アンバランスな恋になるかどうか。
えぇ、確かにカッコよくないとは思いましたし、言いましたよ、iPhone 11 Pro。でもね、こんなにもStayが多いってのはびっくりなんですけど(執筆時点でWant19、Stay90の大差)!
編集部でもどうしてこんなに新しいiPhoneはそそらないんだろうって本気出して考えてみたのですが、僕なりにいくつか考察してみました。結局は三眼レンズの配置の話になってくるんですけど、そこについて思うところが色々ありまして。
幾何学的に不均衡すぎない?
公式サイトの画像だと特に違和感はないんですけど。
実物を見てみると、四角形で囲われたレンズのエリアにモヤモヤしちゃいません? 単純に、四角形の中に円(レンズ)を3つ配置するという図形的に避けられぬ不整合さがあるとはいえ、果たしてこれがベストの配置なんだろうかと…。円の半径と四角形の角丸半径は同じになるよう処理されてるように見受けられますが、単純に円と四角形の同居で線が渋滞してるようにも感じます。
たとえば右側のレンズを、上下センターではなく上列にそろえてフラッシュとマイクの穴を下側に持ってくるとか。あるいは左側2つののレンズを角丸長方形のように縦に一体化してしまうとか、色々あったと思うんですよ。もちろんAppleのことですから色々試した上でこの配置に至ったはずなんでしょうけど、それでこのかたちなのがマジかぁってところなんですよぉおぉ。
実物と写真の違いといえば、レンズの厚みです。写真ではほぼわからないのですが、レンズの外径が一段盛り上がってて、背面部から勘定すると背面→四角形部→レンズ外径部→レンズ部と、立体の情報が多い。視覚的な情報の煩雑さは、これもまた目に心地良いとは言えず。レンズ自体の厚みはそれほどないというのが救いでしょうか。
他所様のレンズはどうなってる?
だって見てくださいよ、他のトリプルレンズ系スマホのバック・ダブル・バイセップス(お背中)を。
四角形エリアにレンズを配置したパターンなら、Mate 20 Proが近いか。
3つのレンズに対してフラッシュをレンズと同じように配置することで視覚的に整った印象を与えてます。レンズエリアの位置がセンターゆえより対称性を意識しているのかと思いますが、これをスマホの左上に置いてもそう違和感は無いと思うのですよ。
そう、こんな風にッ! このかたちは同じすぎて使えないでしょうからLEDとマイクをブロック的に扱う必要があるでしょうけど、やーっぱり三角形にする必要性はあんまり感じないよなぁ…。
まぁ、このトライアングル配置がスコープドッグみがあるといえばそれも愛嬌でありアイコン、いわばプロダクトの表情、キャラクターになる。そう捉えればこの不均衡さも愛らしいと受け取れます。そういうのわりと好きですし。でもね、Appleにそこを求めてるかとね、言われるとね。
幾何学的な安定を超えた愛着がある、といいな
好意的に解釈するなら、整頓されたトリプルレンズ配置が多い中でこのむせるスタイルがユニークに感じられる未来ってのは、わりとあるように思います。ありきたりなバランスに終始するのではなく、攻めたデザインでユーザーの心を揺さぶっていく。その姿勢は確かにApple的ですし、僕らが今感じてる違和感も時間が経てば懐かしき思い出になっていくんじゃないでしょうか。かつてのノッチのように。
価値観の時間的変化すら見据えたデザインを、Appleならやらないこともない。そうでないのなら、僕たちはこの背面を見るたび違和感に身をよじり続け、iPhone11 Proを買った人にその理由を聞き続けるでしょう。あ、『ボトムズ』ファンは別なので、大丈夫です、はい。むしろ一番信用できる。
2019年9月11日09:18追記:
初出時、P20 Proの画像を「P30 Pro」と記載しておりました。訂正してお詫び申し上げます。