点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

とある外資系コンサルティングファームで働いているアラサーのつぶやきです

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ

興味深く、かつ鋭いコラムがあった。

首都圏青年ユニオンの事務局次長として労働問題に取り組んでいる方の記事だ。なおこのコラムの著者は1995年生まれらしい。素晴らしい若者だ。

 

4割超の人が最低賃金水準で働く現実。最賃はもはや家計補助賃金ではない

hbol.jp

要点は以下の通りである。

まとめ:最低賃金をめぐる従来の「常識」が通用しなくなってきている今、「生活賃金=最低賃金」とするために、最低賃金を1,500円にするべきである

  1. かつて最低賃金、またはその付近の賃金で働くのは、家計補助のための主婦のパートや学生アルバイトが中心であった
  2. しかし最近では、最低労働賃金付近の従業員が激増しており、「最低賃金=家計補助賃金」と言えなくなってきた
  3. この原因は、「家計補助的労働者」ではない非正規労働者の増加と、最低賃金付近正社員の増加が要因である
  4. かつての常識が通用しなくなったので、「生活賃金=最低賃金」とする必要があり、そのためには最低賃金を1,500円に引き上げるべきである

  

では順に見ていこう。

 

最低賃金=家計補助賃金」というかつての常識

まず1の「かつての常識」について。これは多くの方が Agree ではないだろうか。

確かに最低賃金というとコンビニやファーストフードアルバイト(東京ではコンビニバイトの時給は上がっているか。。)やスーパーのレジ打ちなどを思い浮かべる方が多いと思う。私もまずそういう仕事と担い手を思い浮かべる。

生活のためというよりも、家計の補助やお小遣いのための仕事に、最低賃金付近の給与が支払われていたというのがかつての常識であった。

 

最低賃金「付近」労働者の増加

しかし一方で働く貧困層などのニュースで見られるように、非正規労働者中心に、最低賃金付近の給与で働く人が増えてきているのかな、という感覚値を持ってはいた。

それをこの記事では(正確には書籍の引用ではあるが)数値で解説してくれている。

 

ということで、記事の中で紹介されている下記チャートを見て欲しい。これはとても興味深いチャートだ。

https://hbol.jp/wp-content/uploads/2019/07/0704loan01.jpg

出典:後藤道夫「最低賃金1500円は社会をどう変える」、後藤道夫他編『最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし』大月書店、2018年、17頁 

 

最低賃金未満から最低賃金5割増し未満までの人たちの割合について、2001年と2017年とで比較している。  
グラフを眺めてみると、どの区分でも著しく増えているのがよく分かる。数値としては、最低賃金5割増し未満の労働者が2001年では20.3%だったのが、2017年ではなんと40.5%まで激増している。

もちろんこの15年では定年退職後に再雇用となり賃金の下がった団塊世代もたくさんおりこの激増の1つの要因になっているとは思う。そのためより正確に見るためには、さらに年齢の区分を追加する必要はある。とはいえ、いくら団塊世代の人口が多くとも、さすがにこれが倍増のすべての原因ではないだろう。

最低賃金付近で働く労働者は、確実に、増えているのだ。

 

増加するパート主婦「ではない」非正規労働者

これを補足するのが、以下のチャートである。少し読み取りが難しいのだが、いずれの数値も卒業後の非正規労働者人口数を示しており(=学生アルバイトは含まない)、

  • 右肩あがりの折れ線(ほぼ直線)が配偶者のある女性(パート主婦や、夫婦共働きの女性、時短勤務なども含むだろう)
  • 青い棒グラフがシングルの女性
  • 赤い斜線の棒グラフが、既婚・未婚関係なく、男性の非正規労働者

を表している。

https://hbol.jp/wp-content/uploads/2019/07/0703loan04-550x302.png

出典:後藤、前掲書、22頁より

 

1997年から2002年までの男性非正規労働者の増加数が著しいですね。残念ながらそのころ小学生だった私は当時の経済事情をあまり覚えていないのだが、平日限定でマクドナルドのハンバーガーが60円で買えたのや、ユニクロがはやり始めたのがこの時代だった覚えがある。経済事情で言えば、平成不況・リストラ・デフレ・そして就職氷河期時代になるわけで、この男性非正規労働者の増加はうなずける。

しかしそれ以降も、リーマンショックはあったとは言え男性の非正規労働者の割合は増加の一途をたどっている。ここ5年で伸び率が下がったのは、労働人口減少に伴う人手不足による積極採用が原因か。

配偶者のある女性の非正規労働人口も著しく伸びているが、これはパートナーである夫の稼ぎが悪く仕方がなくパートに出ているのか、女性の社会進出が進んで子育てしながらでも働きたい女性が増えたからなのか、このグラフだけでは判断はつかない。

 

ただ、このチャートのメッセージとして一番強烈なのは、1997年では非正規の割合の多くが「家計補助」として働く既婚女性だったのに対し、平成不況の2002年以降では「生活のため」と思われる男性+シングル女性の労働人口の方が、既婚女性労働人口を上回っているという事実である。

 

正社員も例外ではない

最低賃金付近労働者増加は、本記事によると非正規労働者の増加だけでなく、正社員の給与が下がっていることも原因らしい。以下のチャートを見ていただきたい。これはシンプルに30歳~34歳の正規労働者の年収分布の平成9年(1997年)と平成24年(2012年)の比較である。

https://hbol.jp/wp-content/uploads/2019/07/0703loan03-550x351.jpg

 

面白いぐらいに、分布が低賃金側にズレている。一番のピークは300万円~399万円の区分で、小ぶりだが200万~249万円の区分にも山が来ている。
(余談だが、このチャート300万円までは50万区切りで、そこから金額があがるにつれて100万,200万・・・と幅が広くなっていますね。あまり良いチャートではない・・・) 

繰り返しになるが、これは非正規を含めたすべての男性労働者の年収分布ではなく、男性正規労働者の年収分布だ。社会人になり正社員として5年~10年経験を積み、まさに働き盛りの30代前半の壮年の労働賃金がこの15年で減少している。これは由々しき問題ではないか。

 

どうして最低賃金アップの結論になるのか

とここまで、「最低賃金=家計補助賃金」というかつての常識が崩壊したことを、Factを用いて丁寧にまとめてきた質の高いコラムだったのだが、、、どうして最後の結論が最低賃金アップになってしまうのか。これは非常に残念だ。

 

生活の安定のために最低賃金アップを、というのはよく聞く論調だ。そしてこのコラムの筆者も、その主張を補強するために、最低賃金付近の給与で貧困生活を行っている人が増えていることを訴えている。

 

しかしながら、賃金はそのようなニーズだけでは決まらない。モノの値段と一緒で賃金も需要と供給がバランスしたところで決まるものである。つまり、生活の安定のために最低賃金アップと主張する方々には、決定的に、「生産性」の観点が抜け落ちていると私は考える。

 

生産性抜きに賃金は語れない 

例えば本コラムには書いてなかったが、よく見かける全国での最低賃金の統一。全国一律1,000円だとか、1,500円だとか。この論理は完全に生産性を無視している。

例えばコンビニのアルバイト。東京のど真ん中のコンビニ と、地方にポツンとあるコンビニであれば、店舗当たりの売上も、そこで働くアルバイトの忙しさも全く違うであろし、労働市場の需要と供給のバランスだって全く異なる。アルバイト1人当たりの1時間毎売上が異なるのに、どうして賃金を一緒にできるのか。無理に決まっている。

 

また「最低賃金=家計補助賃金」というかつての常識が崩壊した今でも、「最低賃金=家計補助賃金」の目的で働いている人はいるし、これは裏を返せば、企業は「家計補助目的」の人をターゲットに、言い方は悪いが、誰でも簡単にできる単純な仕事の求人を出していると言える。

どういうことか。例えば主婦パートの代表であるスーパーのレジ打ち。これは企業としても安い賃金だからこそ人に頼んでいるのであって、もしレジ打ちの賃金があがるのであれば、企業には合理化・自動化のインセンティブが働く。もっと具体的に言うと、最近は会計用の機器の導入事例が増えてきているが、これがもっと進み、レジ自体がセルフサービスになるだろう。中には、友人レジは購入金額の数パーセントの手数料を取って、有人レジと無人セルフサービスレジを併存させるスーパーも出るかもしれない。

どちらにせよ、レジ打ちのように企業にとって提供している価値が給料と見合わなくなれば、間違いなく合理化・効率化・自動化が進み、そしてそれまでその業務を担っていた人は解雇されるであろう。これは、お隣の国を見ても明らかなことだ。

 

生産性アップのために個人ができることは? 

結局のとろこ、生産性が上がれば給料はあがる。この生産性は市場価値と言い換えてもよいかもしれない。

例えば1時間で売上が10万円の人が自己研鑽に励み売上20万円/時間になったとしたら、きっと給料も上がるはずだ。

 

ただし悲しいかな、スーパーのレジ打ちやコンビニのアルバイトは、個人で生産性を上げようとしても、どうしても限界がある。レジを打ちながら客単価を上げることもできないし、お客さんをスーパーに呼び込むこともできない。あえてできるとすれば、高速でレジ打ちを行なって、他人よりも2倍の速さで会計を終わらせるなどだろうか。
(そうだとしても、レジが長く顧客を流しているなどの事情がない限り、売り上げ観点での生産性は上がらない。2倍の速さで対応できるので他のパートを1人減らせる、というのであれば、コストダウンに貢献できるのでもしかしたら給料は上がるかもしれない)

 

では何をすればいいのか。

個人レベルでいえば、ソリューション自体は簡単だ。今よりも高い賃金を得たいのであれば、自身の能力開発を行いスキルを上げて、給料の高い仕事に就けばいいだけだ。

 

例えば、関東の最近の派遣職の時給を見てみよう。

未経験で見たとしても、1,500円以上の時給の職種がごろごろ見つかる。

事務・オフィスワークでも、

  • 経理・会計・財務:1,563円
  • 秘書:1,664円
  • 英語・英文事務・英文経理:1,723円

販売なら

  • 営業・企画営業・ラウンダー:1,697円
  • 航空関連・ツアーコンダクター・添乗員:1,502円

IT・エンジニアだと

  • ヘルプデスク・ユーザーサポート:1,882円
  • SE・プログラマ(WEB・スマホ系):2,284円
  • ネットワークエンジニア:2,447円

派遣元のピンハネ率が高いとか地方は事情が異なるとかそれでもまだ低賃金だとかいう議論はいったん置いておくが、スキルは必要かもしれないが、すでに1,500円以上の仕事はいくらでもありそうではないか。しかもこれらは、看護師や薬剤師のように資格が必要な業務ではない。

www.hatarako.net

 

国が国民に対してなすべきことは? 

以上を踏まえると、単純な最低賃金のアップは根本的な解決にならず、個人としては自分自身のスキルをアップさせることが、給与アップへのなによりもの近道である。

とはいえ、それがなかなか難しいのであろう。急に英語を話せ、プログラミングをしろ、と言われても経験なければ無理だろう。

であるので、意欲のある人に対する能力開発こそ国が支援すべきだと私は考えている。

世の中、結果は公平ではないが、機会は公平であるべきだと考えている。そのためのスタートラインに立てないのであれば、それを国が支援してあげればいいのではないだろうか。例えば失業者や最低賃金で働いている人に対して、無償で能力開発の場を提供する、などである。

もっともすでに職業訓練校というものはある。これがうまく機能しているのかどうか知らないのだが、うまくいっているのであればそれを拡大すればいいわけだし、職業訓練校に通っても自身の市場価値が高まらないのであれば、国は責任をもって職業訓練校のカリキュラムや教え方を見直すべきだ。

 

選挙も近づきどうしてもキャッチーな最低賃金〇〇円というワードばかりに目がいってしまうが、敢えて言うがそのような短絡的なソリューションではなく、中長期的な視野のもと、根本的に問題を解消しにいくソリューションを政治家や、政治家を応援する人たちには述べてもらいたいものである

lightingup.hatenablog.com

 

異論反論ある方もいると思うので、何かあれば是非コメントください。

ではでは。

 

 

追記

もともと賛否あるだろうなと思っていたがやはりそうなったので、追記。

 

まず言いたかったことは、最低賃金を上げるだけでは、失業率が高まってかえって貧富の格差が広まると言うこと。「家計補助」のつもりで働いていた人は仕事にあぶれるし、「生活賃金=最低賃金」でなんとか凌いでいた人は、その仕事さえなくなってしまう。付加価値の低い業務しか出来ない人に、労働以上の対価を支払えないからだ。

最低賃金を上げれば、企業は必死になって生産性を上げようとするよ!最低賃金が低いままだと、安く使い倒せるので生産性を上げるインセンティブがないんだよ! 」というご意見をいただいたがまさにその通り。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

最低賃金を上げれば、企業は必死になって生産性を上げようとするよ!最低賃金が低いままだと、安く使い倒せるので生産性を上げるインセンティブがないんだよ!

2019/07/12 22:28

b.hatena.ne.jp企業は必死になって生産性をあげようとして、低賃金労働者の仕事を自動化し、人を切るであろう。

 

 

また「英語・英文事務・英文経理:1,723円」が安すぎるというご意見もあった。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

いや、その結論はおかしい。>>英語・英文事務・英文経理:1,723円<< この時給自体が著しく低いのだから。企業が正規雇用による実質的な社会保障の担い手の立場を放棄したぶん、最低賃金を引き上げて代替するしかない

2019/07/12 21:42

b.hatena.ne.jp

それは完全に同意だ。だがしかし、スキルを要する仕事の賃金が安いと言うことと、最低賃金を上げることは論点が異なる。仮に最低賃金が1,500円になったとしても、もともとそれ以上の賃金だった仕事の時給はそこまで変わらないだろう。なぜなら、最低賃金が1,500円になれば、レジ打ちなどは自動化されるわけで、そもそも仕事がなくなる。これまで時給800円だった仕事は、時給1,500円になるのではなく、仕事自体がなくなるのだ。そういう現象が最低賃金付近の仕事では起きるが、ただもともとスキルを必要とする仕事は関係のないこと(もっとも効率化が進み企業が筋肉質となり、その結果としてもともといる人たちの給料が上がる、ということはあるかもしれないが)。

スキルを要する仕事の賃金が安いことへの解消は、派遣元のピンハネ率や、正社員へなりやすくするなど、また別の議論である。

 

 

「生産性をあげるのは経営者マターであって労働者マターではない」という意見もあった。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

違うだろ。最低賃金アップの議論において、生産性をあげるのは経営者マターであって労働者マターではない。

2019/07/12 22:08

b.hatena.ne.jp経営者マターであることは間違いないし、安い賃金でしか従業員に報いることができない経営者は己の経営能力を恥じるべきである。しかし、労働者も自分の市場価値を考えて、生産性をどうあげるかを考えるべきである。

そもそも勤め先の給料が低いのであれば、なぜ低いままなのか?あるいは、なぜその会社で働き続けるのだ?自分ごととして、労働者マターとして考えて生産性を上げるための努力をすればもっと選択肢は増えるはずであるし、国はそのための支援をする方がずっと建設的ではないだろうか。

重ね重ねになるが、企業は生産性アップを経営マターとして考えなければならない。それは当然。でも労働者も努力は必要だよね、という話。 何もしていないのだったら、グローバルなこの時代、海外のより安い労働力に取って代わられるだけだ。

 

 

自己責任論というご意見もあった。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

自己責任論に帰結していてビックリした。

2019/07/13 07:19

b.hatena.ne.jp

確かに自己責任論かもしれないが、何歳であってもどのような学歴だとしても、再教育を受けたいと思う人には教育の機会を国が支援する、そのような社会の方が健全ではないだろうか。能力開発の教育を受けたくない、という人は、高度経済成長の時代であれば経済が成長していたので問題なかったかもしれないが、この自動化や海外労働力の活用が進んだ現在、のたれ死んでいくだけだ(もっともセーフティネットとしての生活保護はあるわけだし)。

 

 

今の日本は構造的に生産性が上がらないというご指摘も。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

ま、逆に生産性=時給、高齢化で内需が細り外需が中や越辺りに取られると生産性も上がらんけど。

2019/07/13 06:36

b.hatena.ne.jp

これは本当に、問題だと思う。この問題に関しては残念ながら個人でカバーできる範囲は少ないので(日本を出て海外に稼ぎにいくぐらい?)、企業は自らを筋肉質化するのと、海外で稼ぐ力を伸ばさなければならない。

 

 

 しまったこれは見落としていた!

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

今1500円に上げれば酷いことになるだろうし、といって賃金は生産性に一致してるわけでもない。<a href="https://t.co/6Y9UDNEs5I" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://t.co/6Y9UDNEs5I とか、まとまったのも多いのに。あと最賃*1.5未満が増えたのは額が996から1272円まで上がった影響も大きい。

2019/07/13 03:36

b.hatena.ne.jp

そうか最低賃金5割増し未満の人たちが増えた原因は、そもそもの最低賃金が上がったから、ということも背景にありそうですね。
でもこのことは、最低賃金が上がっても、もともとそれ以上の賃金だった仕事の時給アップにはそれほど繋がらないということの裏返しな気もする。

 

 

日本の生産性が低いのは、1時間あたりに稼ぐドルが低いからというご指摘。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

生産性を定量的に表したのが時給なんだけど。日本の生産性が低いと言われているのは、1時間あたりに稼ぐドルが低いからだよ。コンサルタントにもバカが混じっている。

2019/07/13 08:03

b.hatena.ne.jp

これはその通りだろう。そのために企業は稼ぐ力をより高めなければならないし、労働者だってより稼げるように能力開発をしなければならないと考える。後者に関しては、かつての経済が国内に閉じていた時代であれば問題ないが、働き手は世界中にいる時代になったり、自動化も進んでいるわけで、単純労働はより安価な方向に流れるか、自動化され淘汰されるからだ。

 

 

ミクロとマクロを混在しているという意見もいくつかいただいている。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

ミクロとマクロの話を一緒にしてしまうと、「一人一人が頑張る」みたいな抽象論に着地してしまう。最低賃金は国の政策の話。

2019/07/13 17:17

b.hatena.ne.jp

自分としては、「ミクロでの頑張り」を国がマクロで支援すべきとして意見を書いたのだが、伝わらなかったのは自分の力不足であろう。
またその考えの根底には、一市民としてできることは、個人の頑張りで自分自身とその周囲を変えていくのが最前だという信条はある。

 

 

生産性に対するするどいご指摘。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

生産性の面倒な点は質に関係なく利益が出る様に高く売れば生産性が向上する所。上げた最低賃金以上に高く売っても生産性は向上。関連:アトキンソンの誤診と失った20年(<a href="http://totb.hatenablog.com/entry/2016/12/24/094626" target="_blank" rel="noopener nofollow">http://totb.hatenablog.com/entry/2016/12/24/094626)

2019/07/13 00:02

b.hatena.ne.jp

そうそうそうなんです、値付けは原価からではなく顧客価値から考えるべきもの。

 

 

面白かったのは、変化のスピードが早すぎてついていけないというご意見。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

間に合わない。技術の進歩が早すぎて、追いつける人間が若者しかいないし、その身につけたスキルも急速に劣化し、生産性を失う。これからは社会関係資本に早期に投資することに成功した人間以外、長生きはできない。

2019/07/12 22:07

b.hatena.ne.jpこれには同意する面もあるが、じゃあどうしましょうかという話ですよね。ベーシックインカムとシェアリング社会であれば、賃金は安くとも豊かな生活はできるかもしれない。そのような道を選ぶか、あるいは人生100年常に学び成長し続ける道を選ぶか、だ。

私は後者が性に合っている。

 

 

最後に。こんなことは一切考えていないのだけどなぁ。

生活の安定のための最低賃金アップの議論は明らかに論点が間違っている。論じるべきことは、いかに生産性を上げるかだ - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

お前ら使う側の「生産性を上げる」は、「労働者に如何に気づかれずに、そして反撃されずにこき使うか」ってことだろ? もっともらしい言葉で飾り立ててないで、『金が欲しいから、俺のために死ね!』って言えばいい

2019/07/13 15:00

b.hatena.ne.jp

私はこういう「幸福な」会社を作りたいと思っている。

lightingup.hatenablog.com