自然界の悲鳴!
今年の夏はヨーロッパで猛暑がトンでもないレベルとなってしまいました。すでにその影響は、自然界にも見られていて、厳しい寒さで知られるイングランドの北方の地で、かつては熱帯地方の植物と考えられていた種の繁殖が確認されたりしていましたが…。
スウェーデン最高峰が最高峰でなくなる
このほどスウェーデンのStockholm University(ストックホルム大学)の研究者たちは、これまで国内最高峰だったKebnekaise(ケブネカイセ)山の南頂の高度を再測定。その結果、過去50年間で24mも高度が下がってしまい、いまや北頂のほうが国内最高峰と入れ替わってしまったことを発表しましたよ。ここ数年の夏の猛暑で、氷河が解け続けて、山頂の風景が変わってしまったと報告されていますね。
すでに同大学の研究者チームは、昨年の時点で、ケブネカイセ山が、どう見ても南頂より北頂のほうが標高が高いように思えるとの感触を得ていました。しかしながら、冬期は正確な測定が難しいため、今夏に測定を延期。そして、最新の計測において、南頂の高度は2095.6mになったことを明らかにしており、北頂よりも1.2m低くなってしまったことを公表しました。今冬に雪が積もれば、またその高度は上がるものの、北頂を抜くことはかなわず、国内最高峰は南頂から北頂に移ったとせねばならないとの見解が示されていますよ。
なお、ただ記録が更新されたというレベルの問題ではなく、25mプール1つ分の高さほど、山の頂が低くなってしまうくらい、氷河が解けてしまっており、それだけの水が失われたことは、決して楽観視できないとの警鐘も鳴らされているようです。雪解け水に水量供給を頼っている地方の人々の生活が損なわれたり、ここまで山頂の高さが下がったということは、それに匹敵するスピードで、海水面の上昇も続いていく危険性を指摘。真剣に温暖化対策に取り組まなければ、もうかなり地球への影響は取り返しのつかないところまできているのかもしれませんよね?
Source: Stockholm University