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Appleが自動車に関する特許を複数取得、自動運転車の独自開発はなおも進行中か

by Automobile Italia

Appleは2014年から自動運転車の開発を行うプロジェクト・タイタンを推し進めています。2019年はじめには大規模な人員整理が行われるなど、決して順調とはいえないのではないかとうわさされたプロジェクトでしたが、2019年7月に入ってAppleが自動車関連の特許を取得し、さらに新しい特許を出願。着実に前進を続けていることがわかりました。

Apple Car: 3 Futuristic Automotive Technologies Apple Patented Last Month | Inverse
https://www.inverse.com/article/57743-apple-car-project-titan-self-driving


Appleが2019年7月2日・7月9日付けで取得した特許は、加圧ガスを使って拡大・縮小するバンパーに関するもの。

United States Patent and Trademark Office US00000010336290B120190702
https://pdfpiw.uspto.gov/.piw?Docid=10336290


United States Patent and Trademark Office US00000010343634B120190709
https://pdfpiw.uspto.gov/.piw?Docid=10343634


どちらもエアバッグの要領で車体の側面にあるバンパーが飛び出すというもので、車が障害物に衝突した時の衝撃を和らげる目的が想定されています。


また、2019年7月16日に取得した特許は新型のサスペンションについてのもので、急カーブを曲がる時など、強い遠心力で車に対して横向きの力が加わった時にタイヤの摩擦を減らすように働くスマートサスペンションシステムとなっているそうです。

United States Patent and Trademark Office US00000010351162B120190716
https://pdfpiw.uspto.gov/.piw?Docid=10351162


さらに、Appleは7月11日に、駐車スペースやガレージで電気自動車のバッテリーに非接触充電を行える特許を出願しています。

United States Patent and Trademark Office US020190210480A120190711
http://pdfaiw.uspto.gov/.aiw?Docid=20190210480


Appleが出願した特許は、駐車スペースに設置された送信機から車両内にある受信機に無線電力を送信するものだとのこと。Inverseは、Appleが開発する自動運転車は電気自動車ではなくハイブリッドカーだと述べ、この特許出願は将来電気自動車の開発を見越してのものかもしれないと推察しています。


そもそもプロジェクト・タイタンが世に知られたのは、2015年2月、複数のカメラやレーダーなどが取り付けられたAppleの車両が目撃されたことがきっかけ。2014年にカーナビゲーション用OSであるCarPlayがリリースされていたこともあり、「Appleが自動運転車を開発しているのではないか?」というウワサは瞬く間に広がり、複数のメディアがAppleが2014年から自動運転車開発計画である「プロジェクト・タイタン(Project Titan)」を進めていると報じました。

Appleによる「自動運転車」自社開発計画「タイタン」のウワサまとめ - GIGAZINE


その後も、Appleが走行試験場と交渉したり、NVIDIAから人工知能のエキスパートを引き抜いたりと、Appleが自動運転車プロジェクトを全力で進めている様子が伝えられました。2016年、Appleのティム・クックCEOが自動運転車の開発をほのめかすような発言を行い、ウワサは一層現実味を帯びました。その一方で、プロジェクト・タイタンは定期的に計画が見直されて人員整理が行われていたことも報じられていて、決して順風満帆とはいえなかった様子。

Appleによる自動車開発計画「Titan」が一部人員整理に着手、計画の見直しが指摘される - GIGAZINE


2017年に開催されたWWDC 2017で、クックCEOは「我々は自律運転システムに注力しています」と、ついにAppleが自動運転車を開発していることを正式に認めました。

「Appleは自動運転車技術を開発中」とついにティム・クックCEOが正式に認める発言 - GIGAZINE


ただし、Appleはソフトウェアを開発する環境やノウハウは豊富でも、ハードウェアである自動車本体の開発はまったく経験がありません。そこで、Appleは自動運転車を製造するパートナー企業として、ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンを選んだと報じられました。

Appleの自動運転車プロジェクトのパートナーはフォルクスワーゲンに落ち着いた模様 - GIGAZINE


パートナー企業も決定してようやく順調に進むかと思われたプロジェクト・タイタンでしたが、Appleは2019年1月にプロジェクトメンバーから200人以上を削減し、同年2月には190人を解雇する大規模な人員整理を敢行。Appleは「自動運転車の開発自体は続行中である」と述べたものの、この人員整理がプロジェクト・タイタンの進行に大きな影響を与えるのではないかと見る向きもありました。

Appleが190人の従業員を解雇、自動運転車開発プロジェクト「Titan」に影響か - GIGAZINE


バンパーとサスペンションの特許については2016年に出願していたものが認められた形ですが、車のバッテリーへの非接触充電については新しく出願したものであることから、複雑な事情が絡みつつもAppleでの自動運転車開発は中止されずに進行中だとInverseは予想しています。なお、Appleの製品について数々の予言を行っているアナリストのミンチー・クオ氏は、Appleの開発する車は2023年から2025年の間に明らかになるだろうと述べました

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in ハードウェア,   乗り物, Posted by log1i_yk

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