フサフサの赤ちゃんが17人報告される→薬が入れ替わっていた

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  • author Jennings Brown - GIZMODO
  • [原文]
  • 中川真知子
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フサフサの赤ちゃんが17人報告される→薬が入れ替わっていた
Photo: Getty Images

ちょっと洒落にならないんですけど!

赤ちゃんの世話って本当に神経使いますよね。寝ていると静かで嬉しいんだけど、静かすぎると心配になって生存確認したり、昼寝の時間が遅れただけで、砂糖入りの食べ物でも与えてしまったのかと心配になったり…。とにかく、いろんなことが心配で気疲れしてグッタリします。

それくらい大変なのに、なんと、スペインでは乳児を含む少なくとも17人の子供がいわゆる「おおかみ男症候群(多毛症)」という症状が出たらしいんです。いやいや、いきなり子供が毛深くなったらパニックどころじゃないですって!

「息子の額、頬、手足が毛で覆われて…。」とEL Pais紙に話したのは、6ヶ月の赤ちゃんを持つAngele Sellesさん。

生後3ヶ月の赤ちゃんを持つ別の母親は、この奇妙な症状に悩んで病院に行ったそうですが、その時、医者に「遺伝か新陳代謝の関係」と言われたそうです。

「小児科に行ったら、遺伝か新陳代謝に関係があるのではないかと言われました。いくつかの症候群や稀な疾患の可能性もあるので、私は専門家の門を叩きました。」

AEMPS(スペイン医薬品医療機器局)は、このアウトブレイクを調査し、すべての子供が胃逆流薬の「オメプラゾール」と信じられているものを服用していたことに気づきました。「信じられていたもの」と書いたのは、実はこの薬が胃逆流薬ではなく、脱毛症治療薬の「ミノキシジル」だったのです。

研究チームは、この薬がスペエイン南部のマラガがにある製薬工場のFarmaQuimica Surからきていること、そして、分割包装する際に間違った説明資料を使ってしまったために、異なるラベリングをしてしまったことを突き止めました。

この件が原因で、FarmaQuimica Surの運営は「医薬品製造管理基準」に達していないために停止。また、調査の結果、問題を解決するために6ヶ月の猶予を与えられたそうです。

当然ですが、オメプラゾールは市場から撤去。スペイン保健省は声明の中で、ミノキシジルの使用を中止した後、多毛症の症状が回復すると予測していると述べています。

El Pais誌に話しをした親によると、子供の毛は抜け落ちたそうです。ただ、安心してばかりはいられません。どんな薬にも副作用がつきものですが、ミノキシジルにもやっぱりあって、心臓の合併症の副作用が心配されるだそうです。当局は乳幼児へのミノキシジルの影響を掘り下げるため、調査を続ける予定とのこと。

本当、洒落にならないですよ…。パッケージが入れ替わっているなんて誰も考えないじゃないですか。今回の被害に遭われた親御さんたちは、どんなに不安でしょう。背筋がゾッとする話しですよ。