきます」と語りました。また、The InformationがUbisoftの広報担当者に真偽を確認したところ、返答はなかったそうです。

なお、ゲーム業界ではゲームタイトルの独占販売がしばしば話題になっており、PCゲーム市場で大きなシェアを持つSteamとその他の独立系ゲームストアがシェアを奪い合うためにタイトルの独占販売を進めています。クラウドファンディングサイトで開発資金を募集した「シェンムー3」のPC版がEpic Gamesストアの独占配信となったことで、多くのファンから批判が集まりましたが、Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOはSteamの利益分配率に対抗するには「独占販売」こそが最善の手段であると訴えています。

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