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表参道で働くシニアのブログ

みずほ銀行の新システムがIBM×COBOLで昭和っぽさあるとおもったら逆で、みずほだけが「脱・昭和」できてたのか

Photo by Etienne Martin on Unsplash

日経 xTECH(クロステック)で「35万人月、みずほ銀行システム統合の謎」というシリーズ記事が公開されている。

tech.nikkeibp.co.jp

出典は「日経コンピュータ」誌の2019年9月5日号で、32ページにわたる特集を全19本の記事で構成している。

みずほシステム統合の謎、参加ベンダー「約1000社」の衝撃 | 日経 xTECH(クロステック)

有料会員向けの記事ということもあるんだろうけれど、上記のような一部記事だけが微妙なかんじでバズっていて、その記事を読むと、まあこういう感想になる。

みずほシステム統合の謎、参加ベンダー「約1000社」の衝撃 | 日経 xTECH(クロステック)

今年って昭和何年だっけ? “基盤とアプリ開発のベンダーが異なることで特有の難しさも生じた。富士通はIBMの基盤上で動作するCOBOLプログラムを開発しなければならなかった”

2019/09/10 18:52

ところが、別の記事を読んで印象が大きく変わった(強調筆者)

2011年6月に本格化したプロジェクトが、「そもそも何をやっていた?」と疑問が出るほど長引いたのは、銀行システムの根幹といえる勘定系を全面再構築していたからだ。

...

今の銀行システムの原型といえる「第3次オンライン(3次オン)」が稼働したのは1980年代後半のこと。それ以降、大手銀行が勘定系システムを全面再構築した例は無かった。みずほFGに限らず、どのメガバンクも合併のたびに勘定系システムを旧行のどちらかに統合する「片寄せ」を繰り返してきたからだ。

みずほシステム統合の謎、本当に「全面再構築」したのか | 日経 xTECH(クロステック)

これまでの勝手な印象で、ほかのメガバンクではシステムの統合に成功していたが、みずほでは失敗し続けたあと3度目の正直でようやく完了した、というだけだと思っていた。ところが、そういう単純な話ではなくて、2度の失敗のあとでみずほ銀行はシステムを延命統合させる道を捨てて、フルスクラッチで再開発に取り組んだということらしい。

景気が良かった1980~90年代に構築した基幹系システムを塩漬けして使い続けている日本の大企業は少なくない。老朽化した基幹系システムを2025年までに刷新しないと、保守運用が難しくなるだけでなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)について行けなくなり、企業は「崖」を転がり落ちる――。経済産業省はそれを「2025年の崖」と表現した。銀行の3次オンは塩漬けの代表格だった

4000億円台半ばを投じる必要があったが、みずほFGはライバルたちに1歩先んじて「崖越え」を果たした。

8年がかりでそれがようやく完了したので、部分的な改修で昭和の末期に作られた第三次オンラインのシステムを延命させている他行に対して、今ではみずほが先頭という逆転が起きてるそうだ。連休でよく止まってるときには、みずほ銀行がメインバンクでなくてよかったとおもったけれど、むしろ他の銀行のほうが未だに昭和ということだったのか。

旧システムの要件や現状の業務フローを踏襲する「AS IS(アズイズ)」の要件定義を全面的に禁じた。「過去の苦い経験から、要件定義においてユーザー部門が『今のままで良い』『アズイズでよろしく頼む』との態度をとるのが最悪だと学んだからだ」。

みずほシステム統合の謎、「スパルタ」で挑んだ要件定義 | 日経 xTECH(クロステック)

これは要件定義工程の記事だけど、なかなかのパワーワードですごい。

ほかにいろいろな工程が記事になっていて、さすがにメインフレーム以外の開発言語はJavaだったり、FinTech企業にAPIをもっと公開できるようになりそうという未来予想とか、いくつか興味深い話題もあって面白かった。

Photo by Etienne Martin on Unsplash