日本に第4のキャリアが誕生しました。
先ほど楽天の自社スマホ「Rakuten Mini」をおしらせしていますが、本日のメインテーマはこちらでございます。
本日9月6日に携帯キャリア事業についての発表会を行なった楽天モバイルが、キャリアサービスの詳細を発表しました。昨夜の噂どおり、10月1日より“助走期間”をもうけて、無料でデータ・音声通信を提供します。これをもって、ドコモ、KDDI、ソフトバンクに続く4つ目のキャリアとしてサービスを始めることになります。
今回の発表会では、正式な商用サービスのアナウンスは行なわなかったため、「じゃあいつから楽天で契約できるようになるの?」と、正直ややこしいです。なので、この記事ひとつでなるべく全貌が理解できるよう、まとめます。
そもそもキャリア事業とは
楽天モバイルは今まで、ドコモやKDDIの回線を借りて、モバイル通信事業を行なっていました。いわゆるMVNOというものです。
しかし今日の発表会でアナウンスされたものは、MNOとしての楽天モバイル。MNOとは、ドコモやソフトバンク、auといった主要3キャリアと同じく、自社の回線設備を使っている通信事業者のこと。
楽天は2018年4月に総務省から電波の割り当てを受け、日本の主要都市に基地局を設置。そしてこの10月からサービスを開始するというわけです。
まずは5,000名からスタート
10月よりサービスインする楽天ですが、このタイミングで誰でも楽天回線を使えるようになるわけではありません。まずは「無料サポータープログラム」というテスト期間を設け、5,000名をめどに募集を開始します。このプログラムを10月1日から受付し、手を挙げたユーザーがまずは楽天のサービスを使えます(抽選になる場合あり)。来年の3月までテストを続ける予定です。
テスト期間中は通話、データともに0円です。つまり商用サービスではないんですよね。
無料サポータープログラムの条件
期間
・2019年10月1日〜2020年3月31日まで
・2019年10月1日(火)午前0:00から10月7日(月)午前9:59までの期間、楽天モバイルのWebサイトで受付開始(多数の場合は抽選)
対象
・東京都23区、大阪市、名古屋市、神戸市に住んでいる
・満18歳以上
・新規契約およびMNPのユーザー
使えるサービス
・国内通話、データ通信、国際電話、国際ローミング(データ通信)、SMSを無制限で利用可能
要件
・品質テスト/アンケートに回答する
・楽天回線対応製品を使うこと
申し込みができるユーザーの地域は限定的なものの、楽天の回線を持って対象地域の外に出ても、KDDIのローミングで通信できるそうです。このローミング費用も期間中は無料。
「楽天回線対応製品を使うこと」というのが肝ですね。契約してSIMを自分のスマホに差し替えて…みたいなことはできず、対象のスマホを使う必要があります。
じゃあ、いつから契約できるの?
だれでも契約できるようになるのはいつなの? これは、不明です。噂では2020年の春になるとも言われている本格的なサービス提供(商用サービスの開始)ですが、三木谷会長兼社長によると早くて2019年内とのこと。
ちなみに助走期間とも言える「無料サポータープログラム」については当初から計画されていたとのことで、報道されていたように遅れているわけではなく、必要な期間であると明言しています。
料金プランは発表なし。年内に発表か
今回は「無料サポータープログラム」についての発表のみで、すべての人が契約できる料金プランについては発表なし。
新料金プランは、発表からサービスローンチまで一定の期間をおくのが通例ですが、楽天モバイルMNOの料金プランについては、2019年内には発表したいとのことです。
楽天モバイルは「3大キャリアと比べて料金が安い」と言われていますが、実際においくらになるのかは持ち越し。ただし、「他社が真似できない料金」になるとのことで、期待してます。
全端末SIMフリー、縛りなし、違約金なし
楽天にはキャリア事業を行なうにあたっての「野望」があります。それは、今の寡占的な携帯市場をディスラプト(解体)し、携帯・スマホの選択をもっと自由にすること。ややこしくて高い料金プラン、2年縛り、SIMロックといった囲い込むような戦いかたではなく、ユーザーがもっと自由に選べるようになれば、価格競争が起こり、適正な価格になっていくという目論見。
そこで、楽天のサービスで特徴的なのが以下の2点。
全機種SIMフリー
楽天モバイル経由で購入する端末はすべてにSIMロックがかからない仕様。Galaxy S10とか、今までに国内では手に入らなかったモデルもSIMフリーで。これは今後MVNOで発売される端末でも適用。
料金プランの縛りはなし
いつでも解約できる、違約金も0円
そして、この2点に加わるのが、上でも記した「価格」です。楽天モバイルMNOが安くサービスを提供できる理由として、「仮想化ネットワーク」という技術を使う点にあります。
そもそもモバイル通信の仕組みは、端末(スマホやガラケー)と基地局(いわゆるアンテナ)が繋がっており、その基地局は通信事業者の通信網に繋がっています。通常、基地局や通信網の設備には、汎用性の低い専用のハードウェアが使われています。しかし楽天モバイルは、この回線設備をソフトウェアで再現します。これが仮想化ネットワークです。
この技術の肝は、汎用性の高いハードウェアでもモバイル通信が実現できること。つまり、設備コストが低くできるというわけなんですね。それが結果的に、料金プランの低価格化の一要因になるといううわけ。
今後
現在、楽天の自社回線は東京23区、大阪市、名古屋市の東名阪で、基地局稼働のステップとしては、上記画像②の「基地局と集約局の接続」を検証している段階とのこと。ここがクリアになることで、本格的な商用サービススタートになる予定です。
また、MVNOのほうの楽天モバイルは、今まで通り継続。回線設備が整い次第、MNOへの移行を推奨するとのこと。長期的にはMNO回線に切り替わっていくけど、具体的にMVNO新規契約の打ち切り時期などは決まっていないそう。
というわけで、ざっとまとめてこんな感じです。まだ価格は決まってないけど、みなさん楽天モバイルに乗り換えたいですか?
Source: 楽天モバイル