もう地球を燃やさないで。
欧州宇宙機関(ESA)が公開した最新の衛星画像によると、アマゾンの熱帯雨林とブラジルその他の地域全体で発生した火災によって、あらゆる大気汚染物質が大気中に放出されたことがわかっています。下の画像では、アマゾンの8月初旬の一酸化炭素排出量が示されています。
ブラジルの森林火災の件数は10万件を超え、昨年の同時期比で45%増であることをブラジルの国立宇宙研究所が示唆しています。
パブリックヘルス(公衆衛生)への影響
また火災の影響で、昨年と比べて一酸化炭素、ホルムアルデヒド、エアロゾルなどの危険な汚染物質の割合が急増していることをESAは指摘しています。
一酸化炭素による酸素レベルの低下で呼吸が困難になることは多くの人がご存知の通りですが、火炎に含まれる有機物からの粒子状物質を吸い込むと、呼吸器や心臓への問題が引き起こされる可能性があります。
世界保健機関(WHO)は先週、こうした大気汚染の影響が懸念される地域に警鐘を鳴らしました。
地球環境への影響は?
燃えたぎる木々からは二酸化炭素が放出され、さらに火炎から排出されるブラックカーボンが太陽放射を吸収するため、いずれも地球温暖化を加速することにつながります。
森林火災件数の増加については、アマゾンを私有地化して作物、酪農、鉱業、木材のため森林を燃やして土地をきれいにすることを支援するブラジル大統領が関係していることを指摘する声も多数あります。アマゾンの森林火災はまた、林冠に住む先住民族地域を奪うことになります。
さらに向き合わなければいけない問題は、森林火災がアマゾンだけで起きているわけではないこと。世界的な火災の件数は、昨年に比べて先月ほぼ4倍まで増加しました。2018年8月は16,632件。2019年8月は約79,000件。世界が今、燃えています。私たちにできることは何なのか...ひとりひとりが日常的にできるような、ちいさな目標を設定しながらこの地球規模の問題に取り組みたいものです。
Source: European Space Agency