ひどい悪夢にうなされて目が醒めたことがある人は、どれほど嫌な気分になるかわかるでしょう。

そこで悪夢が終わるのではなく、私も含む多くの人にとって、悪夢による恐怖や不安、憂鬱な気分は、拭い去るのが難しいこともあります。

特に、常に不安に対処しているような人は、そんな気分で1日が始まるのは最悪です。

幸いにも、悪夢を払拭する方法はありますので、気分を切り替えて1日をスタートさせることはできます。

米Lifehackerは、その方法を解明するべく2人の精神科医に話を聞きました。

悪夢を見た後に不安や憂鬱な気分になる理由

悪夢を見た後に回復して1日をスタートさせる方法を紹介する前に、まずはなぜ悪夢にはそのような状態にする力があるのかを見ていきましょう。

アトランタを拠点とする精神科医Dion Metzgeによると、不穏な夢は現実のように思えてしまうからです。

Metzgeは「現実世界で恐い体験をした後の気持ちと同じように、悪夢による不安や哀しみや怒りにも同じ反応をすることがある」と米Lifehackerに語っています。

また、脳がすぐに夢を忘れる理由の一部もそのせいだと、精神科医のAlex Dimitriuは言います。

精神医学と睡眠医学両方の正式な資格を有し、「Menlo Park Psychiatry & Sleep Medicine」の設立者でもあるDimitriuは「そうでなければ、夢と現実を区別できません」と言います。

Dimitriuは、悪夢で特に怖い思いをするのは、夢はある種最高のバーチャルリアリティ(VR)シミュレーターみたいなものだからだとも言っています。

実際、夢の“現実味”が、喜びでも、哀しみでも、恐怖でも、不安でも、夢で体験した感覚を目覚めた後も継続させているのです。

夢の中の感情や気分を処理することに関する説はいくつかあります。感情が強すぎる場合は、目覚めた後も、そのような思考を処理することができません。

これが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こしていると考えられています。

PTSDがある人は、夜は悪夢によって、昼はフラッシュバックによって、苦しみ続けているのはそのせいです。

悪夢から回復するためにできること

悪夢の後のショック状態に対処するには、最初に、悪夢が不安やネガティブな気分を引き起こしていると認めることだとMetzgerは説明します。

不安に感じるのは自然な反応であり、抑えたり、恥ずかしく思うことではありません。

Metzgerは「昔、夢に動揺していることを恥ずかしく思っている患者さんがいました。原因が夢か、現実の体験かは重要ではありません。人間の脳は同じように反応します」と言っています。

次に、繰り返し同じような内容や夢を見る場合は特に、夢の内容を思い出して処理しましょう。Dimitriuが言っているのは、PTSDの治療法と同じです。

朝起きてやるべきことは、気分や感情を忘れることではなく、それを日記に書いたり、誰かに話したり、考える時間を取ったりして、それと向き合うことです。

私のセラピーのアプローチ方法は“ボギーマン・モデル”と言って、基本的に暗闇を恐れて走り続けている限り、言葉通り暗闇を恐れて走り続けたままだというものです。

ほとんどのセラピーの目標は恐怖と向き合うことであり、悪夢への対処法でも間違いなく同じです。

恐怖と向き合うのに助けが必要なこともあり、その場合にセラピーが向き合うための道具となります。

今回紹介した方法は、悪夢に対する感情や思考と向き合いながら、積極的に悪夢に対処する方法です。

ベッドの上で悶々とするのではなく、きちんと起き上がって、1日をスタートさせましょう。

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Image: Pelly Benassi/Unsplash

Source: Dion Metzge, Alex Dimitriu

Elizabeth Yuko - Lifehacker US[原文