相手を批判する時は、「褒め言葉のサンドイッチ」テクニックを使うと良い、と聞いたことがあるかもしれません。これは、「褒める→批判する→褒める」の流れで行なうやり方です。

うまく伝えられないと、本心をごまかしていると受け取られる可能性もありますが、批判をソフトに伝えるために使われるテクニックです。

これと似たもので、ある心理学者が「苦情のサンドイッチ」と呼ぶテクニックがあります。このテクニックを使うと、小言っぽくなることなく、子どもにしてほしいことをうまく伝えることができます。

「子どもにしてほしいこと」はシンプルに

心理学者で作家のGuy Winch氏が、自分もよく使っているという苦情の伝え方を、先日行われたAspen Ideas Festivalで紹介していました。

大人が大人に対して使うテクニックとして紹介されていましたが、子どもにしてほしいことを伝えるのにも効果的です。イベントを共催したThe Atlanticは、このテクニックを次のように説明しています。

最初の“パン”は、苦情を伝える相手を身構えさせないためのポジティブな言葉です。

そして次に来るのが“肉”です。Winch氏は、ここでやりすぎてはいけない、と言っています。

「サンドイッチの肉は、伝えたい苦情です」とWinch氏。

「ここでひとつポイントがあります。

この肉は、脂身がついていない赤身でなければなりません。言い換えれば、今伝えたいことだけにフォーカスすべきだということです。」

ダラダラと文句を言い連ねてはいけません。今この状況で相手にしてほしいことだけをシンプルに伝えるようにします。

最後の“パン”は、締めくくりの言葉です。ここでは、ポジティブで、相手にやる気を起こさせるようなメッセージをもってきます。

具体例その1

子どもがまたベッドを直すのを忘れたとします。「一体何度言えばわかるの? 毎朝言わせないで!」などといきなり叱ってはいけません。

そうではなく、次のように言ってみましょう。

「ねえ、あなたがいつも、がんばってるのはわかってるんだよ。(パン)

でも、今朝はベッドを直すのを忘れちゃったみたいね。(肉)

学校に行く前に直してくれるとうれしいんだけどな。(パン)」

具体例その2

あるいは、朝一緒に出かけようとしている時に、子どもがいつものように、出かける準備をノロノロとやっていたとします。

あなたもいつものように「早くしなさい! 行くわよ!」と叫んでしまいます。そうする代わりにこう言ってみましょう。

「今日は服を早く着られたねえ!(パン)

でも、リュックに荷物を詰めるところでのんびりしちゃったみたい。(肉)

服を着た時みたいに早くできたら素敵ね。(パン)」

ご覧の通り、問題点を指摘し、してほしいことを明確にしていますが、対立的な雰囲気はありません。

褒め言葉は、最大のやる気スイッチ

また、Winch氏は、毎朝同じ「苦情のサンドイッチ」を食べさせないですむように、子どもがあなたのしてほしい行動をとったら、褒めてあげるようにとアドバイスしています。

Winch氏は、どんな場合でも、叫んだり、侮蔑的な言い方をしてはいけないと言います。

「たとえ怒っていたりイライラしていたとしても、険悪な空気を出してはいけません。それではメッセージがうまく伝わらなくなります。」

また彼は、「努力の兆しが見えたら、大げさなぐらい褒めてあげましょう」とも言っています。子どもにしてほしいことをさせるには、それが最善のやり方です。

あなたも親なら、ポジティブな褒め言葉が、子どもを一番やる気にさせることをわかっているはず。

またそれは、「苦情のサンドイッチ」の素晴らしいサイドディッシュになることでしょう。

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Photo: Brian Macdonald (Getty Images)

Source: GuyWinch.com, The Atlantic

Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文