デスクワークが多い人なら、自分の座る姿勢をよくする方法について考えを巡らせたことがあるでしょう。
人間工学を応用したキーボードを使ってみたり、腰の痛みを和らげるためにバランスボールを使ってみたり。
では、運転中の姿勢はどうですか? 特に車通勤の場合、運転中の姿勢が悪いと、1日のデスクワークでためこんだ痛みを、帰路で悪化させてしまうことにもなりかねません。
Cleveland Clinicに勤める理学療法士のMary Morrisonさん曰く、デスクで自分に合った方法があるなら、それを車に適用するのがポイントなのだとか。
デスクワークと同様、自分に合ったセッティングで、人間工学的によい運転姿勢を実践してください。
だからといって、お金をかけて新しい道具やビーズ入りクッションを買う必要はありません。
お金よりも時間をかけて、自分にとって快適な運転姿勢を見つけることが大切です。
まずは試行錯誤してみる
車に乗りこんですぐに最適な姿勢が見つかることはありません。Morrisonさんが言うには、絶妙なセッティングができるようになるまでには、多少の時間が必要です。
少しずつ調整して、痛みの原因を特定しましょう。
まずはシートの位置を変えて、数日間運転してみます。これを何度か繰り返してベストな位置を見つけたら、今度はハンドルを握るのに楽でかつ視界を邪魔しない腕の位置を見つけてください。
ただし、同時にいろいろ変えないこと。
一度に変えすぎると、症状が悪化するうえに、原因の特定にもつながりません。
ですから、注意深く進めるほうがいいでしょう。
新しいシートポジションで30分通勤するのが厳しければ、新しいポジションで5分だけ試してから元に戻すというやりかたでも構いません。
運転姿勢改善のポイント
ひとことに姿勢改善といっても、どこから始めたらいいかわかりませんよね。Morrisonさんは、最初に試すべきポイントをいくつか提示しています。
1. シートに頼る
最近の車は、いろいろな方法でシートの調整が可能です。
ハンドルやペダルからの距離、角度などをいろいろ変えて、自分にとって快適な設定を見つけましょう。
シートを後ろにしすぎると、ハンドルに手が届かなかったり、道路が見にくくなったりします。理想は、ハンドルを握った状態で背骨がまっすぐになるポジション。
また、腰骨の椎間板への圧力が小さいのは、シートが30%リクライニングした状態です。
ハンドルからの距離とリクライニングが決まったら、次はハンドルに対する高さを調節してください。
理想的なポジションさえ見つかれば、普通に座って寄りかかるだけで、ベストな姿勢を保つことが可能です。
2. 腕はリラックス
パニック状態で運転するアニメキャラクターのように、ハンドルを握る腕が伸びた状態ではいけません。
力を抜いて、肘が少し曲がった状態が理想です。アームレストで腰への負担が軽くなるなら、積極的に使ってください。
3. 頭はヘッドレストにつける
シートが正しいポジションなら、あごが水平のまま背筋を伸ばせば、頭が自然とヘッドレストに当たるはずです。Morrisonさんは、運転中は背筋を伸ばすことを勧めています。
4. 「10時10分」は忘れる
教習所で習った10時10分」は忘れてください。姿勢面でも安全面でも、それがベストとは限りません。それよりも「8時20分」(4と8)のほうが、首や肩への負担を軽減できます。
何を試してもダメなときは
上記のすべてがダメだったら、腰用のクッションなど、道具の使用を検討しましょう。
それでも痛みが続くようなら、病院に行ってお医者さんに相談してください。何らかの病気が進行しているかもしれません。
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Image: Matthew Henry/Unsplash
Source: Cleveland Clinc
Elizabeth Yuko - Lifehacker US[原文]