メチャクチャ洗練されました。
Garminのスマートウォッチにはパワフルだけど野暮ったいという印象があるかもしれませんが、IFAで発表されたのはファッショニスタでも恥ずかしがらずに着けられるような洒落たウェアラブル端末でした。
「Venu」は、Garmin初の1.2インチ有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載したスマートウォッチ。 2019年だってのにいまさら有機ELを搭載したスマートウォッチに興奮するなんて...と驚かれるかもしれませんが、Garminにとっては大きな一歩前進です。これまでGarminは、直射日光の下ではちゃんと見えても、それ以外の環境では見えづらい半透過型カラーディスプレイを好んできました。
Venuのディスプレイのクオリティは何段階も進化しています。私が見たデモ機では水蒸気のアニメーションのウォッチフェイスが表示され、あえて言うならApple Watchと肩を並べていたほどです。それにVenuは色の組み合わせもカッコ良くて、ブラック&ゴールド、ライトサンド&ローズゴールド、グラナイトブルー&シルバー、そしてブラック&スレートというラインアップ。いつもなら色の展開はそれほど興奮することでもないのですが、Garminは派手なネオンや単調ブラック&シルバーという無難な配色になりがちでしたからね。
見た目は別ですが、Venuの中身はIFAで後継モデルが発表されたVivoactiveシリーズと似ています。通知やGPS、心拍計、モバイル決済機能のGarmin Payそしてディスプレイ上でワークアウト手順を教えてくれるアニメーションを搭載。最近のGarminのアップデートでリリースされたPulse Oxと呼ばれる新機能ももちろん使えます。Pulse Oxでは月経トラッキングや体の回復レベルを知ることができます。
バッテリーに関しては、スマートウォッチモードだと5日間、GPSと音楽の連続使用で6時間持つとのこと。400ドル(約4万2780円)とスマートウォッチとしてはなかなかのお値段。でもGarminのトラッキング指標がぜんぶ搭載されていますし、Samsung(サムスン)のGalaxy Watchと比べてやや高いくらいかな、という程度です。
お披露目された製品の中でも特筆すべきは、進化したハイブリッドスマートウォッチ「vívomove」シリーズです。 今回はvívomove Luxeとvívomove Styleといった選択肢が加わりました。どちらも、一見するとアナログ時計のように見えます。この2つのモデルの特徴は、デュアル有機ELタッチスクリーンが内蔵されている点。これはVivomove HRで初めて導入したアイデアでしたが、画面の下半分のみのディスプレイだったので読みにくかったのです。
しかし、ウォッチフェイス全体に有機ELを用いることで、通知を読みやすくなり、機能を操作しやすくなりました。普通のスマートウォッチに慣れた人からすると変な感じかもしれませんが、個人的にはとても洗練されて、控えめでハイブリッドなアナログ時計になったと感じました。私ならフォーマルな行事や、着飾りたいと思った日にも喜んで着けますね。
ドーム型サファイアクリスタルとステンレス鋼のケースで価格が500ドル(約5万3480円)からのLuxe。Styleは少しお手頃になって300ドル(約3万2090円)で、代わりにゴリラガラスとアルミニウムを採用しています。
StyleとLuxeにもVenuとほとんど同じ機能が搭載されています。主な違いはStyleとLuxeが内蔵GPSではなくスマートフォン経由のGPSを利用することと、ワークアウト手順のアニメーション表示がないという点。それ以外は同じ健康指標やGarmin Payが搭載されています。
Garminのスマートウォッチは性能自体はしっかりしていたものの、細かなUIやフィットネス中心のブサイクなデザインで行き詰っていました。今年の初めに1500ドル(約21万円)のMARQラインで方向転換を図ろうとしましたが、イマイチなディスプレイだったため、簡単には受け入れられなかったのです。VenuとVivomoveのLuxe、Styleでもって、ようやくGarminはファッション性と機能性のバランスを取れるようになったのではないでしょうか。