この現象は、一部の人には、まるで時計仕掛けのように規則正しく起こります。
日中はなんとか不安を抑え込んでいても、ベッドに横になったとたん、ありとあらゆる悪いシナリオが頭に浮かんできて、不安でたまらなくなるのです。頭の中は不安や心配事の嵐が吹き荒れ、こんな状態では、とても眠るどころではありません。
とはいえ、どうすることもできないわけではありません。今回は、不安がどのように睡眠を妨害するのか、この問題にどう対処すればいいのかを解説します。
なぜ急に不安になるのか?
米LHでは以前にも、不安が脳にどのような影響を与えるのか、また、どうすれば安眠できるのかについて、お話したことがあります。
DNewsが提供する下の動画は、不安が呼び起こされると脳にどんな反応が現れるのか、また、突発的な不安はどのようにして引き起こされるのか、眠っているときに発作に襲われると何が起きるか、を説明しています。
簡単に言うと、身体が突如ストレス反応のスイッチを入れることがあり、その結果、発作的な不安が呼び起こされるということです。
これは何の警告もなしに起きる現象で、座ってテレビを見ていても、夜ベッドで眠っていても、潜在意識の中で突然不安が巻き起こります。
そのメカニズムはこうです。日中に大きな不安にさらされていると(プロジェクトの期限に追われている、翌朝からの旅行を心配しているなど)、脳がそのパターンを覚えていて、直接的にはストレスを受けていないときにでも、パニック的な不安を呼び起こすのです。
この発作が起きると、せっかく心をなだめて眠りについたとしても、夜中に目が醒めてしまい、プロジェクトや旅行のことを、再び心配し始めるはめになります。
このパニック発作が真夜中に起きると、事態はさらに複雑になります。
不安に襲われて目を醒ますと、今度は、このままでは十分な睡眠がとれなくなるのではないかという心配が頭をもたげ、不安がさらに高まります。この不安の悪循環が夜通し繰り返されると、眠れぬ朝を迎えることになります。
では、どうすればいいのでしょうか? 以下に、安らかな睡眠を勝ちとるためのヒントを紹介します。
1. 起き上がってベッドから出る
以前にも説明しましたが、ベッドの上には、もうすぐ眠れそうなとき、眠れることがわかっているときだけ、居るようにします。
睡眠以外のこととベッドを、脳が結び付けないようにしなければいけません。眠れないときは、ベッドから出て椅子に座るか、ほかの部屋に行くようにします。
2. 意識をそらす
明るすぎない照明で本を読む、温かい牛乳を飲む、軽いものを食べる(くれぐれも重すぎず、アルコールを含まないもの)。窓の外を走る車を眺めるなど、どんなことでもかまいません。
重要なのは、突発的なパニックのあとにやってくるネガティブな思考や感情から意識をそらすこと。
以前米LHでも紹介しましたが、周りにあるものを1つとりあげ、心の中で詳しく描写するのもひとつのやり方です。そうすることで、瞑想のような状態になり、気持ちを落ち着けることができます。
3. 日中に運動する
これは、夜になる前にやっておくべき対策ですが、アメリカ国立睡眠財団は、夜眠りやすくするために、日中に軽い運動をすることを勧めています。
同財団によると、早歩きのような単調で中程度の運動でも、慢性の不眠症を改善する効果があるそうです。
4. ToDoリストを書き出す
不安が、翌日、あるいはこの先1週間で片付けるべきタスクから来ているときは、ToDoリストを書き出すと効果がある、とアメリカ国立睡眠財団は言っています。
忘れてはいけないタスクのことで頭が一杯になっているなら、ToDoタスクを書き出すことで、脳がリラックスして、眠りにつきやすくなります。
5. リラックスするように務める
もちろん、言うほど簡単ではありませんが、眠るためには、リラックスをして、不安やパニックをゆっくりと鎮め、心と体を安定した状態に近づけることが重要です。
そのために瞑想をする人たちもいます。瞑想が苦手がという人は、自分に合ったリラックス方法を見つけてください。
6. 時計を見たくなる誘惑に抗う
つい時計を見たくなりますが、見てはいけません。真夜中にひとりぼっちで眠れないでいるときに時計を見てしまうと、劇的に不安が高まり、貴重な睡眠時間を無駄にしているという焦りにますますかられることになります。
大まかにいえば、深夜の不安への対処法はだいたい上で紹介したものに集約されます。
もし、起きるまでに時間的な余裕があるなら(4時間後に起床とかでないかぎり)、軽い鎮静剤や睡眠導入剤を飲んでもいいでしょう。ただし、薬に頼りすぎないように気をつけてください。
睡眠に深刻な問題があったり、夜中に頻繁に目が覚めるようなら、医師に相談するか、睡眠検査を受けてください。上で紹介したやり方以外にも、安眠への扉を開く効果的な治療法があるかもしれません。
あわせて読みたい
Image: Shutterstock.com
Source: アメリカ国立睡眠財団
Alan Henry - Lifehacker US[原文]