New York Timesの「The Ethicist」コーナーで、イライラを抱えたある読者が、怠け者で「何もしない」同僚について相談していました。
「彼女はしょっちゅうランチ休憩をとり、始業時間にも遅れるし、『在宅勤務』日には実際のところ働いていません」と、この相談には書かれています。
「…そのうえ、いつも文句を言っていて、自分のプロジェクトに無関心です。仕事をするのに最小限の労力しか払わず、うまくいかなければクライアントや外部の要因のせいにすることもしょっちゅうです。(中略)上司は誰ひとりとして、気づいていないか、気にしていないようです。どうやら、寝た子は起こさない方針のようです」
やる気が出ないのは、自分の仕事の「つまらなさ」にある?
私たちは誰でも、この手の同僚を少なくとも1人は知っています。場合によっては、まさにあなた自身がその同僚で、自分では気づいていない、ということもありそうです。
でも、それはあなたのせいではないかもしれません。
「担当任務を説明するジョブ・ディスクリプション(職務記述書)が誤解を招く内容だった」とか、「同じ役職に何年もついていたせいで燃え尽きてしまった」という可能性もあるでしょう。
「Quartz」のSarah Todd氏は8月27日付けの記事のなかで、仕事が退屈な場合にどうすればいいのかという問題を扱っています。Todd氏の出した答えは、Redditで時間をつぶすとか、Twitterのタイムラインをスクロールするといった類いのものではありません。
Todd氏は、退屈に苦しんでいるのなら、あなたの仕事こそがその元凶である可能性が高いと述べています。もう興味をもてなくなった仕事を担当しているせいで(もしくは、最初からやる気が出ない仕事に就いていたせいで)、やる気を出すのに苦労しているのでは、というのです。
あなたはいま、転職できる状況ではないかもしれませんが、「仕事のつまらなさ」を軽くするためにできることはいくつかあります。
勤務時間中にふと気づくとはまりこんでいるRedditの穴から抜け出したいのなら、自分なりの短期的な目標を設定し、できる限りやる気を出せるようにしてみましょう。
仕事をゲームとして捉え直してみる
仕事でやる気を出すのに苦労している人たちのために、「Quartz」は、フロリダ大学の社会心理学者Erin Westgate氏の論文を引きあいに出しています。この論文では、おもしろみのない仕事を乗り切るのに役立つひとつの方法が提案されています。その方法とは、「挑戦の要素を追加して、仕事をゲーム化する」というものです。
たとえば、プロジェクトを完了させるまでのタイマーを設定してもいいですし、午前10時までに最低10通のメールに返事をすることにしてもいいでしょう。短期的な目標を立てれば、仕事がもっと楽しくなるかもしれません。少なくとも、時間が速く過ぎるように感じられる可能性はあります。
仕事をゲーム化して労働意欲を高める企業
近未来SFシリーズ『ブラック・ミラー』を思い出させる現実の話なのですが、「Washington Post」紙は先ごろ、仕事を「ゲーミフィケーション(ゲーム化)」して従業員の労働意欲を高める大企業の話を伝えています。
たとえば、LyftとUberは、ドライバーが稼働時間を長くしたくなるような目標を設定しているそうです。一方Amazonは、単調な倉庫作業の一部を、リアルなテトリスのようなゲームにしています。ただ、こうした類いのことは、われわれがここで推奨したいものではありません。
自分で立てた目標を達成したら、また別の目標を立てましょう。
「できる限り忙しい状態を保って、時間が速く過ぎるようにしましょう」と、u/rishi_cupさんはRedditのスレッドに書いています。「……何回か休憩をとる場合は、1日を小分けにして、もっと小さい、達成可能な目標にするといいでしょう。『ああ、10時の休憩だ。もう1日の4分の1が終わった』という具合です」
そして、自分にご褒美もあげましょう。目標を達成したらTwitterを5分見てもいいことにしたり(5分以上はダメです)、ポモドーロ・テクニックを試したりしてもいいでしょう。
仕事以外のモチベーションを見つけ、ルーチンを見直す
可能であれば、来週に1日、休みをとってみてください。先に楽しみがあれば、仕事のモチベーションが見つかるかもしれません。
あるいは、また別のRedditユーザーが提案しているように、お決まりの仕事という退屈さを打破するために、短期間だけ別のプロジェクトに取り組みたい、と上司に頼んでみてもいいでしょう。
「12週間にわたって、まったく新しいチームと別の仕事をする機会が舞い込んできました」とRedditには書かれています。
「そのプロジェクトは厄介なものではなく、私の能力で十分に対応できました。おかげで、いつもの仕事に伴うイライラのもとからひと息つくことができました。変化は、休日と同じくらいの効果があります。(中略)ただし大切な点は、その12週間のあいだに、自分の仕事の本質的なモチベーションはどこにあるのか、それをじっくり考える十分な余裕があったことです。どんなタイプの仕事に時間を費やしたいのか、それが実際の私の仕事とどれくらい一致しているのか。その点をじっくり考えました」
また、「仕事を家に持ち帰るな」という言い回しは真実をついています。つまり、物理的なもの(ノートパソコンや書類など)だけでなく、感情的なもの(ストレスなど)も、職場に置いてくるということです。たいていは、口で言うほど簡単ではありません。家にいる時には、メールやSlack、メッセージをチェックしてはいけません。
それから、1日をくぐり抜けたら、自分にご褒美をあげましょう。友人とのディナーでも、PS4の前で過ごす1時間でも、リラックスできることならなんでもかまいません。
別の仕事を探す前に、問題を特定・修正できるか検討する
自分の仕事に本当に嫌気がさしているのなら、そこから逃げ出す前に、職場の何が問題を生んでいるのかをよく考えてみてください。
「問題は上司でしょうか? まとわりついて細かいことまで逐一管理し、あなたに長い経験があるにもかかわらず、自主性を認めてくれないタイプの上司がいるのでしょうか」「あるいは、仕事そのものが問題なのかもしれません。Xをすると思って契約したのに、結局Yをしているとか、仕事量が多すぎるとか、あるいは、仕事が少なくて毎週何時間も退屈してしまうとか」。そう「LinkedIn」に書いているのは、「Ask a Manager」のAllison Green氏です。
問題を特定したら、それが修正できるかどうか見極める時間をとることを、Green氏は勧めています。そのためには、上司にあたるマネージャーと話し合ってみるといいかもしれません。問題が修正できないなら、別の仕事を探すべき時かもしれません。ただし、やけになるあまり、出くわした最初のチャンスに飛びついたりしないようにしてください。
「仕事でみじめな思いをしている時には、目の前に現れた最初の救命ボートにしがみついてしまいがちです。けれども、あまりに急いで飛びつくと、結局は次の場所でも不満を抱えることになってしまうかもしれません」と、Green氏は書いています。
ですから、自分の仕事を吟味し、その利点も考えてみましょう。もしかしたら、在宅勤務方針や休暇スケジュールという点では素晴らしい仕事かもしれませんし、あと1か月くらいは我慢する価値がある場合もありえます。
時間をかけて、別のチャンスを探しましょう。本当にやりがいがあって、勤務中にRedditの投稿やWikipediaの項目を読み漁るなんてしたくならないほどの仕事を見つけてください。
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Source: New York Times, Quartz, Washington Post, Reddit, LinkedIn
Josh Ocampo - Lifehacker US[原文]