香港の抗議デモ団体のWebサイトがDDoS攻撃に! 黒幕はやはり…?

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香港の抗議デモ団体のWebサイトがDDoS攻撃に! 黒幕はやはり…?
Image: samuelwong / Shutterstock.com

香港の抗議デモ団体のWebサイトがDDoS攻撃被害に! 犯人はやはり…ですよね。

香港の民主化デモ団体にとって、もっとも重要なWebサイトの1つである「LIHKG」が先週末、DDos攻撃の被害に遭い、一時的にダウンしました。犯人が誰なのか、はっきりとはわかりませんが…まあ、これまでの流れから察するに…想像はついてしまいますね。6月から巻き起こっている香港の抗議運動に、中国政府はそりゃあ、控えめに言っても、非常に不愉快に思っているわけですからね…。

ブルームバーグニュースから発表された第一報によると、先週末、同WebサイトにDDoS攻撃が仕掛けられ、大量のアクセスを処理しきれなくなったサーバーがパンク状態となり、ログオン不能になったとのこと。サイトの管理側は、「攻撃の一部は中国のWebサイトからだった」と報告しています。 一国二制度を敷く香港で民主的な権利を求める抗議者にとって、LIHKGは非常に重要なオンラインフォーラムです。彼らの抗議活動にはリーダーがいないので、内部紛争を抑えるため、今後の活動戦略をサイト上の投票で決めているのです。

同サイトには、「LIHKGはこの24時間で、過去に前例のないDDoS攻撃を受けています」という声明文が掲載されました。「世界中のボットネットを操作してこれだけの攻撃をしかけているからには、何らかの力、あるいは国家レベルの力がはたらいていると確信しています」と。 同サイトによると、8月31日の16時間で15億件の処理リクエストが殺到し、ユーザー向けには「スマートフォンアプリが正常に機能しない場合、モバイルWebサイトバージョンのフォーラムに切り替えてください」と促しています。

中国政府は、6月中旬に発生したメッセージサービス「Telegram」に対する同様の攻撃でも、裏で糸を引いていたのでは、という疑念が浮上しています。8月下旬には中国の人民解放軍が国境の深セン市から両国の境界地区にまで進入しており、香港の人々は彼らがこの半自治区にまでやってくるのではないか、と不安を抱いています。人民解放軍が実際に侵攻するかどうかはまだわかりませんが、ここ数週間の政府高官の動きに、不穏なヒントがちりばめられている感じです。

LIHKGは、「Be Water(水のようになれ)」というモットーを掲げる抗議団体にとって、不可欠なツールです。これには、ある場所で市民としての反抗を訴えて注目を集めたら、すぐに別の地域に散る、という意味合いがあります(水のように流動的であれ、ということですね。ブルース・リーの名言らしいです)。この戦術に警察は振り回され、デモが起きるたびに遠くの地域に出動しなければならず、当局がやっと現地にたどり着いた時にはもうデモ隊は姿を消している、という状況になっているのです。こうした迅速な抗議活動も、LIHKGなどのサービスを使ったオンライン活動がなければ、不可能です。

YouTubeは最近、「影響作戦」と名付けられた複数のアカウントを停止しました。これは、香港の抗議デモに対する欧米諸国の見解に揺さぶりをかけるため、中国政府主導で運用されたものとみられています。また、中国の国営メディアは、TwitterやFacebookのような、アメリカが運営するSNSで差別的な対応をされていると不満を表明しています。

中国最大の国営メディアである「新華ニュース」は、デモ参加者を暴力的なフーリガンとして中傷するFacebook広告を購入しています。その後、Facebookはこの組織から今後、広告費を受け取らないと宣言しました。

香港政府のトップであるキャリー・ラム長官は先週、「私に選択肢があるなら(長官を)辞めたい」と発言したとされる録音データが流出して、問題となりました。香港の人々は皆、彼女が中国政府の支配下にあり、辞めることができないという意味合いに受け取っています。2012年に中国のトップの座についた習近平主席は、人々が期待したような「香港の自由化」に乗り出すことはありませんでした。彼がやったことと言えば、政府の権限を強化して経済的成果を上げ、富裕層を喜ばせることだったのです。

香港の若者は、中国の全面支配が及ぶ前の今が、自分たちの権利を求めて立ち上がる最後のチャンスかもしれない、と認識しています。そして、彼らはあきらめないことを誓っています。部外者である私たちが言えることは、これだけです:

「我々は、あなた方の声を聴き、姿を見ています。心は一緒です。強くあれ、香港」。